過敏性腸症候群にはタイプがあります!

印刷用ページ[2024/03/01] 胃腸科

みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は、前回に引き続き、過敏性腸症候群がテーマです。
前回の記事(過敏性腸症候群の原因と診断)では、過敏性腸症候群の原因や診断方法についてお話しました。
過敏性腸症候群は「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4タイプに分けられます。
今回は、この過敏性腸症候群のタイプ、そして治療について解説していきます。


過敏性腸症候群のタイプは3種類

過敏性腸症候群は、便通異常のタイプから

  • 「便秘型」
  • 「下痢型」
  • 「混合型」
  • 「分類不能型」
の4つのタイプに分類されます。

■ 便秘型

強い腹痛と便秘の症状に悩まされます。
強くいきんでも排便しにくく、便が出たとしても小さくコロコロとした硬い便が少し出る程度です。
そのため、排便後にスッキリ出来ません。
腸管の収縮運動が過剰に起こってしまうことで、痛みが出ると考えられています。
一般的な慢性の便秘と重なる症状の多いため、はっきりと区別することは難しいです。
便秘型は女性の方が多いとされており、一般的な会便秘が高齢になるほど増加するのに対し、過敏性腸症候群は30代以下の若い年齢層(特に女性)に多くみられる傾向があります。


■ 下痢型

激しい腹痛と便意によって下痢の症状が生じます。
排便によってこうしたお腹の症状は軽減するのが特徴です。
突如として便意が起こるので、通勤や通学などの外出が困難になることがあります。
主な原因がストレスであるとされていますが、外出中の「また突然トイレに行きたくなったらどうしよう」という不安が更にストレスを生み、更に病状を悪化させてしまいます。
30代以下の若い年齢層に多くみられる傾向にあり、男性の方が多くみられる傾向があります。


■ 混合型

便秘と下痢の療法が高頻度に生じます。
「3~4日排便がなく、その後最初に硬い便がでて、1日に数回下痢になる」といった症状が多くみられます。
他のタイプ同様に、混合型も若い年齢層に多いとされていますが、60代以上でもみられます。


■ 分類不能型

便の形状変化が便秘にも下痢にもならないようなもので、便秘型・下痢型・混合型のいずれにも当てはまらないとき、分類不能型と診断します。


「自分の症状にぴったりだ!」というタイプはありましたか?
過敏性腸症候群にはタイプがあります。そのタイプによって治療法もかわってきます。
過敏性腸症候群の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。


過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群の治療には、病院で薬を貰うという方法もありますが、原因がはっきりしないだけに、それだけでは良くならないことも少なくありません。
ですので、より効果的に治療をおこなうため、いくつかのポイントがあります。

1.自分の病態を理解する

なぜ、今の症状が出ているのかを理解することは治療の第一歩です。

2.生活の改善

規則正しい時間に食事ができていますか?睡眠はきちんととれていますか?
規則正しい生活が、排便のリズムを整えることに繋がります。

3.食事の改善

高カロリー、高脂質といった食べ物に食事が偏っていませんか?
便秘型の場合には、繊維の多い食べ物を、下痢型の場合は、消化の良いもの、脂っぽくないものを積極的に摂取しましょう。

これらに加えて、薬物療法です。
過敏性腸症候群にタイプがあるように、薬にもいくつかの種類があります。
主な症状に応じて、効果が期待できる薬を選択します。
薬の治療では、薬の選択と量の調節が必要で、医師とよく相談をして、自分に合う薬を探しましょう
風邪のように、薬をもらってすぐに解消されるわけではないですが、根気よく通院をしながら改善していきましょう。


最後に

いかがでしたか?
過敏性腸症候群は、直接命に関わるものではありませんが、その症状による、生活の質の低下は著しいものです。
特に精神的な緊張や不安が関係することが多いため、突然便意を催すことが不安となり、その不安な気持ちから症状がさらに悪化して電車に乗れなくなることがあります。
また、休日には症状がありませんが、仕事の日だけ「症状が出る不安」があって仕事に行けなくなる、ということもあります。
こうした状態は、明らかに日常生活に支障をきたしていると言えます。
周りの人には、なかなか相談がしづらいかもしれませんが、早めに治療を始めることが望ましいでしょう。

今状態が50点だとしたら、急に100点を目指すのは難しいです。
過敏性腸症候群はすぐに治るものではないからこそ、上手く付き合っていくことが大切です。
まずは、55点、60点…と少しずつ改善していきましょう。
当院でも検査、治療を行うことができます。1人で悩まず、まずは専門医に相談をしてみましょう。


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