病理検査におけるグループ分類は5段階!
当院では、毎日多くの胃や大腸の内視鏡検査を行っています。
内視鏡で見えた範囲についてはその日のうちに結果をご説明します。内視鏡検査時に、胃や大腸の組織を採取した場合には、専門の医師からの結果を待ってから後日の結果説明となることがあります。
細胞の検査結果の説明の中で「グループ1なので安心して下さい」「グループ3の腺腫だったので、取っておいて良かったですね」など聞くことがあると思います。その時に「グループってなんだろう?」って思われたかもしれませんね。
今回は、「病理検査のグループ分類」について詳しくお話をさせていただきます。
病理検査はなんのため?
そもそも、病理検査とは一体どんな検査なのでしょうか。
病理検査とは、内視鏡検査で胃や大腸を観察した際に、病気の疑いがある病変の一部、またはすべてを切除し、顕微鏡でその病変がどんなものなのかをチェックする検査のことです。
当院でも、内視鏡検査時に採取した、胃や腸の一部を顕微鏡検査に提出することがあります。(もちろん必要があれば、内視鏡検査以外でも病理検査に出すことはあります。)
みなさんの気になる「胃の赤い部分はただの炎症なのか?悪い物じゃないのか?」「大腸ポリープに癌の組織が含まれていないか?」などは、病理検査で詳しく調べる事が出来ます。
この検査によって、病変の種類や悪性度などが判定され、その結果によってその後の方針を決めていきます。
さて、病理検査にはある指標があります。この指標によって今後の治療方針を決めていくため、非常に重要となります。
次に、グループ分類とはどのようなものなのかをみていきましょう。
病理検査におけるグループ分類とは
病理検査に用いる指標が「生検組織診断分類=Group(グループ)分類」です。
今後の治療方針に大きな影響を与える重要な分類となりますので、その診断・解釈は慎重でなければなりません。
グループ分類では、採取した組織を5段階にグループ分けをしています。詳しくは下記の表を見てみてください。
例えば、Group1であれば、正常組織および非腫瘍性病変となりますので、「組織を見る限りは癌の心配はありません!」という意味になります。
Group3の腺腫という良性ポリープなら、「将来Group5の癌に成長する恐れがあるため、早めに見つけられて良かった!」という意味になります。
癌か癌で無いかは、白か黒かというような単純なものではなく、どちらとも付かないということもあるため、慎重な診断が必要となります。
さて、先ほど『今後の治療方針に大きな影響を与える重要な分類』、と説明しました。
これを聞くと、「私は何か治療が必要な病気の可能性があるの…?」「先生が病気があるかもと思ったからなのか?」と、病理結果の日まで心配でドキドキしてしまうかもしれませんね。
ですが、必ずしも「病気が疑われる=病理検査をする」というわけではありません。
「悪いものではなさそうだけど、念のために悪いものではないかをチェックする」ということも多いのです。
ですから心配しすぎる必要はありません。
その一方で、肉眼的な所見(見た目の判断)と病理検査の結果が必ずしも一致するわけではなく、思わぬ結果が出て返ってくることもあります。
どんな検査でもそうですが、結果は必ず確認に来るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
このように、病理検査のGroup分類は生検組織がどの程度、癌に近いかを判断する分類となります。
内視鏡検査や手術で見つかった病変をより詳しく見るため、正確に診断をするために、このような検査方法・グループ分類があります。
今回は、ちょっと難しいテーマだったでしょうか。
「病理検査には、正常から癌まで5段階のグループに分けられているんだ!」ということが分かると、病理結果を聞きに来た時にイメージがしやすくなると思います。
定期的な内視鏡検査で毎年正確な診断を受けてご自身の健康を守っていきましょう!