子どもより辛い!?大人の手足口病
みなさんこんにちは。横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは、「手足口病」という病気をご存知ですか?
お子さんがいらっしゃる方は、特に聞いたことがあるかもしれませんね。
手足口病は、感染症の一つです。5歳未満の子供に感染しやすい病気ですが、大人にも感染します。
手足口病になるとどんな症状が出るのか?予防はできるのか?
今回は「手足口病」についてお話ししていきます。
手足口病ってどんな病気?
手足口病とは、その名の通り、手の平、足の裏、口の中に発疹や水疱が出来ることが特徴の、ウイルス性の感染症で、主に夏に流行します。
主に5歳未満の子供にみられる、ウイルス性の感染症で、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因です。
人から人への接触や、感染者が触れた物や場所を介して広がります。感染者の咳やくしゃみ、または便から排出されるウイルスが周囲に拡散し、手指を通じて口に入ることで感染が成立します。
では、感染してしまった場合、どのような症状がでてくるのでしょうか。
手足口病の症状は?
2~5日間の潜伏期間のあと、発熱、のどの痛み、手の平・足の裏・口の中に水疱性の発疹が出来ることが特徴です。
発疹は、赤い斑点や、水ぶくれとして現れます。時には、肘・膝・臀部、中には全身に発疹が出る方もいます。
症状は軽度であることが多いですが、稀に重症化することもあります。
熱は出る方もいれば出ない方もあります。約3分の1にみられますが、38℃以下のことが多く、高熱が続くことは通常はありません。
口などの粘膜にできたところは水疱が破れやすく口内炎ができたり、皮膚がただれたりする事があります。
のど全体に口内炎ができるため、のどが痛くてご飯が食べられない…なんて場合もあるようです。
水疱が破れたり、つぶれたりして皮膚がただれることもあります。
さて、この手足口病は『子供の病気でしょ?』なんて思われていませんか?
実はそれは思い込みなのです!
では、大人の手足口病についてみていきましょう!
大人は手足口病にかからないは思い込みです!
まず、手足口病にかかる年齢層の90%が、5歳以下と言われています。
そのため、子供の病気として考えられることが多いので、手足口病ですね、とお話する時には「大人もなるんですか!?」と驚かれることもあります。
実は感染すると、子供よりお大人の方が悪化する場合が多く、関節痛や筋肉痛や高熱が出たりします。
足の裏にできた発疹や水疱により、この場合は歩くのも辛い、もはや歩けないほど痛みが強い方もいらっしゃいます。
ただ、自分のお子さんからの感染、保育園の先生がなることが多く、その辺を歩いていて手足口病に感染してしまう確率は高くはありません。
ですが、「大人は手足口病にはならない」という思い込みはせず、「あれ?」と思ったら皮膚科を受診しましょう。
では、手足口病に感染した場合にはどのような治療が行われるのでしょうか。
手足口病の治療方法
ウイルス感染症・・・というと、インフルエンザやコロナのような抗ウイルス薬をイメージされるかと思います。
しかし残念ながら、手足口病には有効なワクチンも治療薬もありません。
しかし、数日で自然に治ることがほとんどです。
症状に合せて、脱水症状や皮膚症状の悪化を起こさないように、対処療法を行って行きます。
まれに、無菌性髄膜炎などの合併症を起こす事があるので、重症化しないように注意が必要です。
大人が手足口病にかかると悪化しやすいのに、特効薬はないから自然に治るのを待つなんて恐ろしい・・・と思われるかもしませんね。
手足口病を予防するにはどうしたら良いのでしょうか。
手足口病の予防
手足口病の感染経路は、飛沫感染や接触感染が主な感染経路のため、日頃からの手洗い・うがいをしっかりと行うことが予防の基本です。
周囲で流行がみられるときは、一度かかったからと言って安心せず、手洗いうがいを積極的に行ないましょう。
症状が改善した後でも排泄した便には2~4週間ほどウイルスが潜んでいるため、小さいお子さんのおむつ交換の後は特に注意して手洗いを行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
手足口病は夏ころに流行るウイルス感染症です。
そのほとんどは子供がかかる病気ではありますが、お父さんお母さん、保育園の先生を中心に、大人にも感染する病気です。
大人が感染すると、子供より症状が悪化しやすいと言われています。
手と足にできた発疹や水疱が手で何かを持つ時、歩く時に激痛となり、物を掴んだり、歩いたりすることが困難になるほどの痛みが出ることもあります。
お子さんと一緒にお住まいの方は、お子さんがかかった時にはもちろん、保育園で流行っていると聞いた時も、十分に注意しましょう。
感染症の予防には日頃からの手洗い・うがいが大切です!しっかりと心掛けていきましょう。
症状が出た際は、ご自身で判断せず、一度専門科医に相談する事を考えてみて下さいね。