潰瘍性大腸炎の偽ポリポーシスって何?
今回は潰瘍性大腸炎のお話です。皆さんは「偽ポリポーシス」という言葉を聞いたことはありますか?
あまり聞き慣れない言葉だと思います。それもそのはず、潰瘍性大腸炎の方の全てに見られる状態ではないのです。
今回は実際の写真と一緒に、潰瘍性大腸炎の偽ポリポーシスについて解説します。
潰瘍性大腸炎の偽ポリポーシスって何?
まず、ポリポーシスとは多発したポリープのことを表します。
潰瘍性大腸炎の他にもいくつかの種類があり、良性の腫瘍として発症しますが、放置してしまうとほとんどの場合で大腸がんの発生に至ります。
それの「偽」ですから、簡単に言うと大腸の粘膜が沢山の大腸ポリープのように見える状態、という事です。実際ではポリープとは違うものということですね。
次は、潰瘍性大腸炎がなぜ発生するのかを解説します。
潰瘍性大腸炎の偽ポリポーシスが発生するのはなぜ?
まず、潰瘍性大腸炎とは腸の中に慢性的に炎症を起こしてしまう病気で、薬を飲んで良い状態(緩解期)を維持しながら付き合っていく病気です。
潰瘍性大腸炎になると大腸の粘膜に炎症が起き、粘膜がただれてしまいます。こうなると、激しい下痢や血便などの症状が出てきます。重症化すると強い腹痛や発熱などを伴う場合もあります。
治療をきちんと続ければ、多くの人は寛解(良い状態)を維持することが出来ますが、継続的に治療が必要です。
治療をせずに潰瘍性大腸炎の炎症が高度になってしまうと、大腸の沿管状変化(大腸のヒダがなくなり、つるつるになった状態)や、偽ポリポーシスとなってしまうのが特徴的です。。
また、クローン病の特徴とUC偽ポリポーシスの所見はとても似ていて判別が難しいです。偽ポリポーシスが認められた場合、クローン病の敷石像との鑑別が必要です。
まとめ
どうでしたか?
潰瘍性大腸炎は診断されたら、治療が必要な病気です。放置すると炎症が重症化し偽ポリポーシスのような状態になってしまします。
潰瘍性大腸炎にとって大切なのは、治療を継続的に行い、病気と付き合っていくことです。
潰瘍性大腸炎は難病ではありますが、血便や粘液便、下痢が多いなど、若い人にも多くなってきている病気です。自分は大丈夫と思わず、このような症状がある方は一度内視鏡検査を受けてみましょう。
また、潰瘍性大腸炎と診断された方は定期的な薬によるコントロールと1年に1度の内視鏡検が必要です。