切れ痔の予防方法

印刷用ページ[2021/05/15] 肛門科

皆さんこんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。

前回の記事では、切れ痔の治療法についてお話をしました。
今回は、患者さんからもよく質問される「そもそも切れ痔を予防するにはどうしたらいいの?」という疑問にお答えしていきたいと思います。

 

痔の予防=生活習慣の見直し?

前回の記事でも軽く触れたように、切れ痔(裂肛)は、便秘の時などに硬い便が肛門を無理に通過することで、肛門管の上皮が切れたり裂けたりしてしまう状態の事をいいます。
また、何度も下痢を繰り返したり、ペーパーなどで強くこすりすぎることなどでもおしりを傷つけてしまいます

つまり、切れ痔は下痢や便秘、排便後のおしりのケアを気を付けることによって予防することができます
下痢や便秘は病気が原因となることもありますが、生活を見直すことでも改善することができます。
切れ痔にならないためにできることをいくつか挙げるので、できる範囲でやってみましょう。

 

生活習慣を見直しましょう

食生活を見直す

便秘や下痢は、痔の大きな原因の一つです。便秘や下痢を防ぐために以下のような行動を心掛けましょう。
ヨーグルトや納豆などの善玉菌を摂取したり、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維をとるなど、腸の中の善玉菌を増やせるような食生活を意識してみましょう
食物繊維は、穀類、野菜、果物、穀物、海藻、きのこ、豆類などの植物性の食品に多く含まれています
食物繊維は、普段から意識していないと摂ることが難しいです。意識的にこうした食品を食事に取り入れてみましょう。

 

水分を多めにとる

便は腸壁からどんどん水分が吸収されていくため、水分が不足すると便が硬くなってしまいます
そうならないためにもこまめに水分を補給し、1日で約2リットルの水分をとるように意識しましょう。

 

適度な運動を行う

運動不足により、体力や筋力が低下することでも便秘が起こります。日常的に運動をする習慣を取り入れるだけで症状を改善することができます。
便秘に一番関係する筋肉は腹筋です。腹筋が衰えてしまうと、便をスムーズに押し出す力が弱くなります。
また、腹筋が弱まると、腸の緊張が低下してしまい、蠕動運動(ぜんどううんどう:便を先へ押し出し、便を移動させる働きの事)も弱くなってしまいます。
こうすることで便が大腸内にとどまっている時間が長くなり、どんどん水分が吸収されていくことで便も硬くなり、便秘となります。
適度な運動は、血流を促進してくれて、胃腸の動きが良くなりますので便秘に効果的と言われています

 

睡眠をしっかりとる

睡眠時やリラックスしている時に働く、副交感神経が消化管の働きを活発にしてくれるので、便秘に効果的と言われています。

 

ストレスをためない

精神的なストレスにより自律神経が乱れ、腸の働きが悪くなることもあります。
なるべくストレスはためずに自分なりのストレス解消法をみつけましょう。


排便後のケアは適切に行う

肛門は、便などが残ったままにならないように、普段から丁寧に拭くようにしましょう。ただし、ゴシゴシと強い力でこするのではなく、紙を押し当てるようにして優しく拭きましょう。
また、排便後には紙で拭くだけで充分ですが、便の質や年齢などによっては、何度も吹かなければ便がとれにくいこともあります。
こうした場合はトイレの温水洗浄機能(ウォシュレット)を使って洗うようにしましょう。
ただし、肛門の皮膚はデリケートなので、強い水圧で洗ったり、洗いすぎてしまうと皮膚炎を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
ウォシュレットのシャワーを当てた後も、ゴシゴシとこすって水分を拭きとるのではなく、押し当てるようにして優しく拭きとりましょう。

 

さいごに

どうでしたか?どれも簡単に試せるものばかりですよね。
切れ痔は多くの場合が便秘や下痢などの排便異常が原因です。便秘や下痢は病気の可能性もありますが、生活習慣から来ることが多いです。
まずは生活習慣を見直し、できることからやっていきましょう。
ただし、慢性的に便秘や下痢が続く場合は、病気の可能性もありますので、肛門のためにも、大腸のためにも、一度検査をすることをお勧めします。
また、逆にどうせ切れ痔だろうと思って放って置いたら、奥に大腸がんが隠れていた…なんてこともあります。おしりからの出血が続く場合も一度肛門科、大腸検査を受けましょう


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