高血圧の原因は1つじゃない!?

印刷用ページ[2019/01/01] 内科

皆さん明けましておめでとうございます。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。

年に1回、定期的な健康状態の把握のため、健康診断は大切ですが、その時「血圧」の項目で「良くない結果が出てしまった」という経験はありませんか?
前年より高くなっている方は「生活習慣を改めましょう」などの指摘があったかもしれません。そもそも高血圧の原因ってなんなのでしょう。そして、生活習慣を改めれば改善されるものなのでしょうか。

今回はそんな「高血圧の原因」をテーマにお話ししていきましょう。

 

そもそも「血圧」とは?

「血圧って何?」と聞かれて、皆さんは説明出来ますか?
恐らく多くの方が「何となくわかるけど、説明と言われるとなかなか言葉にならない……」なんていうものですよね。果たして「血の圧」とは一体何でしょう??


簡単に言えば、血圧とは「血液による血管壁への圧力」です

体内の血液は、心臓がポンプの役割をすることで血管へと流れています。血液を心臓から血管へ送り出した時に、血管の内側の壁に加わる圧のことを「血圧」と言います

 

どこから高血圧?

さて、血圧について簡単に理解していただいたところで、どこからが「高血圧」と判定されるのかを考えていきましょう。
高血圧の診断には血圧を測って「最高血圧」と「最低血圧」を知る必要があります。
最高血圧は「上の血圧」とも表現されますが、血液を送り出すために、心臓が筋肉をギュッと収縮させた時の圧力のことです。
一方の最低血圧とは、最高血圧とは逆に心臓の筋肉が最も広がった(拡張された)時の圧力のことで、「下の血圧」とも呼ばれます。

血圧の基準値は最高血圧が120mmHg未満かつ最低血圧が89mmHg以下です
最高血圧が140mmHg以上あるいは最低血圧90mmHg以上で高血圧と診断されます

ではこの高血圧、原因はどんなものが挙げられるのでしょうか。大きく分けて2つあります。

 

高血圧の原因は大きく分けて2つ

◆一次性高血圧(本態性高血圧)

高血圧と言われて皆さんが思い浮かべる原因として、「生活習慣の乱れ」というワードがあると思います。
実はそのワードは間違いではなく「一次性高血圧」または「本態性(ほんたいせい)高血圧」と言われており、高血圧の方の約9割がこれに当たります。
遺伝的素因もありますが、ほとんどがストレス・運動不足・肥満・加齢などの生活習慣の乱れから来る高血圧であることがわかります。

また、原因を特定出来ないというのが一次性高血圧の特徴です。
「え?原因は生活習慣でしょ?」と思いますか?
では「生活習慣を直してください」と医師に言われた場合、あなたならどこから生活習慣の改善をしますか?漠然と言われても難しいですよね。
基本的には遺伝的な素因を持っている(=なりやすい)方が生活習慣の乱れによって血圧が上がってしまい、高血圧という診断を受けるものですが、どの生活習慣の乱れがその要因になったかは断定が出来ません。

そのため、いきなり「生活習慣を全部直せ!」というのは難しいので、出来るものからひとつずつ生活習慣の乱れを正していく流れになります。

 

◆二次性高血圧

さて、上では「高血圧の9割~」という書き方をしましたが、残りの1割は一次性高血圧とは違い、原因がハッキリしている高血圧である「二次性高血圧」と言います。
これは「とある病気や障害によって引き起こされる高血圧」を意味し、急な発症、高度の高血圧、若年発症、治療を始めても反応が悪い場合などに二次性高血圧は疑われます。

  • 臓機能の障害 : 腎臓の機能が低下することにより塩分や水分の排出機能が低下し、こうした物質が体に溜まることで血圧が上昇します。腎不全の治療と同じように塩分制限が重要になります。
     
  • 腎動脈狭窄 : 腎動脈が細くなることによって、腎臓から血圧を上昇させる物質である「レニン」が分泌され、高血圧になります。
     
  • ホルモンの過剰分泌 : 特定のホルモンが過剰に分泌されることで発症します。塩分増加をさせる「原発性アルドステロン症」や「コルチゾール」の過剰分泌による「クッシング症候群」などがあります。
     
  • 糖尿病 : 実は糖尿病の患者さんの40~60%が高血圧を持っており、無関係とは言えません。これは糖尿病ではない患者さんのおよそ2倍です。
    血液中のブドウ糖が過剰になっており、正常値と同じ血中濃度にしようと血液量が増えてしまうために高血圧となります。この場合は原因になっている病気を治すことが大切になってきます。

 

最後に

高血圧症は一次性高血圧の方が殆どであり、家庭でも定期的に血圧測定をしておくのが良いでしょう。
もし高血圧気味であるなら、家族の方に高血圧症の方がいないか(遺伝的素因)、生活習慣の乱れはないかを見直しておきましょう。

生活習慣の乱れを直しても血圧が基準値に戻らないという場合には二次性高血圧の可能性もありますので、一度病院で診てもらうことをお勧めします

ららぽーと横浜クリニックでも多くの高血圧症の患者さんが定期的に来院されています。
新年を良い機会と捉え、生活習慣を見直し、2019年を健康に過ごしましょう!!

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