感染症の数だけ病原体はある!
皆さん、こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
私は、ここ1年ちょっとで嫌でも1日に1回は聞くようになった言葉が、いくつか思い浮かびます。
皆さんはどうですか?もしかして、その一つは「感染症」ではありませんか?
感染症と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。今のこのご時世、新型コロナウイルスと答える人がほとんどかもしれません。
新型コロナウイルスによって感染症についての情報を、得ることが本当に多くなったと思います。
といってもこの世に存在する感染症は新型コロナウイルスだけではありません。本当にたくさんの種類があります。
今回は、「感染症の種類」についての第一回目、2回に分けて詳しく解説していきましょう。
感染症とはどんな病気なの?
感染症とは、空気・水・土・人やペットなどの動物に潜んでいる、細菌やウイルスといった「病原体(=病気を起こす小さな生物のこと)」が体に入り込むことで、あらゆる症状が出てきて悪さをする病気の事です。
そして、こうした病原体の怖い所は自分だけではなく、「誰か」にうつしてしまう可能性があるところです。
体の中に入り込み病原体が増殖した後は、唾液や鼻水、痰、便などと一緒に排泄され、空気などを通してまた別の誰かに入り込んで増殖を繰り返すのです。
こうして、感染は拡がっていくのです。
世の中には数多くの感染症が存在し、それぞれ特徴や症状、病原体が体に入り込む経路も様々ですし、予防方法も異なります。
ですから、感染症といっても症状や危険度、治療法や治るまでにかかる時間などは病原体によって大きく異なります。
日本では、感染症をいくつかに種類を分けて分類しています。どのように分けられているのでしょうか。
感染症の種類
日本には、感染症を予防し、広範囲に拡がったときに正しい対処ができるよう定めた「感染症法」という法律があります。
この感染症法では、世の中にある様々な感染症8つの種類に分類しています。それぞれの種類によって、感染を拡大を予防するために行われる措置が異なります。
では、どのような種類が分類されているのでしょうか。現時点での、分類される病気も一緒に見てみましょう。
●一類感染症
感染力、病気にかかった場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた、危険性が極めて高い感染症です。
原則的に入院が勧告され、場合によっては交通制限が発動されることもあります。
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ熱、痘(とう)そう、南米出血熱、など
●二類感染症
感染力、病気にかかった場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた、危険性が高い感染症です。
必要に応じて入院勧告が出され、一定期間食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
重症急性呼吸器症候群(SARSウイルス感染症)、結核、鳥インフルエンザ、など
●三類感染症
感染力や病気にかかった場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を引き起こす可能性のある感染症です。
一定期間、食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、など
●四類感染症
人から人への伝染はほとんどありませんが、動物、飲食物などの物を介して人に感染し、国健康に影響を与える恐れの高い感染症です。
対象となる動物の輸入禁止や検閲強化などの措置がとられます。
E型肝炎、A型肝炎、狂犬病、鳥インフルエンザ(二類感染症のとは別の種類のもの)、など
●五類感染症
国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生予防に役立つと考えられる感染症です。
インフルエンザ、麻疹、ウイルス性肝炎、後天性免疫不全症候群(エイズ)、性器クラミジア感染症、梅毒、など
●新型インフルエンザ等感染症
人から人に伝染すると認められるが一般に国民が免疫を獲得しておらず、全国的かつ急速なまん延により、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症です。
必要であれば、一類感染症と同様の対処が取られることがあります。
新型インフルエンザ、新型コロナウイルス
●指定感染症
すでに知られている感染症の中で、一類~三類、新型インフルエンザ等感染症に分類されないが、同等の措置が必要となった感染症(延長含め最長2年)です。
原則一年間に限定して政令で指定され、一類~三類に準じた措置がとられます。
現在は該当なし
●新感染症
新たに人から人に伝染すると認められ、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及び病気にかかった場合の重篤度から危険性が極めて高い感染症です。
行政機関による措置はそれぞれの危険性を考慮した上で決められます。
現在は該当なし
どうでしょうか。数字が大きくなるにつれて、だんだん聞いたことのある病気が増えていったのではないでしょうか。
感染症の種類が多い、ということは・・・病原体の数も多いということです。
その中でも、かかりやすい感染症はどのようなものがあるのでしょうか。
かかりやすい感染症は?
感染症の種類は非常に豊富です。しかし、日本国内で生活している分には全ての感染症にかかる可能性がある、というわけでもありません。
年齢によりかかりやすい、かかりにくい感染症もあります。
具体的な病名でいうと・・・
一般的にかかりやすい感染症
- インフルエンザ
- 感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)
子どもがかかりやすい感染症
- 麻しん(はしか)
- 風しん
- 水痘(水ぼうそう)
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
- 手足口病
- ヘルパンギーナ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
高齢者がかかりやすい感染症
- 肺炎
- 結核
- 白癬
あたりでしょうか。
家族が感染したことがあるという方や過去に自分がかかったことがある病気かもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
病原体の数だけ感染症はあります。日本国内だけでもその種類は多すぎるほどです。
こうした病気の原因となる、ウイルスや細菌、カビといった病原体は、私たちの身の回りに数多く潜んでいます。
そのため、全ての病原体が体に入り込むことを防ぐことはなかなか難しいものです。
ですが、かかりやすい感染症の感染経路を知ることは、感染を防ぐヒントになります。
続き別の記事で後日公開します。感染症の感染経路と予防法についてお話しますので、お楽しみ!