中性脂肪が低いと元気が出ない?
こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
前回に引き続き「中性脂肪」についてお話しをしていきます。前回は中性脂肪が高い場合についてでしたが、今回は逆に「中性脂肪が低い場合は問題あるのか?」という点についてお話ししていきましょう。
中性脂肪値が低いとどうなるの?
ざっくり言うと、中性脂肪が低すぎる場合は疲れやすく、元気がなくなってしまいます。
前回もお話した通り、中性脂肪は「私たち人間のエネルギー源」であり、なくてはならないものです。また、体温を一定に保つ役割や内臓などを守る役割も担っています。
つまり、中性脂肪値が極端に低い状態が続くと、生命維持に必要な役割が果たされなくなってしまう危険があるのです。このことを「低中性脂肪血症(中性脂肪値:29以下)」といいます。
↑前回も使った画像ですが、おさらいです
では、低中性脂肪血症の原因はなんなのでしょうか…
低中性脂肪血症の原因
主な原因は「無理なダイエットなどによるエネルギー不足」です。
特に女性に多く見られるのですが、1日の食事量を減らしすぎている、海藻や野菜しか食べていないなど、脂質・糖質の摂取量を極端に制限すると、エネルギーの摂取量が消費量に対して少なすぎるため、中性脂肪は下がりすぎてしまいます。
食べ物の好き嫌いが多い方も、栄養不足により中性脂肪が低くなってしまうことがあります。
他にも、両親の中性脂肪が低いという場合は、遺伝で低い体質を受け継いだ可能性もあります。ただし、たとえ生まれながらの体質であったとしても脂肪の備蓄が少ない状態なので、少し動いてもエネルギー不足であることには変わりはないため、「疲れやすい」という傾向に変わりはありません。
低中性脂肪血症には病気が隠れている…?
中性脂肪値があまりにも低い場合は、思わぬ病気が隠れている場合もあります。その一つが、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)という自己免疫疾患です。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰な分泌により全身の新陳代謝が常時活発に行われてしまうため、発症すると急激に体重が減ったり、コレステロールや中性脂肪も蓄積できずに低下していきます。他にも、マイナーケースですが肝機能低下によりブドウ糖と遊離脂肪酸肝から中性脂肪が合成されづらくなっている場合などもあります。
中性脂肪が低いのはいいことだと思っている人は多いのですが、低すぎも問題です。
では、低い場合はどうすればいいのでしょうか。甲状腺や肝臓の病気の場合は病院で治療するしかありませんが、そうでない場合に自分でできることはあるのでしょうか?
低中性脂肪血症の対処方法
中性脂肪の数値が、高くても低くても改善すべきなのは生活習慣になります。
「低中性脂肪血症」は基本的に栄養不良の場合が多いです。そのため、エネルギー源として脂質やタンパク質、炭水化物をバランスよく摂ることで、中性脂肪を必要な量だけ作ることができます。
低いからといって、脂肪をたくさん摂ることも良くありませんので、規則正しく栄養があるものを三食きちんと食べることが必要です。おすすめは炭水化物をしっかりと摂れる食事です。エネルギー不足でだるさや疲れを感じる場合はご飯やパンなどしっかりと食べることが大切です。
最後に…
いかがでしたか?
中性脂肪値が29以下で低中性脂肪血症と診断された方、「高くはないし、むしろ低いから大丈夫」だと思うのは間違いです。疲れやすい、だるいなどの症状があらわれているかもしれませんし、もしかしたらもっと大きな病気が隠れているかもしれません。
採血の結果数値に異常があった方は、一度生活習慣を見直してみるか、医師に相談をしましょう。
今回で「中性脂肪」に関してのブログ記事は終了になります。高い場合と低い場合でそれぞれの違い・
中性脂肪の数値は高くても低くてもいけないことがお分かりいただけたでしょうか。
それぞれが異常値となってしまうと体調を崩してしまいます。中性脂肪は私たちが生きていくうえで必要なエネルギー源です。
「そういえば最近ちょっと疲れやすいな…」なんて、気になった方は採血で簡単に調べることができますので、一度病院を受診してみてください。