意外と身近な蜂窩織炎

印刷用ページ[2024/10/01] 皮膚科・アレルギー科

みなさん、こんにちは。横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とはご存じですか?
多くの方はあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、この蜂窩織炎、実は身近で誰にでもかかる可能性のある皮膚の病気なのです。
今回は、この蜂窩織炎について症状や原因、治療法について解説していきます。


蜂窩織炎になるとどんな症状がでるの?

蜂窩織炎とは、皮膚とその下の組織に細菌が感染し、炎症が起こる病気です。
蜂窩織炎は、身体のどの部分にも発生しますが、特に脚に多くみられます。
患部の皮膚に赤み、痛み、腫れ、熱感などさまざまな症状があり、膿が溜まったり水疱ができたり、発熱や悪寒といった全身症状が出たりする場合もあります。
細菌が感染する、と聞くとドキっとするかもしれませんが、風邪のように人から人にうつることはありません。
ただし、「人にうつらないならいいや~」と放置すると、敗血症など重症化するリスクがあるため、上記の症状がある場合は早めに皮膚科を受診しましょう。


蜂窩織炎の 原因は?

蜂窩織炎の原因は、ブドウ球菌とレンサ球菌ですが、他にもインフルエンザ菌や大腸菌などさまざまな細菌も原因となる可能性があります。
これらの細菌が、皮膚やその下の組織に侵入し炎症を起こすのです。
菌が侵入するきっかけとなるのは、主にひっかき傷や熱傷(やけど)、手術痕、水虫などの小さな傷からが考えられます。
そのため、皮膚が弱い方や免疫不全、糖尿病などの基礎疾患がある方、リンパの流れが悪くなっている方は発症しやすいとされています。
また、傷口がなくても毛穴から感染することもあります。

気付かないうちに出来た小さな傷や、ちょっと紙で切ってしまった、そんな小さな傷から細菌が感染し、全身へ炎症が広がるかもしれない・・・そう考えるとちょっと恐ろしいですよね。
実際に蜂窩織炎になってしまった場合は、どのような治療が行われるのでしょうか?


蜂窩織炎の治療法は?

残念ながら、基本的に蜂窩織炎は自然には治りません。
抗菌薬の内服や、点滴投与などの薬物療法が一般的です。
軽症であればきちんと治療を行うことで、1週間~2週間程度で治りますが、治療の開始が遅れた場合や重症の場合は長引く事もあります。
抗菌薬を使用し、症状が出なくなっていても、細菌が体の中に残っている場合があるため、自己判断で薬の服用を中断しないようにしましょう。
患部を冷やしたり、拳上(今の位置より高くすること)したりすることで、腫れの引きが早くなります。
患部を動かすことで炎症が悪化する事があるので、なるべく安静にする事も大切です。

基本は放置せず、病院で治療を行うこと!
風邪のように治まるのを待とうとすると、悪化してしまうかもしれません。自己判断せずに、きちんと病院へ行くこと。これが治療への第一歩です。


まとめ

いかがでしたか? 今回は蜂窩織炎という皮膚の感染症についてお話しました。
小さな傷や傷がなくとも毛穴という小さな入り口から細菌が入り、炎症を起こすとても身近な病気です。
ある日突然、患部が「赤い、腫れている、痛い」などの症状があれば、それは蜂窩織炎かもしれません。

病気の進行は早いため、治療が早いほど悪化を防ぐことができます。
自然には治りませんので、「もしかして?」という症状があれば、放置せず早めに皮膚科に受診しましょう。 当院でも、蜂窩織炎の診察は可能です。是非ご相談ください。


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