糖尿病は万病のもとってどういう事?
こんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは、「糖尿病は万病のもと」なんて言われているのを聞いたことはありますか?
糖尿病は、高血圧や高尿酸血症とともに生活習慣病に含まれている病気です。
他にも生活習慣病はあるのに、どうして糖尿病は「万病のもと」と言われているのでしょうか?
それは、糖尿病が引き起こす合併症が関係しているのです。
今回は、糖尿病に関する合併症について解説をしていきます。
糖尿病とは?
まず糖尿病とは、インスリン(糖の代謝を調節して、血糖値を一定に保つ働きをするホルモン)の分泌不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気です。
重症になると、血中の糖が尿に溢れ出てしまい、甘い匂いがするためその名がついています。診断は、空腹時に採血検査を行い、血糖値を調べて行います。
糖尿病には症状がなく、糖尿病になっていることに気付かない人も多くいます。健康診断で血糖値が高いとの指摘があり受診するケースもあれば、急に高血糖の症状が現れて糖尿病が判明する場合もあります。
糖尿病ではかなり血糖値が高くならないと症状が現れません。高血糖における症状は「喉が渇き」「尿の回数が増える」「疲れやすさ」などがあります。そのため、早めに糖尿病をみつけるためには定期的な採血検査が必要ですね。
さて、糖尿病についてわかったところで、本題の糖尿病が引き起こす合併症についてお話していきましょう。
糖尿病の三大合併症
糖尿病の怖さは合併症にあるとまで言われています。糖尿病と診断されても自覚症状があまりありません。
そのため患者さん自身で治療をやめてしまったりなど、血糖値のコンロトールがされず放置されてしまうことがあります。
そのような状態で放置をし続けていると、数年~10年程度で非常に怖い様々な病気を引き起こしてしまいます。
糖尿病網膜症(失明)
眼の奥には網膜(カメラのフィルムに当たる部分)という組織があり、物を見るために大変重要な場所です。
網膜には細かい血管が張り巡らされており、高血糖の状態が続くと、血管に負担がかかりることで、眼底の血管がつまり、視力低下から、悪化すると失明状態に至ります。
網膜は高血糖の影響を非常に受けやすいのです。網膜症は中途失明(正常の視力があった人が失明すること)の原因の第2位とされています。
糖尿病腎症(人工透析)
高血糖のために腎臓のフィルターがつまってしまい、血液のろ過が上手くできなくなってしまいます。
これが悪化することにより、人工透析(腎臓の働きの一部を人工的に補う治療法)が必要になります。
人工透析は腎臓の機能を回復させる治療法ではないため、腎臓移植を受けない限りは、生涯続けることになります。
糖尿病神経障害(壊疽→切断)
神経には脳や脊髄といった中枢神経と、底から手足や皮膚に広がる末梢神経があります。糖尿病神経障害で障害を受けるのは主に末梢神経です。
神経は先に行けば行くほど血管が細くなり、栄養や血流が届きにくくなるのが早いので、一般的には最も長い末梢神経である足の先から症状が現れます。症状は足先のしびれや冷えなどです。
この神経障害は、軽い自覚症状のみの場合から、下肢の切断や全身性の感染症など、命に係わるようなものまで含まれます。
こうした眼や腎臓の合併症の症状が現れて、初めて糖尿病と診断される方もいます。失明、人工透析、体の切断…どれも考えるだけでぞっとしますよね。
三大合併症以外にも糖尿病が引き起こす病気はあります。
太い血管の動脈硬化
・脳卒中
・狭心症
・心筋梗塞
・足の動脈硬化 など
軽度の糖尿病でも動脈硬化はすでに始まっていることがあります。
足の病変
高血糖が続くと、末梢神経の障害により怪我に気付きにくくなったり、怪我が治りにくくなるため、靴擦れなどのちょっとした傷も潰瘍になったり、周囲の組織まで壊死(えし)してしまうことがあります。
歯周病
歯肉炎、歯周病も糖尿病に多く見られます。歯周病があると動脈硬化が悪化することも分かっているので、口の健康に気を付けることも大切です。
まとめ
いかがでしたか?よく聞く糖尿病という病気は、体の様々な場所に障害を起こして、病気を引き起こしてしまうことをおわかりいただけたでしょうか?
健康診断で血糖値の異常指摘があるのにそのままにしていませんか?糖尿病は早めに治療を開始してしっかりと血糖値のコントロールをしていくことが必要です。
なかなか自覚症状が現れない疾患でもあるため、治療をサボりたくなるかもしれませんが、いつか恐ろしいことになることを考えて、しっかりと医師のもとで治療を行っていきましょう。
ららぽーと横浜クリニックでも多くの糖尿病の患者さんが通院されています。健康診断で指摘があった場合は是非お気軽にご相談ください。