糖尿病ってどんな病気?

印刷用ページ[2018/10/01] 内科

こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。皆さんは生活習慣病と聞くとどんな病気を思い浮かべますか?
「高血圧症」や「脂質異常症」、「高尿酸血症」など、いくつかありますが、これらの生活習慣病は自覚症状がほとんどないため、気が付かないうちに病気が進行します。その結果、脳や心臓、血管といった体の大切な器官にダメージを与えていき、ある日突然狭心症や脳卒中といった恐ろしい病気を引き起こす可能性があるのです!

今回は「生活習慣病」の代表格とも言える「糖尿病」についてお話をしていきます。皆さんの糖尿病についてのご理解はどの程度でしょう。血糖値が高くなる病気?年齢を重ねてからなる病気?
……さて、実際のところはどうでしょうか??

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないためブドウ糖が有効に使われずに、血糖値が高くなっている状態のことを言います。
ここまで説明しても「インスリン?ブドウ糖?血糖?」と言葉だけが先行すると、インスリンがどのような作用をするのか、なぜ血糖が高くなるのか、わからないところがあると思います。そこで糖尿病についてお話しする上で重要である「インスリン」と「血糖」についてお話ししていきましょう。
 

✔インスリンの役割と血糖

皆さんは毎日体を動かしていますよね?(※運動という意味ではなく、行動や移動という意味ですよ)
その体を動かすためのエネルギーは普段の食事から得ています。食事の中でもご飯やパンなどの炭水化物やイモ類などに含まれる「ブドウ糖」がエネルギーの源となっています。ブドウ糖が血液中に溶け込んで全身に運ばれることでエネルギーとして働き、脳、筋肉、内臓が動いて日々の生活が送れているのです。
この液中のブドウが「血糖」と呼ばれています。
血糖の量は当然食事をすると増えますが、健康な人の体内では変動する血糖がコントロールされ、一定の幅の中で保たれるようになっています。この保つために必要となってくるのがインスリンというホルモンです。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞でつくられ、食事によって血糖の量が増えると、β細胞がインスリンを分泌します。血糖が全身の臓器に届くと、インスリンの働きによって臓器は血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、貯えたり、細胞の増殖を促したりします。このようにして、食後に増加した血糖はインスリンによって速やかに処理され一定の量に保たれています。
インスリン注射イラスト
 
どうでしょう、インスリンと血糖の関係がお分かりいただけましたか?
説明したとおりですが、インスリンの作用が十分でない(インスリンの量が少ない、上手に働かない)と血液中のブドウ糖が処理されず、血糖が一定の量を超えて高い状態が続きます(高血糖状態)。この状態が糖尿病なのです。
この糖尿病には種類があり、それぞれ糖尿病の発症の原因とされるものに違いがあります。
 

糖尿病の分類

糖尿病とはどういった状態なのかについてお話ししてきましが、糖尿病はその原因により4つの種類に分けられます。
 

・1型糖尿病

インスリンをつくる膵臓のβ細胞が壊れてしまい、インスリンが作られなくなり糖尿病になるタイプです。自分の体内でインスリンをつくりだすことができなかったり、ごくわずかしか作れないため、体の外からインスリン補給(インスリン注射)が必要となります。子どもや若年者に多く見られ、突然発症する傾向にあります。
 

・2型糖尿病

インスリンの分泌が少なくなったり、インスリンの働きが悪くなり糖尿病になるタイプです。おもに中高年以降にみられますが、食生活をはじめとする欧米化により若年者の発症も増加してきています。
日本の糖尿病患者さんの約90%が2型糖尿病と言われ、加齢、遺伝、過食、運動不足、肥満、ストレス、などの生活習慣が発症に関する危険因子と言われています。このため2型糖尿病は生活習慣病と言われています。
また、肥満がなくても、内臓脂肪が増えるメタボリックシンドロームと呼ばれる状態になると発症しやすくなると言われています。


・妊娠糖尿病

妊娠をきっかけに血糖値が高くなるなどの糖尿病の症状があらわれるのが妊娠糖尿病のタイプです。妊娠中はわずかな高血糖でも胎児に影響を与えるため、糖尿病ではなくても妊娠糖尿病と呼びます。
妊娠中に胎盤が作るホルモンがインスリンの働きを抑える作用もあるため、十分なインスリンが作られない場合に血糖が上昇します。
肥満、高齢妊娠、家族に2型糖尿病患者がいる、過去の妊娠で高血糖を指摘された場合に起こりやすいと言われています。あくまで妊娠をきっかけに糖尿病の症状が現れることを言うため、妊娠前にすでに糖尿病と診断されている場合は妊娠糖尿病とは呼びません。


・特定の原因によるその他の型の糖尿病

β細胞機能やインスリン作用に関わる遺伝子の異常によるもの、ほかの病気(肝疾患、内分泌疾患)や薬剤に伴って糖尿病を発症するタイプです。
 
と、糖尿病の種類についてお話しましたが、インスリンの分泌が上手くいっていないなど普通に生活していたらわからないですよね。勿論、そういった異常が起きている時は自覚症状が現れてきます。糖尿病の症状は以下の通りです。
 

糖尿病による症状

血糖値の高い状態が続く糖尿病の症状が現れます。しかし、軽症の糖尿病の場合は自覚症状がみられないことが多く、発見が遅れることがあります。ここで代表的な自覚症状をあげていきたいと思います。
 

