“盲腸”にも慢性タイプがあります
[2025/11/01] 胃腸科
みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは「慢性虫垂炎(まんせいちゅうすいえん)」という病気をご存じでしょうか?
「虫垂炎(ちゅうすいえん)」というと、突然お腹が痛くなって手術になる…怖い病気、いわゆる「盲腸(もうちょう)」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、虫垂炎にはもう一つ、ゆっくりと炎症が続くタイプがあるのです。
それが今回のテーマである「慢性虫垂炎」です。
今回は、この慢性虫垂炎について、分かりやすくお話していきます。
慢性虫垂炎ってどんな病気?
慢性虫垂炎とは、虫垂(ちゅうすい)と呼ばれる小さな臓器(大腸の一部)に、軽い炎症が長い期間続く状態のことをいいます。
一般的な「急性虫垂炎」は突然激しい腹痛で発症し、緊急手術、程度によっては抗生剤で保存的な治療となることが多い病気として有名ですね。
虫垂炎という病気をきいたことがない方でも、「盲腸」と聞けばピンとくるかもしれません。
今回のテーマである慢性虫垂炎は、痛みが軽く、症状が断続的(途切れたり続いたりする様子)に現れるのが特徴です。
症状は、数週間から数か月、あるいは何年もかけて繰り返すこともあります。
では、次に症状とは具体的にどんなものが挙げられるのでしょうか。
慢性虫垂炎の主な症状は?
慢性虫垂炎では、次のような症状がみられます。
- 右下腹部の鈍い痛みや違和感が続く、または繰り返す
- 痛みは強くないけれど「お腹の奥が重い感じ」がする
- 発熱はあまりみられない
- 食欲不振や軽い吐き気、下痢や便秘を伴うこともある
実は、こうした症状自体は急性虫垂炎と大きく変わりません。
では、慢性虫垂炎と急性虫垂炎にはどんな違いがあるのでしょうか。
慢性虫垂炎と急性虫垂炎の違いは?
慢性虫垂炎と急性虫垂炎の違いを一言で言ってしまうと・・・・「強さ」が違います。
例えば、急性虫垂炎の腹痛は非常に強いもので、「歩くのも辛い」という方も多いくらいです。
一方、慢性虫垂炎では、鈍い痛み、または違和感程度なので、なんか「なんだか調子が悪いな~」・・・というくらいの差があります。
また、体の中の炎症具合をチェックするための採血でも、急性虫垂炎ではCRP(炎症反応を表す数値)や白血球数の数値が上昇しているのに対し、慢性虫垂炎では、強い炎症反応はみられないことが多いです。
そのため、急性虫垂炎に対して慢性虫垂炎は、診断の難しい病気とも言えます。
なぜ、診断が難しいのでしょうか。
慢性虫垂炎の診断が難しい理由
慢性虫垂炎は、症状がはっきりしないことが多く、その他の大腸炎(憩室炎)や過敏性腸症候群、婦人科疾患などと症状が似ているため、診断が難しい病気です。
また、虫垂は固定されていないため、背中側に移動してしまい、典型的な症状である右下腹部痛現れにくいことも、診断が難しい理由の一つです。
そのため、腹部の超音波検査やCT検査などを行って慎重に判断する必要があります。
慢性虫垂炎の原因は?
慢性虫垂炎の原因としては、いくつかのパターンが考えられます。
一度「急性虫垂炎」を起こした後、炎症が完全におさまらず慢性してしまったり、腸内環境や血流の変化などが関係しているとも言われています。
まとめ
いかがでしたか?
「右下腹部がなんとなく痛い」「定期的に同じ場所が痛む」といった症状が続く場合、
それは慢性虫垂炎のサインかもしれません。
慢性虫垂炎は、急性虫垂炎のように命に関わることは少ないとされています。
しかし、慢性的な腹痛や不快感で生活の質が下がることがあります。
症状が長引く場合は、早めの受診・検査がおすすめです。
まずは、大腸カメラなどで、粘膜をしっかり観察をし、大腸に大腸がんや特定の炎症疾患がないかあをチェックしましょう。
検査の結果では特に以上がないのに、それでも症状が長引いている場合には、CTなどでも画像診断を行うなど、しっかりと経過観察を行っていく必要があります。
強い痛みではないため、ついつい放置してしまう人も多くいます。
しかし、その症状は病気のサインかもしれません。
「症状がある=病気」というわけではありませんが、症状に慣れたり、見過ごさず、一度医療機関を受診しましょう。
放っておくと症状が悪化したり、急性に変わることもあります。
少しでも気になる症状がずっと続いている場合は、当院でも、腹部の違和感や消化器の症状についての診療を行っております。
是非、お気軽にご相談ください。