消化管の症状と病気~上半身の痛み編~

印刷用ページ[2020/05/01] 胃腸科
皆さん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は皆さんにとっても身近な症状である「痛み」がテーマです。痛み、と聞いて「どんな症状かわからない」と思う人は少ないでしょう。
当院にも、胃や腸の痛みに悩んで来院する患者さんはとても多く、誰でも1度は感じたことがあると思います。
・・・といっても、痛みを感じている部分は人によって様々であり、それによって疑わしい病気が変わってきます。
今回は上半身(胃のあたり)の痛みにスポットを当てて、具体的にどの部分の痛みにはどのような病気の可能性があるのかを解説していきます。

 

消化管はどこからどこまで?

消化管とは口から肛門までの食べ物の通り道の事をいいます。全長は約9メートルにもなり、体の何倍もあるのでびっくりですね。
口から入った食べ物は食道、胃、小腸、大腸を通り消化・吸収され、最後は肛門から便となって排出されます。

消化管の症状として挙げられるのは、胃痛、胸痛、胸やけ、呑酸(どんさん)、げっぷ、喉の違和感、膨満感、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、下血・・・などなど。9メートルもあるとそこで起こる症状は本当にたくさんの症状があります。

消化管に加えて、胆のう、膵臓、肝臓といった別の臓器も集まっているので、こうした臓器の異常が原因となって起こることもあります。ですから、痛みの出る場所が診断には重要な鍵となってきます。
まずは、上半身の具体的な部分を挙げて解説していきましょう。

 

胸部の痛み

主に食道や心臓の病気が原因で起こります。胸が痛いと心臓が悪いのでは?とどっきりしますよね。狭心症のような「胸が締め付けられるような痛み」を感じても、心臓には原因になるような病気が見られないことがあります。
このような胸の痛みの原因が、胃の病気である場合もあるのです。胸部の痛みでは以下のような病気が疑われます。

  • 逆流性食道炎
  • 胃潰瘍
  • 食道がん
  • 心臓の病気 など

心臓の病気なのか、胃の病気なのか、自分で判断することは非常に難しいです。胸の痛みを感じる方は早めに医師に相談をしましょう。

 

心窩部(みぞおち)の痛み

みぞおちの辺りには胃、十二指腸、胆のう、膵臓など、痛みが起こりやすい臓器が集まっています
心窩部が痛むタイミングによって、疑わしい病気が変わってきます

みぞおちの辺りの痛みが急に強くなる場合

  • 胆石症
  • 急性膵炎

数時間から数日かけて痛みがだんだんと強くなっていく場合

  • 胃潰瘍
  • 二指腸潰瘍
  • 急性胃炎 など

食後に痛みが出てくる場合

  • 胃潰瘍
  • 機能性ディスペプシア

空腹時に痛みが出てくる場合

  • 十二指腸潰瘍

 

季肋部(きろくぶ)の痛み

季肋部とは横隔膜の高さのあばら骨辺りを指します
右と左である臓器が違うので疑われる病気も変わってきます

右季肋部(胆のうと肝臓の位置にあたる)

  • 胆のう炎
  • 胆石症

左季肋部(膵臓と脾臓の位置にあたる)

  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎

 

まとめ

どうでしたか?上半身にある胃や心臓といったすぐに思いつく部分のほかにも、いくつもの臓器が集まっています。
痛みの場所、タイミング、それらによって疑われる病気も変わってきます。また、痛みの原因を探る際には、それぞれの臓器に適した検査方法があります。
9メートルの消化管と臓器の詰まった人の体は自分自身で判断をするのはなかなか難しいです。どの部分がどんなタイミングで痛むのか・・・医師に相談をするときはその辺をポイントに伝えて見てください。
さて、長くなってしまうので、今回はここまでにしましょう。また後日、今度は下半身の痛みについて解説をしていきます。


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