肛門科の受診の際の心構え
[2015/11/01] 肛門科
今回は肛門科に「恥ずかしくて行けない」「肛門科を受診するのが怖い」という方の背中を少しでも押せるような、“肛門科の受診の際の心構え”についてお話したいと思います。
近年、肛門科を設けている病院やクリニックが増えており、皆さんも街中で「肛門科」を標榜したクリニックや病院もよく見かけるようになってきたのではないでしょうか。
一般的には、肛門疾患（痔）は恥ずかしい病気と思っている方がやはり多いようです。また、肛門に関する話を知り合いとすることもそうないと思いますので、患者さん本人が一人で悩んでいるという、まさにブラックボックス的な領域ですね。病院を受診しようと思い立っても、診察でどんなことをされるのか想像できない…なんて人もいて、肛門科の扉を叩くのはやはり少し勇気がいるようですね。
そこで今回は、当院での肛門科の診察の流れをご紹介します。
待合室
当院では肛門科以外にも、内科・皮膚科・アレルギー科・胃腸科と多くの診療を行っており、待合室では全科目の患者さんが混在しています。診察室も多くあり、科目が固定化されている診察室はありません。そのため、患者さんが肛門科と特定されることはありません。
診察準備
診察室へ入ったら、まずは肛門の診察に適した体勢をとってもらいます。
肛門科の診察体位は一般にはいくつかあるのですが、当院で実際に患者さんに取ってもらっている体位は「右側臥位」という体位です。患者さんの右を下にして横になり、医師にはお尻と背中を向けるような体勢です。
あまり想像しにくいと思うので下の図をご覧ください。
この体位は下着を膝くらいまでずらしていただくだけで肛門診察が可能です。陰部が露出しないようにタオルで隠しつつ、横になりながらテレビを見るような体勢なので、力を抜いてリラックスし易いと思います。また、診察中は医師と顔を合わせる形ではないので、気兼ねなく診察を受けやすいでしょう。
診察内容
診察室はプライバシーを守るために、当然ながら個室になっています。
当院での肛門科の診察は、視診→触診→指診→肛門鏡診という順番に進んでいきます。
1、視診 患部（肛門）を、目で見える範囲でチェックします。
2、触診 肛門の周囲を実際に触ってみて、痛みやしこりなどの触診を行います。
3、指診 ゼリーを塗った指を肛門の中に入れ、痔の状態を確かめます。
患者さんの心理としては、この指診に抵抗がある方が多いのだろうと思いますが、指にはちゃんとゼリーが塗られており、いつもは指よりも太い便が通っているところでもあるため、案外苦痛は感じません（医師がソフトタッチで診察するというのもあります）。患者さんの力が入りすぎてしまうと肛門が狭くなってしまうので、「ふーっ」とゆっくり大きく呼吸してリラックスすることで、診察がとても楽に受けられます。
4、肛門鏡 指診と同じようにゼリーを塗った機械を肛門内に入れて、直腸までを観察します。当院ではデジタルカメラ付きの直腸肛門鏡を使用していますので、実際の肛門内の映像を見ながら診察を受けることができます。
いかがでしたか？イメージ出来たでしょうか？
肛門科に行くのが恥ずかしい方や勇気がないという方、どういった診察をされるのか不安に思っている方などの一歩を踏み出すきっかけになればと思います。超ソフトタッチで診察しますので、お気軽にご相談にいらしてくださいね。