ウイルスと細菌の違い
こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは、細菌とウイルスって何が違うの?と疑問に思ったことはありますか?新型コロナウイルスにより、今までよりもずっとウイルスという言葉を聞く機会が増えましたよね。
細菌もウイルスも「病気を引き起こす小さな物」というのは同じですが、細かくいえばもっと色々な違いがあるのです。
今回はこの「細菌とウイルスの違い」について解説をしていきたいと思います。
細菌とウイルスはどんなものがある?
皆さんは細菌とウイルス、それぞれどんな名前を思い浮かべますか?
食中毒だけでも、サルモネラ菌、カンピロバクター、ブドウ球菌、ボツリヌス菌など…色々な種類がいます。他にも呼吸器に症状の出やすい結核やマイコプラズマ肺炎も細菌に感染することで発症する病気です。
ウイルスであれば、毎年冬場にはインフルエンザ、ノロウイルスが流行り、ここ1年で猛威をふるう新型コロナウイルス、子どものかかることが多い麻疹・風疹が挙げられます。
では具体的に、大きさ、増え方、有効な薬の3つに分けてそれぞれの違いを見ていきましょう。
細菌とウイルスの違い
●大きさ
どちらも小さく、肉眼でその姿を確認することはできません。
細菌とウイルスを比べてみると、ウイルス>細菌です。
ウイルスは細菌の50分の1程度の大きさで、細菌よりもはるかにウイルスの方が小さいです。
そのため、細菌は光学顕微鏡でも見ることができるのに対し、ウイルスを見るには電子顕微鏡が必要です。
この大きさの差には、それぞれの増え方が関係しています。
●増え方
細菌
細菌は、自身で1つの細胞を持つ単細胞生物です。
そのため、栄養源(糖などの栄養と水)があり、適切な環境があれば、自分自身で増えることができます。
ウイルス
ウイルスは、細胞を持たず、蛋白質の外殻と中に遺伝子を持っているだけのものです。
そのため、細菌のように栄養や水があっても、ウイルスだけでは増えることができません。ヒトの細胞など他の生物に侵入することで、増殖が可能となります。
それぞれ構造が違うため、当然治療に使われる薬にも違いがあります。
●有効な薬
細菌
例外はありますが、一般的に抗菌薬(抗生物質、抗生剤)が有効です。
抗菌薬は、細菌の細胞構造を壊したり、増える仕組みを妨害したりすることができます。
細菌の特性に応じた様々なタイプの抗生物質があるため、病気によって使い分けます。
ウイルス
構造や増える仕組みが違うため、抗菌薬はウイルスには全く効きません。
抗ウイルス薬は単純な構造なので、逆に弱点が少なく開発が難しいとされています。
インフルエンザなどの一部のウイルスに対しては、有効な抗ウイルス剤(ウイルスの増殖を抑える薬)があります。
まとめ
どうでしたか?
同じ感染症を引き起こす小さな微生物(ウイルスは細胞を持たないので”生物”というかは難しいところですが)であることは同じなのに、こんなにも色々な違いがあるんですね。
サイズから増え方まで、何もかもが違うのが興味深くもあり、恐ろしいところです。
夏も冬も関係なく感染症は存在していますから、普段からしっかりとした感染症対策をとりましょう。