血栓性外痔核は繰り返す?

印刷用ページ[2022/04/15] 肛門科

皆さん、こんにちは。横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。今回は、血栓性外痔核のお話です。血栓性外痔核は肛門科の外来で一番多い処置です!と患者さんに説明するほど、メジャーな病気です。

この血栓性外痔核は、「前と同じような症状で…」「前と同じのが出来てしまいました!」と来院される方が多いというのも特徴です。
今回は「なぜ血栓性外痔核は繰り返してしまうのか」という疑問に答えていきたいと思います。

 

血栓性外痔核とは?

血栓性外痔核とは、肛門に炎症が起き、1cm程度の血栓(血豆)ができて、痛みや腫れが起こる病気です。「血栓性外痔核」は痛みが強い「痔」の代表格です!
急激にズキズキとした鈍痛が生じて座る事も歩く事も出来ない場合もあるくらいです。
よく「痔は肛門の中に押し込まないと悪化する」と言われますが、この「血栓性外痔核」の場合は肛門の皮膚にできたものですから決して肛門内に戻りません
治療としては、数ミリの傷から血栓のみを取り出す簡単な処置が行われます。
「えっ?!その場で処置をするの?」とびっくりするかもしれませんが、血栓さえ取り除けば速やかに炎症が改善し、痛みが消失していきます。
そのため、その場で処置(日帰り手術)を行うのはびっくりしたけど、痛みがなくなるならもっと早く受診すればよかった!という方もいるほど楽になるのです。
私が勤務するクリニックでは、外来を一日中やっていると、大体3人はこの病気の方を見かけます。それほどメジャーな病気なのです。

では、血栓性外痔核はなぜできてしまうのでしょうか。

 

血栓性外痔核を原因

血栓性外痔核は、腹圧がかかることで肛門周りの血流が悪くなり、血栓(血まめ)ができて腫れていぼ状になったものです。
「肛門周りの血流が悪いと言われてもイメージが沸かない…」と思うかもしれませんが…
例えば、以下のよう行動や習慣はありませんか?

  • 排便時の長時間のいきみ
  • お腹に圧のかかるスポーツ(ゴルフなど)
  • 重い物を持ち上げる作業
  • 風邪などによる咳
  • 長時間の座位(運転)
  • 妊娠中である

これらは、多くの人が経験する腹圧のかかりやすい動作で、血栓性外痔核の原因となり得る行動・習慣なのです。
誰もが行うような行動なのに、繰り返す人がいるほど「できやすい人」と「できない人」に差があるのはなぜなのでしょうか?

ここで、今回のテーマである「なぜ血栓性外痔核は繰り返してしまうのか」という疑問に答えていきましょう。

 

ポイントは「習慣」されているか

血栓性外痔核を繰り返してしまう原因は、ズバリ!腹圧がかかり肛門回りの血流が悪くなる行動が習慣化されていることです。
何故なら、「また」血栓性外痔核ができてしまった…という方の多くは、こうした行動を毎日繰り返している傾向にあるからです。
前に一度摘除したのに…と思う方もいるかもしれませんね。
ですが、「ニキビが一度なくなったからできなくなる」ということがないのと同じように、原因となる行動が続く限りは、血栓性外痔核もできる可能性が常にあるのです。
血栓性外痔核のリスクを減らすには、こうした行動を習慣化させないことが重要と言えます。
もちろん、職業によっては行動の制限が難しい場合もありますよね。
そのような場合には、時々ストレッチをしたり、長時間同じ体勢をし続けないなどの工夫をすると良いでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
血栓性外痔核は、普段の生活習慣や職業によってできやすい人、できやすい職業があります。
血栓性外痔核は日帰り手術で簡単に摘除を行うこともできますが、できるたびに病院に行くのも気が引けますよね。
なにより、血栓性外痔核は痛みの強い急性のいぼ痔なので、なるべくできてほしくはないものです。
自分に血栓性外痔核の原因となる行動を繰り返す習慣があるのであれば、なるべく肛門に負担をかけないように工夫をしてみてください。
もしも、「血栓性外痔核かも…?と」思うような症状があれば、まずは肛門科の専門医に相談してみてくださいね。


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