「こわい頭痛」と「こわくない頭痛」
皆さん、こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
今回のテーマは皆さんも一度は経験したことのある「頭痛」についてです。
頭痛はありふれた病気の一つで、頭痛のほとんどは命にはかかわらないものです。
ですが、頭痛の中にも一部には放っておくと命にかかわってしまうこわい頭痛も存在するのです。
今回は、この頭痛について解説をしていきたいと思います。
頭痛とは
頭痛とは字のごとく、頭に痛みの生じる病気です。頭痛はありふれた症状で、そのほとんどは心配の要らないものです。
頭痛には複数の種類があり、大きくは
- 風邪や二日酔いなどで日常的に起こる頭痛
- 慢性頭痛
- 脳の病気によって起こる頭痛
の3つに分けられます。
このうち慢性頭痛のような脳に異常のない頭痛は一次性頭痛、脳の異常によって起こる頭痛を二次性頭痛と言います。
・・・これだけでもうこわい頭痛がどれなのかが分かるかと思いますが、まずは一次性頭痛から詳しく解説していきます。
こわくないけど辛い一次性頭痛
いわゆる「頭痛持ち」の頭痛である一次性頭痛は、特に病気で起こるわけではないこわくない頭痛です。
一次性頭痛の代表的なものとして、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つがあります。
緊張型頭痛
肩こりなどの頭周りや首の後ろから肩、背中にかけての筋肉の緊張に伴う頭痛です。
痛みは後頭部を中心に、頭の両側や首筋にかけて起こり、「頭を締め付けられているような痛み」「頭に重いものを乗せているような感じ」などと表現されます。
男性よりも女性の方が1.5倍程度の割合で多いというデータもあります。ストレスが大きくかかわっているため、働き盛りの年齢の人に多いですが、幅人い年齢層に分布しています。
片頭痛
発作的にズキンズキンと強く痛むタイプの頭痛です。嘔吐や吐き気を伴います。
典型的な場合、痛くなる前に閃輝暗点(せんきあんてん)という、モザイク模様や、虹のような色、ちかちかする光などが見えることがあります。
片頭痛は脳の血管が拡張することにより起きるため、普通の鎮静剤は効かず、特殊な鎮静剤が効果があります。
命に関わることはありません。ですが、脳卒中のリスクとなりうることもあるため、注意が必要とされています。
群発頭痛
頭痛がある期間が集中して、片目の奥にえぐられるような痛みが起こる頭痛です。
毎日同じ時間に起こることがあり、夜中に激痛で目覚めたりすることもあることから、心が折れそうになるほど…とも言われています。
脳には異常はなく、片頭痛と同様に特殊な鎮静剤や酸素吸入などが効果があります。
日本人の3人に1人が一次性頭痛に悩んでいるといわれるほど、多くの人が体験している症状の一つです。
・・・こうして悩んでいる人が多い一方、頭痛に悩んでいる人の多くが「頭痛が辛い」と医療機関を受診することなく、市販の薬で対処しているというデータがあります。
鎮痛剤に頼り我慢をしすぎるのは注意が必要です。というのも、痛みは体からの異常を知らせるサインである可能性もあり、頭痛の場合は二次性頭痛という「脳の異常からくる頭痛」が存在するからです。
こわい病気が原因の二次性頭痛
二次性頭痛は、一次性頭痛とは対照的に、脳に異常があり頭痛が起きるタイプの頭痛です。この場合は、早急に治療をしなければ命に関わる可能性もあり、危険でこわい頭痛です。
二次性頭痛が引き起こされる病気は、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などが挙げられます。
これらの病気による頭痛の典型的な症状としては、今まで経験したことのないような突然の激しい頭痛です。吐き気を伴うことが多く、意識を失ってしまうこともあります。
くも膜下出血は二次頭痛の代表的なものです。重症の場合は意識を失い、命に関わるため、早急に検査、手術が必要になります。
だんだん痛みの増す頭痛や、頭痛と同時に手足の麻痺や眩暈(めまい)などの症状も一緒に出ている場合は、脳腫瘍や脳血管障害などの病気が疑われます。
「二次性頭痛=脳の病気が原因」ではありません。その他には、高血圧、低酸素血症、頭蓋骨・頸(首)・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口の病気によるものなどが考えられます。
自分で「こうだろう」と考え、安易に鎮痛剤を飲み続けてしまうことは危険な行為です。
二次性頭痛の可能性を考え、いつもと様子の違う頭痛を感じた場合は、医療機関を受診して検査などを受ける必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
誰もが一度は感じたことのある頭痛が、命に関わるこわい病気が関わっている可能性があると考えたことはありましたか?
とはいえ、頭痛のほとんどは一次性頭痛であることがほとんどですので、頭痛に怯えて暮らす必要はありません。
頭痛がいつもの頭痛であったり、前にもあったような頭痛であるなら、それはこわくない頭痛かもしれません。
しかし、今までなかったような頭痛や、だんだん強くなるような頭痛であれば、もしかするとこわい頭痛かもしれません。
言うまでもなく、脳は人間が生きる上で重要な臓器です。
いつもの頭痛がたまにある程度でそのつど鎮痛剤を使うくらいなら問題はないでしょう。
ですが、いつもと違うと感じたら薬に頼るのではなく、すぐに脳神経外科や神経内科などの専門の医師のいる医療機関を受診しましょう。