その胃痛大丈夫?

印刷用ページ[2021/11/15] 胃腸科

みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は誰もが経験したことのある「痛み」についてのお話です。
体中色々なところに痛みを感じますよね。当院は胃腸科があるため、胃痛を訴えて来院する患者さんが多くいます。
痛み方や痛むタイミングは人それぞれですが、日本人の多くの方が抱えている悩みの一つと言えるでしょう。
今回は、胃痛とそれに関連する病気について解説します。

 

胃痛とは

胃痛は、一般的にみぞおちと呼ばれる上腹部の中心にあるくぼみの辺りに、痛みが現れることをいいます。こうしたみぞおちの痛みは心窩部痛とも呼ばれます

胃酸の過剰な分泌や、細菌などによって胃の粘膜が傷つけられてしまった場合、胃の機能が低下して起きる場合など、胃痛が引き起こされる原因は多くあります。
日本人は胃の症状を抱えている人が多く、日常生活に支障をきたしている人もいます。そのため、当院にも胃痛に悩み受診する患者さんはたくさんいらっしゃいます。
「普段は胃の症状に悩んでいない」という方でも、一度は胃痛の経験があるのではないでしょうか。

 

胃痛の原因

胃痛の原因ときいて何を思い浮かべますか?
主な原因と言われているのはストレス、食生活、ピロリ菌です。一つずつ解説していきます。

■ストレス

ストレスと聞いて、日々仕事に追われているような社会人を想像しますか?
しかし、ストレスというのは主婦や学生、退職された方から、子供まで、社会で生きている人間であれば誰もが抱えているものです。
ストレスを受けることは自律神経の乱れに繋がります。自律神経は胃や十二指腸の動きをコントールする役割を持っています。
そのため、自律神経が乱れることで、胃酸が過剰に分泌されてしまうことがあります。その結果、胃酸が粘膜を傷つけて、痛みを引き起こしてしまいます。
生活環境などによってはなかなかストレスを解消することは難しいですが、なるべくストレスを溜め込まないようにすることが大切です。

■食生活・嗜好品

暴飲暴食をしたり、脂っこい食べ物などの消化しづらいもの(消化に時間のかかるもの)を大量に食べたりすると、胃酸の分泌が高まり胃粘膜を傷つけてしまい、胃痛が起こります。
また、唐辛子のような刺激の強い香辛料を食べ過ぎたり、アルコールやコーヒーなども飲みすぎることで直接胃粘膜を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。
ちなみに、喫煙も胃粘膜への血流を低下させ、粘膜の防御機能を弱めてしまうので、より粘膜が傷つきやすくなります。何事も程々に、〇〇過ぎるということがないように楽しみましょう


■ピロリ菌

ヘリコバクターピロリ菌と呼ばれる細菌に感染すると、胃の中にピロリ菌が住み込み、胃粘膜を傷つけて胃痛を起こします。
本来、胃の中は強い酸性のため、細菌は生息できないのですが、ピロリ菌は自ら生産する酵素(ウレアーゼ)によって自分の周囲をアルカリ性に変化させて生きています。
ピロリ菌は子供の頃に感染することが多いと言われていますが、多くの場合は大人になってから胃カメラなどで感染が確認されます。
ピロリ菌がいる人は胃がんのリスクが、ピロリ菌がいない人よりも非常に高いとされています
胃を守るためにも、ピロリ菌感染が確認できた場合は早めに除菌治療をしましょう。

この3つが、胃痛の主な原因です。我慢できなほどの痛みがあったり、痛みが長く続く場合には医師へ診察や検査が必要です。
検査では胃痛の原因となる病気が見つかるかもしれません。

 

胃痛から考えられる病気

胃痛は胃の病気ならどれにでも出るくらい代表的な症状です。その中でも特に考えられる病気の一例を紹介しましょう。

急性胃炎

突然胃がキリキリと痛み始めます。胃痛のほかにも、胃の張る感じや胸焼け、吐き気などの症状が同時に出ることがあります。
原因としては暴飲暴食やストレスなどによる胃への刺激や、細菌やウイルス、寄生虫(アニサキス症)の感染などが考えられます。
急性胃炎は軽い症状が1、2日で治まる場合もあれば、長期間続くこともあります。

