見張りいぼは治療が必要?

印刷用ページ[2022/01/15] 肛門科
こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは「見張りイボ」という言葉を聞いたことがありますか?
見張りイボというくらいだからいぼ痔の一種かな?と思うかもしれませんが、これ・・・実はいぼ痔ではありません。
今回はいぼ痔とちょっと勘違いしやすい「見張りイボ」についてお話をします。

 


見張りイボとはどんなもの?

冒頭で普通のいぼ痔とは違うとお話しました。
見張りいぼは、裂肛(切れ痔)を慢性的に繰り返すことでできる皮膚のふくらみです。
一方、痔核(いぼ痔)は不規則な排便習慣により腹圧が過度にかかることで、肛門の血管が膨らんで出来たこぶのようなものです。
肛門にできるもの、という共通点はあれど、全く別のものなんですね。
では、どうしてこのように皮膚がふくらんでしまうのでしょうか。

 

見張りいぼはどうしてできるの?

太くかたい便が肛門を通るときに、肛門の粘膜や皮膚が切れて裂け目が出来てしまいます。この肛門に傷ができてしまったが状態が裂肛・・・いわゆる切れ痔です。
大人だけではなく、赤ちゃんや子供にもみられ、メジャーな痔です。
肛門にできた傷は塞がるのが早いですが、排便のたびに何度も繰り返し裂けてしまうと、次第に裂け目が深くなり、炎症を起こしてしまいます
こうなると痛みも強くなり、排便が怖くなり、排便を我慢するようになります。排便を我慢してしまうと、さらに便が硬くなってしまい、出血や痛みの原因となる・・・・という悪循環に陥ります。

こうして慢性的に肛門が裂けて炎症を起こすことを繰り返すと、肛門の裂け目の周りの皮膚がいぼのように盛り上がってしまいます
これが、見張りいぼの正体です。

肛門に本来あるものではないと考えると、見張りいぼは切除などの治療が必要なのでしょうか。

 

見張りいぼは治療が必要?

上記でも説明した通り、裂肛を繰り返したことによる皮膚のふくらみのため、見張りいぼ自体に害はありません
ですが、見張りいぼができるくらいの裂肛が慢性化していると、排便時以外でも痛みが続く、ひどくなると肛門が狭くなり、便が出しづらくなってしまうことがあります。
こういった症状が酷くなると見張りいぼというよりは、裂肛に対しての手術が必要になってくることがあります

 

まとめ

いかがでしたか?
見張りいぼは裂肛の慢性化のサインとも言えます。
「ただの切れ痔か」と放っておいても良いと言えばよいのですが、人によっては生活に支障がでるほどの症状になる場合もあります。
見張りいぼ自体に手術の必要はありませんが、見張りいぼが出来るほどの切れ痔が続く場合は、将来的に肛門が狭くなったりする可能性もあるため、裂肛(切れ痔)の手術が必要になる可能性があります。
症状が強くなる、症状が長く続くなどの困ったことがあれば、まずは専門医に診てもらうようにしましょう。


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