内視鏡検査のベストな間隔は?

印刷用ページ[2021/04/01] 胃腸科

皆さん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは、内視鏡検査を定期的に受けていますか?
患者さんから「今回は症状のあったから一度受けてみたけど、次はいつくらいに受けるのが良いのかわからない」なんて声を聞くことがしばしば・・・。
今回は、患者さんからの質問も多い、「内視鏡検査の間隔」についてお話していきましょう。


内視鏡の定期検査のベストな間隔は?

当院では、検査が終わった患者さんには、必ず次回の検査の時期の目安をお伝えしています。
「胃は1年後、大腸は2年後、大腸ポリープを切除した方は1年後の再検査」
これが当院の考えるベストな定期検査の間隔です。
ただし、患者さんの内視鏡検査の結果によっては、これが変わってくることもあります

さて、これをお伝えすると・・・
「え?そんなに間隔が短いの?なにもなかったんだし、2~3年空けても問題ないんじゃないの?」
なんてお声を頂くこともあります。
今回はこんな質問に答えるべく、詳しく解説をしていきましょう。

一方、経過観察のみ、特別大きい異常がなかった場合は「胃は1年後、大腸は2年後」とお伝えしていますが、この期間の差にはもちろん理由があります

 

胃と大腸の定期検査の間隔の違いは?

胃と大腸の定期検査の間隔にずれがある理由・・・それはズバリ「ガンの進行スピード」にあります。

胃がんは、進行がんになるのに3~4年ほどかかることもありますが、これはがんのタイプによります。
胃がんの中にはスキルス胃がんといって、1~2年で進行がんになるタイプもあります
大腸がんは、胃がんに比べると進行速度の遅いがんです。胃の内視鏡検査と比べると間隔を空けても大丈夫とされていますが、大腸ポリープは1年後には新しく出てくる可能性があるため、大腸ポリープがあった翌年は検査をおすすめします。

さて、胃ガン、大腸ガンの治療に必要なこと・・・それは「早期発見」です。
早期発見のためには、空きすぎない間隔で定期的な内視鏡検査が必要です。

進行ガンになってしまうと、進行スピードはそれまでよりもずっと早くなるとされています。
ガンは進めば進むほど治療も難しくなり、治療できたとしてもその後の生存率に関わってきます。
ですから、早期発見・早期治療が胃ガンと大腸ガンにはとても重要です。

「胃と大腸の検診なら毎年受けてるからそれでよいのでは?」と思われるかもしれません。
正直なところ、会社の健康診断で行われる、胃ガン検診のバリウムの検査、大腸ガン検診の便潜血検査(検便)だけでは、ガンの発見としては不十分です。
それは一体なぜでしょうか。

 

バリウム検査と便潜血検査では不十分って本当?

市や会社の健康診断で行われる、バリウムの検査や便潜血検査(検便)の検査は一度に沢山の人数を検査できるため、会社のような組織が行う健康診断としてはメリットがあります。
しかし、「内視鏡検査と同じようにガンを発見できるか」というと、残念ながらそれはできません
圧倒的な精度の違いがあるからです。ですから、会社の健康診断で異常があった場合はその上位の検査である、内視鏡検査を受けることになるのです。

実際、バリウム検査と便潜血検査で異常があったことをきっかけに受診した患者さんは、ガンが発見された段階で進行ガンであることが多いのです。
定期的な内視鏡検査を受けている方は、ガンが見つかっても早期がんであることがほとんどです。
つまり、バリウム検査や便潜血検査で異常が指摘される場合のガンというのは進行ガンとなってしまっている場合が多いということになります。

検査を全くしないよりはよいですが、バリウム検査と検便に頼りきりでは不十分ですから、35~40歳を超えて一度も内視鏡検査を受けたことがない方は、是非内視鏡検査を受けることをお勧めします。
受けたことがある方は、これからも定期的な内視鏡検査をお勧めします。

患者さんの中には「ガンになったら、流石に何か症状がでるでしょ?」とおっしゃる方もいます。
勿論、ガンになれば症状は現れます。しかし、その多くは「進行ガン」の場合です。

 

症状が出たらでは遅い?

日常の診察でも、「胃と大腸には症状がないのに定期検査が必要ですが?」と聞かれたり、受診の数日後に「症状がなくなったので検査をキャンセルします!」といった旨の連絡を頂くことがあります。
「ガンともなれば、何かしらの症状がでる。ないうちは大丈夫!」という意識が多くの人にはある様です。しかし、実際には早期ガンの人はほとんど症状がありませんし、進行ガンでもしばらく症状が出ない方もいます

ガンに限らず、「症状がない=病気がない」という考えは非常に危険です。
症状を自覚してから受診をし、内視鏡検査でガンが発見された方は進行ガンとなっている方が多いのも事実です。(症状を感じてない間にもガンは少しずつ育って行ったというわけです)

また、「薬を飲んでよくなったから検査は不要」という考えも大変危険です。勿論薬を飲めば症状は和らぐかもしれませんが、病気がなくなるわけではありません。

また、大腸ポリープもポリープだけでは症状が出ることはまずありません。ですが、大腸ポリープは大腸ガンのもとと言われています。
大腸ポリープを切除したことがある方は、大腸ポリープ体質である可能性があるため、症状がなくても1年後に新しい大腸ポリープがないかをチェックする目的で検査をお勧めしています。
大腸ポリープが小さいうちに摘んでしまうことが大腸ガンの予防につながります。

定期的な内視鏡検査を受けている人でも、症状が出てきた場合は時期を前倒して検査をすることもできますから、1年に1度だからそれまで我慢しようとは思わず、異変があれば早めに医師へ相談しましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
胃ガンと大腸ガンの早期発見のためには、症状のあるなしに関わらず定期的な内視鏡検査が大切であることがお分かりいただけたでしょうか。
胃のバリウム検査、便潜血検査だけでは定期的なガン検査としては不十分であること、症状が出てからでは進行ガンとなってしまっている場合がある、ということをわかっていただけたでしょうか。
こうした理由から、当院では「胃は1年後、大腸は2年後、大腸ポリープを切除した方は1年後の再検査」という間隔での定期的な内視鏡検査をお勧めしています。
万が一、ガンになってしまっていてもこの間隔で検査をしていれば、進行ガンとなる可能性はとても低いです。
とはいえ、「痛い、辛い」という経験から、なるべく内視鏡検査は受けたくない…という方もいるのも分かります。
今は、なるべく患者さんの負担を少なく工夫をしている医療機関も沢山あります。勿論、ららぽーと横浜クリニックでも、当院独自の挿入法などで患者さんの負担がなるべく少なくできるような工夫をしております。
検査は怖いけど、「過去の検査が痛すぎて検査が怖い」「口からの胃カメラが辛かった」という経験がある方は、是非、当院へご相談ください。


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