消化管の症状と病気~下半身の痛み編~

印刷用ページ[2020/05/15] 胃腸科

みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。

前回は上腹部の痛みについてをお話しました。(消化管の症状と病気~上半身の痛み編~) 上腹部は消化管で言えば胃のあたりの事を指します。今回お話していくのは、下腹部・・・消化管でいうと大腸のあたりです。 大腸は1.5mほどあるとても長い臓器です。これだけ長い臓器となると、痛みを始めとした様々な症状が出てきてしまいます。 では早速、下腹部の痛みと病気について解説をしていきます。

 


下腹部は消化管の後半部分

前回、消化管は口から肛門までの食べ物の通り道の事をいうと説明しました。前回の上腹部が消化管の前半だとすれば、今回解説する下腹部は、消化管の後半という事になります。
上腹部と同じく、下腹部には消化管に加えて腎臓・膀胱、女性であれば卵巣・子宮などの臓器があります。つまり、上腹部と同じで痛みの原因が大腸にあるとは限らないわけですね。

どの部分がどのように痛むのか、これが診断のポイントになってきます。
では、具体的に下半身の痛みの例を挙げていきましょう。


右下腹部痛

右下腹部には大腸、子宮、卵巣、尿管、膀胱などの臓器が集まっています
大腸では、盲腸、上行結腸が右側にあります。盲腸の先端にある虫垂と言われる部分に、炎症が起こる虫垂炎は、右下腹部に痛みが出てくるのが典型的です。いわゆる、「盲腸」という病気ですね。他にもいくつも疑われる病気があります。

右下腹部痛で疑われる病気

  • 虫垂炎
  • 大腸憩室炎
  • 過敏性腸症候群
  • 尿路結石
  • 尿路感染症
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫 など

 

左下腹部痛

左下腹部には右側と同じく大腸、子宮、卵巣、尿管、膀胱などの臓器が集まっています
大腸では、下行結腸、S状結腸が左下腹部にあります。
便秘の症状と一緒に痛みを感じることがありますが、機能性便秘(腸の動きの異常が原因の便秘)、器質性便秘(腸の病気が原因で起こる便秘)のどちらもS情結腸に起こりやすいと言われています。
また、大腸がんができやすいのがS状結腸などの左下腹部の辺りのため、左下腹部痛に加えて血便や便秘などの症状がある方は注意が必要です。

左下腹部痛で疑われる病気

  • 腸閉塞
  • 大腸憩室炎
  • 大腸炎(感染性、虚血性)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)
  • 大腸がん
  • 尿路感染症
  • 子宮筋腫 など

 

下腹部全体の痛み

大腸、子宮、卵巣、尿管、膀胱などの臓器が集まっています。
上でお話した2つとは違い、痛む部分がはっきりとせず、痛みがお腹全体にある・・・という事もあります。そういった場合には下記のような病気が疑われます。

  • 感染性腸炎
  • 過敏性腸症候群
  • 炎症性腸疾患
  • 大腸形質炎
  • 膀胱炎
  • 腎盂腎炎
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫 など

 

まとめ

いかがでしたか?
「お腹が痛い」という症状でも、痛む部分によって疑われる病気が違うのです
お腹の痛みを医師に相談する際には、「いつから、お腹のどの辺が痛いのか」を伝えるようにしましょう。

今回お話をしたのはあくまで一例です。右下腹部痛があっても大腸がんはあるかもしれないですし、全ては症状では言い切れません。
疑わしい病気に合わせて、しっかりと適切な検査を行うことが、正確な診断のためには必要です。
当院でも、胃や大腸内視鏡を行うことができますので、お腹の痛みにお悩みの方はいつでもご相談ください。


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