ウォシュレットを正しく使えていますか?

印刷用ページ[2022/11/01] 皮膚科・アレルギー科

こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は、患者さんからよくある質問についてお話したいと思います。
その質問とは・・・「ウォシュレットは使っていいの?(使った方がいいの?)」です。
ウォシュレット(温水洗浄便座)は、最近はどこのトイレでもみられるようになった設備の1つですね。
毎回使っている方、ウォシュレットが付いたトイレじゃないと嫌だ…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは、肛門や排便に関係するため、肛門科や胃腸科で受診の患者さんからよく聞かれる質問です。
今回はウォシュレットをテーマに、正しい使い方・間違った使い方についてお話したいと思います。

 

ウォシュレットは使ってもいいの?

結論からいうと、ウォシュレットはもちろん使ってもらって大丈夫です。
ウォシュレットは、トイレットペーパーでゴシゴシと何度も拭かずとも、肛門を綺麗に洗い流してくれます。
トイレットペーパーでこすりすぎで、肛門の皮膚を傷つけてしまう…といったトラブルの改善にもつながる便利な機能ですね。
多くの人が使ったことのある機能なのではないでしょうか。

一方、使い方を間違えるとかぶれ、かゆみ、痔や便秘の悪化といった体へ影響が出てしまうことがあります
これは、温水便座症候群と呼ばれ、様々なトラブルを引き起こします

では、具体的にウォシュレットの間違った使い方をすると、どうなるのかをみていきましょう。

 

やってませんか?ウォシュレットの間違えた使い方!

正しく使えば肛門を清潔に保つために役に立つ優れものも、使い方を間違えるとトラブルの元に…!
どれもウォシュレットを日常的に使う人がついついやってしまいがちです。心当たりがないか、チェックしてみてください。

■ウォシュレットの水圧を強にして使う

しっかりと汚れを洗い流そうとして、水圧を強くしすぎていませんか
お尻は見えない分余計にしっかりと綺麗にしないと、という思いがあるのかもしれませんね。
圧が強いと、肛門の皮膚を傷つけたり、肛門内の粘膜まで洗い流してしまい、体内にばい菌が侵入しやすくなってしまいます

 

■使う時間が長い

ウォシュレットの適切な使用時間は「5~10秒程度」と言われています。これより長い時間使用していませんか?
実は、肛門を洗うのであれば、5秒~10秒もあれば十分です。
10秒以上洗浄することを繰り返すと、肛門周囲の皮膚のバリア機能が失われてしまいます。
水圧が強い時と同じで、バリア機能を失うことで、ばい菌の増殖、侵入を防げなくなってしまいます。これは、かぶれ(皮膚炎)・かゆみといったトラブルの原因となります。

 

■内側まで綺麗にしようとしている

そもそも、ウォシュレットは肛門回りに付着した汚れを洗い流すための機能であり、腸内を洗浄するため使用するものではありません
表面を洗うだけで十分、清潔にすることができます。
直腸にまで温水が入ってきてしまうような洗い方はやめましょう。

 

■ウォシュレットで肛門を刺激して便を出すことを習慣付けてしまう

肛門をウォシュレットの水圧で刺激し、排便を促すために使用されることがあるようです。
通常、私たちの体は、便が肛門付近に集まると、神経が反応して自然と便意が訪れます。
しかし、ウォシュレットの水による外からの刺激で便意を促していると、自然な便意が起きにくくなります
これが日常化してしまうと、自力で排便する機能が不全に…つまり、ウォシュレットの刺激がなくては、便意がやってこなくなる可能性があるということです。
便秘気味の人であれば、悪循環に陥ると言っても良いでしょう。
便秘に悩んでいるのであれば、ウォシュレットでの解消をするのではなく、医師に相談し治療について相談することも必要です。

 

ウォシュレットの正しい使い方

具体的に「正しい使い方」というのはどういうものなのでしょうか?

  1. 水圧を弱に設定にする(水温も上げすぎ注意!)
  2. 5~6秒、長くても10秒くらい水を当てる
  3. トイレットペーパーで軽く抑えて水分を拭きとる

ポイントは、肛門の中まで洗おうとせず、肛門のしわの部分~周囲を軽く洗い流すイメージで使うことです。
また、ウォシュレットの機械そのものも、洗い流したあとの便が付着していたり、温水のため大腸菌や緑膿菌などの細菌が繁殖しやすいため、こまめに掃除をすることも大切です。

 

まとめ

いかがでしたか?
ウォシュレットは、肛門を清潔に保つために役に立つ便利な機能ですよね。
ですが、使い方を間違えると肛門のかゆみ、かぶれを引き起こしてしまいます。
間違った使い方、していませんか?自分で思い当たる部分があれば、是非改善していきましょう。

肛門を清潔に保とうという意識はとても良いことです。
しかし、「無菌にしたい」「完全に便を綺麗に洗い流したい」「肛門の臭いを完全に消したい」といった、過度な清潔観念はかえってトラブルの原因となります。
ウォシュレットでは、あくまでもサッと洗い、水分を拭きとる程度の軽いイメージで使うことを心がけてくださいね。

それだけではなく、自力で排便をする機能に異常をきたしたしてしまうなど、便利な反面トラブルの原因となりかねません。
正しい使い方を理解し、もしも間違った使い方は避けるように心がけましょう。


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