肥満と病気の関係性

印刷用ページ[2024/07/15] 内科

みなさん、こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは“肥満”と聞くと何を思い浮かべますか?
メタボリックシンドロームという言葉や太っている人のことなどが思い浮かびませんでしたか?
実は、肥満とはそれだけではないのです。
肥満とは、直接病気にも関わり、最悪の場合には命にも危険を及ぼす可能性のある危険なものなのです。
今回は肥満についてお話していきたいと思います。


そもそも肥満の何を基準を知っていますか?

世界保健機関(WHO)の診断基準では、BMI25以上が過体重、BMI30以上が肥満と判定していますが、日本人は諸外国より肥満の基準を厳しく考えなくてはなりません。
なぜなら、日本人をはじめとした東アジア人は、食事から摂取したエネルギーを皮下脂肪よりも、内臓脂肪にためやすい体質だからです。
その為、見た目は諸外国の人々よりも細めに見えても、内臓脂肪を起因とする病気のリスクが、他の人種の方よりも高く、日本肥満学会ではBMI25以上を肥満、BMI30以上を肥満症と判定しています。

※BMI(Body Mass Index)とは体重(㎏)÷身長(m)×身長(m)で算出した肥満度をあらわす体格指数の事

最初にお話した通り、外国人と日本人では肥満の基準が異なるように、日本人は皮下脂肪ではなく、内臓脂肪を溜めやすい体質とされています。
そもそも、この皮下脂肪と内臓脂肪とは一体どんなものなのか、皆さんは知っていますか?


皮下脂肪と内臓脂肪の違いは?

●皮下脂肪

皮膚のすぐ下につく脂肪であり、見た目に分かりやすく変化が現れます。
特に下半身につきやすい為、下腹部から太ももにかけて太く変化します。

●内臓脂肪

腹筋よりも内側、腸の周りにつく脂肪を言います。 内臓脂肪がつくとヘソ周りがぽっこりと出てきます。
内臓脂肪が増え過ぎると、肝臓やすい臓、筋肉に蓄積されるようになります。
これを異所性脂肪と言います。
内臓脂肪は最も病気を引き起こしやすい脂肪とされています。

さて、皮下脂肪と内臓脂肪について分かったところで、具体的にどのような病気になってしまうのかをみていきましょう。


肥満が関連する病気ってどんな病気?

内臓脂肪が過剰にたまると、脂肪細胞と呼ばれる内臓脂肪を構築しているものが炎症を起こします。
脂肪細胞は、生理活性物質という体の機能を調節するために分泌しているものです。
それが炎症によりバランスが崩れてしまいます。

内臓脂肪が増え過ぎると、血糖値や血圧を上げる分泌物が過剰に出され、逆に血糖値や血圧を下げる分泌物が減少します。
その結果、糖尿病や高血圧のリスクが高まります。

内臓脂肪が増えると、血液を固まりやすくし出血を止める分泌物が過剰になり、血栓が出来やすくなります。
血栓が増え、糖尿病や高血圧により血管の動脈硬化が進行し、脳や心臓の血管もつまりやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

また、肥満はがん発症にも影響するという事がわかっています。
脂肪細胞が分泌するものの中には、細胞の増殖を抑える働きのあるアディポネクチンというものがあります。
内臓脂肪が増える事で炎症が起こり、アディポネクチンの分泌が減るとがん細胞が増殖してしまう為、がんが発症する危険性が高まるとされています。

まとめると、肥満は今挙げたような生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症等)や心臓病、脳梗塞の他にも、関節など整形外科的疾患、月経異常、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群などなど、あらゆるところに関わる病気を引き起こすという事も分かっています。
皆さんが、ただ想像するような体が太った状態にあるだけではなく、これだけの種類の病気を引き起こす原因となりかねません。

さて、では肥満となってしまった場合にはどうしたらよいのか?
いわゆる『ダイエット』が必要となりますね。
しかし、肥満となってしまった方が、明日から急に運動や食事制限ができるかと言われると・・・少し難しいかもしれません。
明日から行う大変なことより、今日からでも実践できることから始めてみましょう。


ダイエットのために今日からできることは?

肥満は肉や揚げ物をよく食べる人や満腹になるまで食べる人。
お酒が好きでよく飲む人、朝や昼を抜くことがある人、運動不足の人といった日常生活の乱れから肥満になる人が多いとされています。

・食生活を正しくする

1日3食規則正しく食べる
よく噛んで食事に時間をかける
栄養の偏りがなくバランスよく食べる
アルコールは適量にする


・適度な運動を行う

エレベーターを使わず階段で上る
少しの距離なら乗り物は使わずに歩く


・定期健診等を行い、医学的に健康管理に臨む

1年に1回は健康診断を受ける
投薬治療を行う

もちろん、今までの生活スタイルを一気に変えるというのは、とても難しいことです。
一気に変えようとしても三日坊主では意味がありません。
長い時間をかけて蓄積した脂肪は、それなりの期間継続していかないとなかなか減っていきません。
それだけ、規則正しい食事・睡眠・生活を続けるということは難しいのです。
今日から、明日から、まずはどれか1つを継続することから始めてみましょう。継続が大切です。


まとめ

いかがでしたか?
肥満は薬だけでなく、自身の少しの努力や日常生活を少し変えるだけで、改善するものでしたね。
もちろん、張り切ってジムに通ってみたり、がっつり食事制限を行うことも、自身のストレスとならないのであれば挑戦していみましょう。
でもそんな自信はない・・・と言う方は、家から駅までバスだったところを歩いてみる、今までより積極的に野菜を多めに取ろう、エスカレーターではなく階段を使ってみよう、こういった小さなことから始めてみませんか?

現代では、医学的に生活習慣病や肥満予防を行うことも大切で、効果的とされています。
ららぽーと横浜クリニックでも、生活習慣病の投薬治療だけでなく、食事療法や運動といった日常生活から出来る治療も指導させていただきます。
健康診断も行うことが出来ますので、少しでも気になる場合は、一度ご相談にいらしてください。


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