ニキビの塗り薬の刺激症状

印刷用ページ[2022/09/15] 皮膚科・アレルギー科

みなさん、こんにちは。横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は、ニキビについての話題です。
以前の記事で触れたように、いくつかのニキビの塗り薬には「刺激症状」という副作用がほぼ必ず現れます。
刺激症状は、患者さんにとってつらいものであり、途中で治療をやめてしまう人も少なくありません。
今回は、このニキビの塗り薬の刺激症状について解説していきます。

 

ニキビについてのおさらい

ニキビの治療には、患者さんのニキビの状態に合わせて、薬を選択することになります。
ニキビは、状態によって下記のような3つに分けられます。

  • 白ニキビ→白くぽつぽつと見られる炎症を起こす前の状態
  • 赤ニキビ→炎症を起こして赤くなってしまった状態
  • 黄ニキビ→膿が溜まっている状態

だいたいのニキビはこの3つのニキビが混在している状態です。

赤ニキビ、黄ニキビの治療

赤ニキビ、黄ニキビのような、炎症を起こしているニキビには、抗生剤の塗り薬や飲み薬を処方します。
代表的な塗り薬は以下の3種類です。

  • ダラシンTゲル
  • アクアチムクリーム
  • ゼビアックスローション

いずれも抗菌薬で、炎症の元となっているニキビ菌…つまりアクネ菌をやっつける効果があります。そのため、菌の増殖前のニキビである白ニキビには効果がありません。
こうした抗菌薬のみの治療では、毛穴の詰まりを直すことができないため、今は落ち着いても新しいニキビを抑えられない可能性があります

白ニキビの治療

15年くらい前では、白ニキビの治療は「しっかり顔を洗う」といった程度でした。
こうした治療は、皮膚の脂を取り除くことはできるのですが、毛穴に詰まった脂までは取り除くことができなかったのです。
しかし、今では赤ニキビ、黄ニキビの治療を行いつつ、赤ニキビの元ともいえる、白ニキビの治療が行うことができます。
代表的な塗り薬は以下の4種類です。

  • ディフェリンゲル
  • ベピオゲル
  • デュアックゲル(ベピオゲル+ダラシンTゲルの合剤)
  • エピデュオゲル(ディフェリンゲル+ベピオゲルの合剤)

白ニキビの治療を行い、毛穴のつまりの治療を続けることで、新しいニキビができるのを抑えていきます。まずは、3か月を目標に治療を続けましょう

このように、ニキビの治療薬にはいくつかの種類があり、ニキビの状態に合わせて治療をすることで、ニキビのない肌を目指していくことができます。
ところが、冒頭でもお話したように、こうした治療薬を使うことによって治療をやめてしまう人がいるくらい、つらい刺激症状が現れることがあります。
どのような症状が現れるのでしょうか。

 

ニキビ治療の刺激症状

白ニキビの治療薬は、塗り始めてから数週間前後で皮膚の赤みやヒリヒリ感、乾燥、皮むけなどの刺激症状が現れることがあります
多くの場合、徐々に刺激を感じる頻度は減っていき、刺激症状を乗り越えて治療開始から1か月後には乾燥や皮むけ、赤みなどの症状はかなり軽減されます。
その後も、続けることによって半年後には肌のザラ月や炎症後の赤みも目立たなくなります。

刺激症状は、患者さんからすると辛いものですが、治療薬の塗布量の調節や保湿剤で保護をしながら、塗ることを辞めずに乗り切ることが大切です。

 

ニキビ治療のコツ

いきなり沢山の量を広い範囲に塗らないこと

塗り薬は、塗る分量の目安としてFTU(フィンガーチップユニット)と呼ばれる単位が使われています。
大人の人差し指の先から第一関節まで薬を乗せた、1FTUという量が顔全体に塗る量の目安です。
ですが、最初のうちは1/8(米粒大)くらいから始めて、次第に1/4(小豆大)、1/2(パール大)と、塗る量と範囲を少しずつ増やして、数日かけて慣らしていきます

顔全体に塗るようにする

段々と慣らしていったら、最後には顔全体に塗れるようになりましょう
赤ニキビがあるところにだけ塗っていても、今度は塗っていなかったところから赤ニキビができてしまいます。
白ニキビをなくすことでニキビの出来にくい肌を目指していけるので、刺激に慣れてきたら顔全体に塗れるように頑張りましょう。

乾燥が気になるときは保湿をする

ニキビ治療中の乾燥には、ニキビができにくいことが確認されている、「ノンコメドジェニックテスト済み製品」を選ぶとよいでしょう。

 

刺激症状に似た副作用に注意!

刺激症状は、乗り越えることでニキビのない肌を目指すことができますが、塗ることを中止しなければならない場合もあります。
それは、こうした刺激症状ではなく、かぶれ(接触性皮膚炎)を起こしてしまったときです。
かぶれの症状は、強い赤み、かゆみ、ジュクジュク感などで、こうした症状が出た場合にはすぐに塗り薬の使用を中止し、医師に相談しましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
ニキビの根本的な治療を行うには、白ニキビという赤ニキビの元になるものを治療する必要があります
ですが、この白ニキビの治療には刺激症状という、現れると治療を続けるのも嫌になってしまうような症状が出ることがあります。
刺激症状がなるべく出ないような塗り方の工夫をしたりしながら、治療を行うように心がけましょう。
ニキビ治療にとって大切なのは「続けること」です
2、3日続ければ治るようなものではないので、薬が効かない!と思われることもあるかもしれませんが、ニキビの治療薬は特効薬ではありません。
ニキビ治療を続け、肌の良い状態を保ち、ニキビの出来にくい綺麗な肌を目指しましょう!


新着情報

記事 新着(24時間)

-

コメント 新着(2日)

-

新着メディア (7日)

新着メディアはありません。