気を付けるべき胃炎はどれ?

印刷用ページ[2021/02/01] 胃腸科

みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは慢性胃炎にはいくつかの種類があることをご存知ですか?

「内視鏡検査で慢性の胃炎があります。」と言われた方も多いのではないでしょうか。今回はこの慢性胃炎の種類の中でも、特に注意すべきなものについて解説をしていきたいと思います。

 

慢性胃炎とは?

慢性胃炎は、実はほとんど自覚症状がなく、普段では気付かないほどなので「検査で初めて指摘を受けてびっくりした!」という方も多いです。
慢性の胃炎があると、何かのきっかけで胃の不快感やげっぷ、痛みを感じることがあります。
内視鏡で胃の粘膜を観察してみると、がんや潰瘍といった大きな異常は認められないものの、慢性の炎症…つまり胃炎が認められる事があります。
一般的には、加齢と共に起こりやすく、老化現象の一つとして、多くの方にみられる病気でもあります。

そんな慢性の胃炎の中には何種類か種類があります。

 

慢性胃炎の種類

〇表層性胃炎

慢性胃炎の中でも、胃粘膜表面で軽い炎症のある状態です。
表層性胃炎の原因は、胃酸過多により胃の粘膜の上皮が炎症を起こすことです。
軽度の胃炎のため、大半の方は無症状ですが、上腹部の違和感や不快感、鈍痛、胸やけが起こることもあります。

〇びらん性・ゆう状(いぼ状)胃炎

炎症により胃粘膜表面がえぐれた状態です。
びらん性胃炎の一般的な原因としては、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID:バファリン、イブプロフェン、ロキソニン等)、アルコール、ストレスです。
軽いびらん性胃炎では無症状ですが、悪化すると胃潰瘍に進行することもあります。
胃もたれ、嘔気などの症状、重症の場合は出血して吐血や黒色便などの症状が起こることもあります。

〇萎縮性胃炎

慢性的な胃炎が長期間続くことによって胃の粘膜が萎縮、破壊されてしまっている状態です。
原因はほとんどの場合がピロリ菌感染であるとされています。
その他の原因としては、ストレス、非ステロイド系抗炎症薬、アルコール、自己免疫異常などです。
症状としては、胃痛、胃もたれ、むかつき、げっぷが空腹時や夜間に起こることがあります

さて、今解説した中で、最も注意すべき慢性胃炎はどれだと思いますか?
ここで今回の記事の本題へ入っていきましょう。

 

最も注意すべきは○○性胃炎!

慢性胃炎の中で最も注意が必要なのは・・・
ズバリ!『萎縮性胃炎』です!
萎縮性胃炎はピロリ菌と強い関係があると言われています
それもそのはず・・・萎縮性胃炎の原因となる慢性の胃炎とは、ピロリ菌の感染によるものと考えられているのです。
ピロリ菌は多くの場合は、子どもの頃に感染すると言われています。
子どもの頃にピロリ菌に感染したことが原因で慢性胃炎となり、20年、30年と大人になり胃炎である状態が長期化すると、胃の粘膜が薄くなり「萎縮性胃炎」となるからです。
更に胃の粘膜の萎縮が進行し続けることにより、粘膜に変化が起こり胃がんになると考えられています。
ピロリ菌の感染者は胃がんのリスクは、感染してない人に比べて5倍となるというデータもあります

ピロリ菌は親から子どもに移るとも考えられていますから、両親がピロリ菌の感染者であった場合は自分も感染している可能性があるということになります。
30歳を超えても一度もチェックをしたことがない人は、チェックを受けることをお勧めします。

 

まとめ

どうでしたか?
慢性胃炎の中で最も注意が必要なのは「萎縮性胃炎」でした
特にピロリ菌の感染のある萎縮性胃炎は胃がんのハイリスクですから定期的な胃内視鏡でのチェックが必要になります。

以前に「ピロリ菌感染が分かってもう除菌治療が終わっているから大丈夫」5年、10年と放置をするのも良くありません。
「ピロリ菌が住んでいる胃」の胃がんのリスクが高いのではなく、「ピロリ菌が住んでいたことのある胃」というだけで胃がんのリスクは、ピロリ菌がいない人に比べて各段に高いのです。
そのため、胃内視鏡による粘膜の定期的なチェックが必要です。胃がんは進行が早いため、2、3年と間をあけずに、毎年受けることをお勧めします
とはいえ、胃カメラで苦しい思いをされた方はなかなか決心がつかないと思います。
当院では鼻からの内視鏡を熟練した医師が行っておりますので、楽に検査をしてもらえると思います。
楽に受けられるなら毎年出来ると思いませんか?是非、一度ご相談ください。


新着情報

記事 新着(24時間)

-

コメント 新着(2日)

-

新着メディア (7日)

新着メディアはありません。