ステロイドは使っても大丈夫?

印刷用ページ[2021/02/15] 皮膚科・アレルギー科
こんにちは、横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは「ステロイド」と聞いて何を思い浮かべますか?
ステロイド外用薬は塗った場所(局所)の炎症を鎮める作用に優れているため、当院でも皮膚疾患の治療の際によく処方される薬の一種です。
しかし、「ステロイド=副作用」というイメージがある方が多いのかもしれませんね。皮膚疾患の治療としてステロイド外用薬を使用することを提案すると、「副作用が…」と心配をされる患者さんが時々いらっしゃいます。
今回は、「ステロイドの外用薬」についてお話していきます。

 

ステロイド外用薬は使っても大丈夫?

結論からいうともちろん使っても大丈夫です。
ステロイドは、炎症を鎮める作用に非常に優れている薬で、様々な皮膚疾患の治療に幅広く使われています。(もちろん、皮膚疾患以外の治療でも使われています)

外用薬(塗り薬)、内服薬(飲み薬)の違いによっても副作用の現れ方は違いますが、短期間の使用であれば問題ないことがほとんどです。
もちろんこれは、医師の指示のもと治療に使う場合の話であり、自己流で使ったり、自己判断で使用を中止する場合はこの限りではありません。
どの薬剤でも同じことですが、『正しく使えば』大丈夫、という事ですね。
では、なぜ大丈夫と言えるのかを解説していきましょう。

 

外用薬と内服薬で副作用は違う


ステロイドには内服薬と外用薬とありますが、一般的に副作用の心配があるとされるのは内服薬です。内服薬を使用する場合は、非常に強い炎症(酷い状態の場合)であることがほとんどです。

本来、ステロイドは自分の体で作られるホルモンの一種ですが、長い期間ステロイド内服薬を飲み続け、外から余分に与えることで、体がステロイドを作ることをサボリ始めてしまいます
こうなると、体はステロイドを自分で作らなくなってしまい、急に症状が悪化したり体のあちこちに不調が起きてしまうのです。
ステロイドの外用薬は内服薬とは違い、このような副作用が出ることは稀です。しかし、外用薬の場合であっても、炎症を抑える力の強いものを長期間使用していた場合は、似たようなことが起こることもあります。

まず、ステロイドは外用薬なのか内服なのか、使用期間と量を医師と相談して調節しながら治療を受けることが大切です。

 

ステロイド外用薬は正しく使いましょう

ステロイド外用薬は塗った場所(局所)の炎症を鎮める作用に優れているため、当院でも皮膚疾患の治療の際によく処方される薬の一種です。
使っても大丈夫、とは言っても副作用のない薬剤はありません。皆さんが薬局で手軽に手に取れる痛み止めや花粉症などの薬にも副作用はあります。
ステロイドも同じで、内服薬に比べて副作用の出にくいとされる外用薬でも、長期的に使いすぎることで副作用が出る可能性はあります
では、これを回避するためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

ステロイド外用薬の副作用を回避するには?

まずは、皮膚の状態に合わせた適切な強さのステロイド外用薬を処方し、使用します
日本ではステロイド外用薬には強さを5段階に分けています。
強いものから、ストロンゲスト(最も強い)、ベリーストロング(非常に強い)、ストロング(強い)、ミディアム(普通)、ウィーク(弱い)とランク付けされています。
皮膚の部位、処方する患者さんの年齢によってこれらを使い分けて処方します。
ステロイドの強さが細かく分類されているのは、体の部位によって皮膚科らの吸収されやすさ(吸収率)が違うからです。
例えば、顔や陰部などは皮膚がとても薄いため、吸収率が非常に高くなるため、弱いランクのステロイド外用薬を選びます。

こうして適切なステロイド外用薬をしばらくの期間は連続で塗り、綺麗な皮膚に回復させます。それから徐々に、ステロイドのランクを落としたり、ステロイド外用薬を塗る日を減らしていきます
皮膚の薄い部分を除いて、強いステロイド外用薬でも週に2~3日程度なら半年~1年は使用しても副作用が生じないことが報告されています

このようにステロイド外用薬を使う場合は、皮膚の状態に合わせて薬の強さや量を調節しながら治療を行うため、こまめに通院が必要です。

 

まとめ

どうでしたか?
「ステロイド=怖い」というイメージがあるかもしれませんが、医師の指導のもと正しく使用すれば、皮膚疾患を治療するのには大変優秀なお薬です。

通院を勝手にやめ、自己流で手持ちの薬を塗り続けたり、新しい湿疹に手持ちのステロイド外用薬を使用したりすることは、正しい使い方ではありませんので注意してください。
もちろん、お子さんに同じような症状が出ているから、と自分の薬を自己判断で塗ることもやめましょう。
どんなお薬でも同じですが、処方薬というのはその人の症状、状態に合わせて処方されています。勝手に薬を分けたりすることは危険です。

特にステロイド外用薬であれば年齢や部位によって医師が適切に選び処方します。まずは一度皮膚科にかかりましょう。こまめに通院をし、適切な治療を受けることが大切です。


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