慢性胃炎

長期間にわたり胃の粘膜が傷付く→修復するということを繰り返したことにより、胃粘膜が萎縮し、修復が追いつかなくなる状態です。
ピロリ菌の感染が原因と言われていますが、慢性的な食生活の乱れやストレス、加齢変化でも起こることもあります。

逆流性食道炎

普段は胃酸は胃の中にとどまっており、食道の方まで上がってくることはありません。
食道の粘膜は、胃の粘膜のように酸に強くないため、胃酸が食道へ逆流すると食道粘膜に炎症が起こり、胃やみぞおち、せなかにの痛みなどの症状が現れます
特に夜間や空腹時に胃痛が起こります。

胃・十二指腸潰瘍

胃酸は胃を溶かしてしまうほど強力です。しかし、胃粘膜は胃酸から自身を守るために粘液を分泌するなどして、胃粘膜を攻撃する因子と守る因子とのバランスが保たれています
なんらかの原因で胃酸の分泌が多くなりすぎたり、粘液の分泌が減ってしまうことがあります。
このような時に胃酸にさらされた胃や十二指腸の一部が深くえぐられてしまいます。これが潰瘍という状態です。
えぐれた部分が胃か十二指腸かで呼ばれ方が違いますが、主な症状が共通しています。
ただし、胃潰瘍では食後に胃痛、十二指腸潰瘍では空腹時に胃痛が多いと言われています。

胃がん

日本で胃がんは、死亡数の多いがん疾患です。みぞおちの痛み、胸の不快感、食欲不振、吐き気などの症状が現れます。
初期の頃は自覚症状があまりないため、症状が出て検査をした頃には進行がんとなっているケースが多く見られます
症状がなくても定期的に胃カメラ検査を行いましょう。

食道がん

食道にがん細胞が増殖すると、食べ物を飲み込んだ時に胸や背中が強く痛むようになります。食道がんの最も大きな原因は、飲酒と喫煙です。
初期の頃はあまり自覚症状がありませんが、進行がんとなってから痛みの他に咳や声がれ、体重減少などの症状が現れます

機能性ディスペプシア

みぞおちの痛みや胃もたれなど、胃の症状があるのにも関わらず、胃カメラで胃の中を検査してみても何も病気(潰瘍や炎症、がん等)が見つからない場合には、機能性ディスペプシアが疑われます。

症状があるからと言って、胃カメラで異常が見つかるわけではありません。逆に症状がないからと言って、病気がないわけではないのです。
これはどの体の部分でも同じかもしれませんが、症状がある=病気があるわけではないということは、覚えておいてくださいね。

 

まとめ

いかがでしたか?
胃痛の原因にはよく聞く、ストレスや暴飲暴食、ピロリ菌があります。
胃痛は急性軽い症状であればあまり心配しなくても良いと思いますが、症状が何日も続くようであれば大きな病気からきている症状かもしれません。

皆さんには、こんな胃の症状ありませんか?

  • 突然、みぞおちの辺りが痛みが起こった
  • 数日間、痛みが治まらない
  • 夜間や早朝など、決まった時間に痛みが起こる
  • 発熱や吐き気と一緒に痛みが出る
  • ストレスを感じると胃が痛くなる
  • 空腹時、満腹時に痛みが出る
  • 食後に痛みが出る
  • 痛み止めを使うと痛くなる

一つでも思い当たる症状があれば、胃カメラでしっかりと胃の粘膜を直接確認してもらいましょう。
特に胃がんは日本人の死因として非常に多い病気です。ですが、全く予防ができない病気でもないのです。
ポイントはしっかりと定期的な検査を受けることです。
特に胃がんは進行し始めると早いがんですが、1年に1回の検査をきちんと受けていれば進行がんとなってから見つかる・・・という可能性は低くすることができます
1年間でがんができてしまうことがあるくらいです。特に、過去にピロリ菌を除菌している方は除菌治療が成功しても胃がんの発生率はピロリ菌がいなかった人に比べて高いのです。
こうした理由もあり、当院では1年に1度の内視鏡検査をおすすめしています。
胃カメラで辛い経験をしたことがある方も、鼻からの検査であれば辛いオエッと感がなくてそれだけで楽に検査できるかもしれませんね。ぜひ、一度当院へご相談ください。


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