・尿の量が多くなる

糖は尿に出るときに、同時に水分も一緒に出すために尿の量が多くなります。

・のどが渇いて、水分をたくさん摂る

尿の量が多くなるため脱水状態となり、のどが渇き、水分をたくさん飲みたくなります。

・体重が減る

糖が尿に出るために、体のタンパク質や脂肪を利用してエネルギー源とするためです。

・疲れやすくなる

エネルギー不足と体重減少により疲れを感じやすくなります。

以上が代表的な自覚症状ですが、1型糖尿病では尿が増える、のどが渇くといった症状が急に起こります。
しかし2型糖尿病では自覚症状がないままに発症し、ゆっくりと糖尿病が進行していることがあります。
 

糖尿病による合併症

血糖値が高い状態が長く続くと合併症が起こる可能性が高くなります。
 

*細小血管症

細い血管にみられる糖尿病に特徴的な合併症で、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれる病気を指します。
糖尿病網膜症
目の網膜には毛細血管が張り巡らされています。血糖値が高い状態が続くことで血管が詰まるなどで障害され、目のかすみ、視力低下などがあらわれ、症状が進むと失明する危険性があります。
 
糖尿病腎症
腎臓は尿を作る重要な内臓です。腎臓には毛細血管が密集していて、血糖値が高い状態が10~15年続くと次第に血管が障害されていきます。糖尿病により腎臓の働きが悪くなることで、血圧が上昇する、尿中にたんぱくが出る、体がむくむなどの症状があらわれます。症状が進むと、血液中に老廃物がたまり、腎不全や尿毒症など命にかかわる重篤な症状を引き起こす危険性があります。腎臓が働かなくなると透析治療(本来腎臓が行う役割を人工腎臓や腹膜を利用して行うこと)が必要になります。
 
糖尿病神経障害
2型糖尿病の患者さんのうち30%は発症から5~10年程で末梢神経に障害が起こり始めます。糖尿病になっている期間が長いほどどの割合は高くなります。神経が障害され、信号がすばやく体のすみずみまで伝達するという働きが低下し、手足のしびれ、ほてり、痛みなどがあらわれますが、こうした自覚症状が現れる人は約15%と言われています。重症化すると、次第に神経は働きを失っていくため、痛みやしびれではなく、感覚が鈍くなったりなくなったりします。そうすると傷を負っても気づきにくく、そこから細菌感染を起こし足先や手に壊疽(えそ:組織崩壊し腐ること)を起こすこともあります。
 

*大血管症

大きな血管の病気である動脈硬化により起こる合併症で、脳卒中や、心筋梗塞、足の壊疽などがあります。動脈硬化は糖尿病があると進行しやすくなり、合併症による深刻な状況を引き起こす原因になります。
 
脳卒中
脳卒中にはいくつかのタイプがあります。代表的なものは脳梗塞と脳出血ですが、糖尿病を発症している場合に多いのは脳梗塞です。手足の麻痺や言葉が急に出なくなる、ものが二重に見えるなどの症状がみられます。また、血管が完全に詰まっていなくても血流が悪くなり、頭が重い、物忘れがひどい、怒りっぽいなどの症状があらわれます。
 
心筋梗塞
心臓の筋肉に栄養や酸素を送る血管の動脈硬化によって引き起こされる病気で、胸が締め付けられるような強い痛みがあらわれます。また、息切れしやすい、脈が途切れる、体がむくむなどの症状が心筋梗塞の前触れでおこる可能性があります。
 
末梢動脈性疾患
足の血管の動脈硬化により血流が悪化することで引き起こされ、足やふくらはぎが痛くなり運動ができない、休みながらでないと歩けないなどの症状があらわれます。症状が進むと、潰瘍や壊疽を起こしてしまい、足を切断しなければならない場合もあります。
 
以上が糖尿病による合併症です。生活への支障がでるものや最悪の場合は命にかかわるものまで、糖尿病が引き起こす様々な糖尿病の怖さがお分かりいただけたでしょうか。
 

糖尿病は予防できるのか?

生活習慣病と呼ばれるくらいですから、生活習慣を見直すことで糖尿病の発症のリスクを減らすことができます。
具体的には

・食生活(腹八分目を心掛ける、野菜を積極的に摂取する)

・散歩などでもよいので運動をする

・肥満にならないようにする(体重に気を付ける)

・禁煙する

・ストレスと上手に付き合っていく

・健康状態のチェックを行う(健診を受ける)

など、普段から気を付けていくことができるものばかりです。
こうした取り組みは糖尿病の予防だけではなく、他の病気の予防にもなりますので積極的に取り組んでいきましょう。
 

まとめ

今回は糖尿病がどうして起こるのか、糖尿病による症状や合併症にはどんなものがあるのか、予防法はあるのかについてお話ししました。「糖尿病はよく聞く病気だし、生活習慣病でそれほど怖い病気のイメージがなかった」という人もいたかもしれません。
糖尿病はインスリンという血液中の血糖濃度を調節してくれる大切なホルモンが、上手く分泌されないために血糖が高い状態が続いてしまう病気であり、この「血糖が高い状態」が続くことによって、脳・目・手足などの全身に合併症を引き起こす可能性のある厄介な生活習慣病です。
なお、遺伝的な要素の強い病気ではありますが、糖尿病という病気そのものが遺伝するわけではなく、飽くまでも「糖尿病になり易い体質が遺伝する」と考えてください。
 
糖尿病による症状に当てはまった、また合併症の症状に当てはまっていて気になる、健康診断で指摘をされたことがある方は、一度内科でのご受診をおすすめします。
もちろん当院の内科でも多くの方が定期的に通院されています。血液検査で状態を調べ、投薬治療も行えますので、お気軽にご相談くださいね。

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