帯状疱疹の治療と予防法

印刷用ページ[2024/06/15] 皮膚科・アレルギー科

皆さん、こんにちは。横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです!
今回は、前回に引き続き、帯状疱疹がテーマです。
前回は帯状疱疹の原因と症状についてお話しました。
今回は、帯状疱疹と診断されたあとの治療と、そもそも帯状疱疹にならないための予防方法についてお話していきます。


帯状疱疹の治療ってどうするの?

帯状疱疹の治療は、原因となっているウイルスを抑える抗ウイルス薬と、痛みに対する痛み止めが中心となります。
帯状疱疹の痛みは発疹とともに現れる痛みと、その後、神経が損傷されることにより長く続く痛みに分けられ、それぞれに合った痛み止めが使われます。

〈抗ウイルス薬での治療〉

帯状疱疹の症状が軽い場合や中程度の場合には、内服薬(飲み薬)の抗ウイルス薬を1週間内服し、治療します。
抗ウイルス薬は、水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化して活発に増えている段階で、ウイルスのDNA(遺伝情報をもっているもの)の合成を妨げることで、ウイルスが増えるのを抑える働きをします。
そのため、帯状疱疹は抗ウイルス薬を出来るだけ早く開始することが大切です。

〈抗ウイルス薬の点滴〉

帯状疱疹が重症化した場合、入院して点滴治療が必要となる場合があります。
入院治療では、抗ウイルス薬の点滴と、消炎鎮痛薬の内服薬や塗り薬、水泡がつぶれて2次感染の可能性がある場合は、抗菌薬を使った治療が行われます。

〈痛み止めでの治療〉

帯状疱疹による痛みに対しては、痛み止めでの治療が行われます。
帯状疱疹の痛みは発疹が出るよりも先に現れることが多く、このような皮膚の痛みに対しては、鎮痛剤が用いられることもあります。
ただし、痛み止めによる治療はあくまでも痛みに対する対症療法であり、帯状疱疹そのものを抑えるためには抗ウイルス薬による治療が必要となります。

〈帯状疱疹後神経痛(PHN)の治療〉

皮膚の発疹がなくなった後に強い痛みが残る場合、痛みが長く続く場合には、帯状疱疹後神経痛(PHN)が疑われます。
帯状疱疹の発疹とともに現れる、皮膚の炎症による痛みとはメカニズムが異なり、神経に関する痛みとして、また別の治療が行われます。
市販で販売されているような痛み止めではない薬が処方されたり、ペインクリニックなどで「神経ブロック」と呼ばれる治療が行われることもあります。

帯状疱疹を治すための抗ウイルス薬は、残念ながら市販されていません。
痛み止めであれば様々な痛みに対処できるものであれば、一般の薬局でも売られていますが、あくまで症状を抑えるだけなので、あまり有効とは言えません。
帯状疱疹は、早めに抗ウイルス薬を開始することがポイントですから、痛み止めで様子をみる・・・というよりは、皮膚の症状が出てくるなど、帯状疱疹が疑われる場合には、速やかに皮膚科を受診することが大切ですね。

帯状疱疹は、誰がなってもおかしくない身近な病気です。
早期に適切な治療で改善できる病気ですが、帯状疱疹にならないに越したことはないですよね。
自分にできる予防法はどんなものがあるのでしょうか。


帯状疱疹に予防法はあるの?

帯状疱疹の原因は、体に潜むウイルスが「加齢や過労、ストレスで免疫機能の低下をきっかけ」に再活性化することでしたね。
ウイルス自体は多くの人の体に潜んでいるものですので、帯状疱疹の予防法としては、ウイルスが活性化しないように「きっかけ」を作らないようにすることです。

帯状疱疹の予防には、規則正しい生活習慣や適度な運動が大切です。
好き嫌いのある偏った食事、運動不足、睡眠不足などは免疫機能を低下させてしまうといわれています。

■食事

1日3食、規則正しく食べ、栄養をバランスよく摂るようこころがけましょう。
適切なカロリーの食事を摂るようにして、暴飲暴食は避けましょう

■運動

散歩やウォーキングなどの、体温が少し上がる程度の強さのものがおすすめです。 日光を浴びることも免疫機能アップにつながります。
激しい運動や長時間のトレーニングは、逆に免疫機能を下げてしまいますので気を付けましょう。

■睡眠

睡眠は、身体をメンテナンスする重要な動きをしています。
規則正しい生活や適度な運動は、質の良い睡眠を得るためにも効果的です。

■ストレス

音楽を聴く、テレビや映画を観る、瞑想や入浴など、自分なりのストレス解消法を見つけておくとよいでしょう。

人間は生きていれば必ず年をとりますから、加齢・・・そのものを対策することは難しいです。
規則正しい生活、適度な運動、良質な睡眠、ストレスを溜めないことは、帯状疱疹に限らず多くの病気の予防につながります
帯状疱疹のためだけではありませんので、できることから普段の生活に取り入れていきましょう。


まとめ

いかがでしたか?
帯状疱疹は、市販の薬で症状を抑えることは出来ても、病気そのものを治すことはできません。

繰り返しになりますが、帯状疱疹は適切な治療できちんと改善することができる病気です。
また、放置してしまうと後遺症である、帯状疱疹後神経痛や合併症に繋がる可能性もあるため、早期診断、早期治療がポイントになります。

症状が進行するにつれ痛みが悪化しやすいため、原因の分からない痛みや発疹など、自分の症状が「あれ?もしかして帯状疱疹?」と思ったら、早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

日頃から十分の休息をとり、免疫機能を低下させるストレスや疲労のない規則正しい生活を出来るだけ心がけましょう。
食事でも様々な栄養バランスをよく摂取し暴飲暴食を避けること、適度な運動をすること、質のいい睡眠を心掛けること、ストレスの解消法を見つけることも立派な予防に繋がります。
現代社会でストレスのない生活をするのはなかなか難しいかもしれませんが、日常を楽しく過ごせるように心がけましょう。

当院でも帯状疱疹の治療を行っておりますので、もしかして?と思ったらお気軽にご相談ください。


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