隠れ脱水をしっていますか?
皆さん、こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
先日も雪が降るなど、まだまだ寒い!と感じる日が続きそうですね。寒い時期は風邪の様な症状を始めとして、体に様々な不調が出やすい時期です。
冬場に気を付けたい病気や事故はいくつかありますが、その中でも冬の脱水についてお話します。
脱水とは?
まず、脱水とは体から水分と塩分を失うことです。
私たち人間の体の半分以上は、水分で出来ています。
この水分は「体液」と呼ばれ、体にとって大切な役割を担っています。
その役割というのが・・・
- 体温調節
- 体に必要な栄養素や酵素を運び込む
- 体に不要な老廃物を運び出す
です。
この体液ですが、主に「水」と「塩分」で出来ています。
また、成人は体重の60%が体液なのに対し、高齢者は50%と、年齢とともに体液の割合は減少します。
そのため、高齢者は特に脱水に気を付ける必要があります。
体液は、汗や尿で体の外に出ていく水分と飲食によって、体に入る水分のバランスが取れることで、一定の量が保たれています。
ところが、脱水の原因となるような変化があると、このバランスが崩れて、体液が不足しやすくなります。
こうして体の体液が不足してしまうと脱水の症状が現れます。
では、具体的にどのようなことが原因で脱水となってしまうのでしょうか。
脱水の原因は?
- 夏場の気温の高さや湿気による大量の発汗で体液が失われる
- 熱による発汗や下痢、嘔吐などで体液が失われる
- 胃腸の調子が悪い、トイレが近くなるので水分を控えてしまうなど、何かしらの理由で十分な水分を補給できないため、体液が不足する
というのが一般的な・・・夏場によくある脱水の原因です。
秋から冬にかけておこる脱水では、上の3つとは異なる原因で体液が不足しやすくなります。
その原因とは「乾燥」です。体液は、汗や尿の他にも、皮膚からの水分蒸発によっても外に出ていきます。
湿度が低く、乾燥する時期は水分蒸発が進むため、より体液が失われやすい傾向にあります。
また、夏に比べると喉の渇きを感じにくいため、水分を積極的に摂らない人も多くなりがちです。
結果、体の外に出ていく水分が多く、体の中に補給される水分が少なくなるため、バランスが崩れ、体液が不足しやすくなってしまいます。
このような、知らず知らずのうちに体液が失われて、自覚のないまま脱水状態になってしまうことを「隠れ脱水」と言います。
では、脱水になるとどのような症状が出現するのでしょうか。
脱水の症状は?
脱水の度合いは、体液が失われることによる体重減少の割合によって、3段階に分けられます。
- 軽度・・・3~5%の減少(1.5~2.5kg)
- 中等度・・・6~9%の減少(3.0~4.5kg)
- 軽度・・・10%の減少(5.0kg以上)
(○kgというのは体重が50kgの人の場合です)
隠れ脱水を放置していると、脱水症へと進行するリスクが高まります。
現れる症状としては、以下の様な体の中で体液の多い臓器に異変が生じやすくなります。
- 脳・・・めまい、立ち眩み、集中力・記憶力の低下、日中の強い眠気、頭痛
- 消化器・・・食欲低下、腹部不快感、胃もたれ
- 筋肉・・・筋肉痛、こむら返り(足をつる)、力が入りにくい など
脳、消化器、筋肉をそれぞれきちんと機能させるためには、常に体液を循環させることが欠かせません。
逆に言えば、体液が不足してしまうと、真っ先に不調が現れやすいのがこの3か所です。
ですが、どの症状も「今日はちょっと体調が良くないな~」と軽く考えて放置されてしまいがちであることも事実です。
上記のような症状が出たからと言って、すぐに「脱水だ!」とは思わないかも知れません。
原因が分からないまま不調が続くようなら水分不足を疑い、「すぐに経口補水液で水分を補給する」、「飲食ができない・症状が重い等であれば医療機関を受診する」などの対策をとりましょう。
また、普段から脱水にならないように心がけることも大切です。
脱水にならないためには?
脱水を防ぐ基本は、なんといっても「こまめな水分補給」です。
必要な量は個人差がありますが、1日1.5ℓ程度を目安に2~3時間おkに水分を摂る習慣をつけましょう。
お勧めなのは、朝起きたらコップに1杯程度の水を飲むことです。寝ている間にもしらずのうちに汗をかき、体液が減っています。
また、入浴後や飲酒後にも体液は失われ、脱水を起こしやすくなっています。
お風呂上りにふらふらしたり、二日酔いで頭が痛くなったり…などがあれば水分不足のサインです。
しっかりと水分補給をしましょう。
朝起きたらコップ一杯の水分補給、お風呂上りに水分補給、お酒と一緒に水分も摂る…など、いつも飲むタイミングを決めて習慣づけることも効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
夏はあらゆるところで脱水に気を付けようという声を聞きますよね。冬場はあまりみかけないかもしれません。
だからと言って冬に脱水にならない、ということではありません。
「寒いしトイレが近くなるから水分補給をあまりしない」など積極的に水分補給をする人が減ってきてしまう時期です。
汗をかいている訳でもないし、まさかそんな知らず知らずのうちに体の中の水分が減っているなんて思わないですよね。
夏よりも自覚しづらいところが、隠れ脱水の怖いところです。
夏の脱水も、冬の脱水も、とにかく「こまめな水分補給」が大切です。
喉が渇いてからではすでに脱水になっているサインです。
お仕事で忙しいときも、「まだ喉が渇いていないなー」と思っても、水分を摂取できるときにこまめに水分補給をしましょう。
夏でも冬でも脱水になる可能性はあるため、季節は関係なく水分補給は時間を決めて行うなど、工夫をして生活してみましょう。