鎮痛剤と胃薬の関係

印刷用ページ[2020/08/15] 内科
みなさん、こんにちは。横浜市肛門科・皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
皆様は、大きい小さいに関わらず手術等処置を行った際や怪我をしたときに、痛み止めと胃薬を一緒に処方されたことがありませんか?
他にも「ここが痛い」と医師へ症状を伝えたら痛み止めをだされた、という方も多いと思います。
「自分は痛いだけなのに何故胃薬も必要なのかな?」と不思議に思うかもしれませんが、胃の粘膜を守るために胃薬を一緒に出すことも多いのです。
今回は、鎮痛剤と胃薬の関係についてお話したいと思います。

 

痛みの原因は?

まず、痛みの原因について解説をしていきましょう。
痛みには3つの種類があります。もちろん痛みによって原因はことなりますが、鎮痛剤+胃薬がセットで処方されるときは「侵害受容性疼痛」という怪我などによる痛みです。
怪我をする、ということは怪我をした部分の細胞は壊れてしまいます。このような壊れた細胞からプロスタグランジンという「痛み・熱・腫れ」を引き起こす原因物質が作られます。
プロスタグランジンが体内で作られると、神経が過敏になり刺激され、プロスタグランジンの発痛効果を強めてしまいます。同時に体温を上げる作用もある為に熱が出たり、炎症がおこったりもするのです。
ロキソニンやバファリンといった鎮痛剤は、このような症状を抑えることができます。鎮痛剤には、このプロスタグランジンが出来るのを抑える効果があるからです。
この原因物質、プロスタグランジンには胃や大腸などの消化管の粘膜を保護する作用があります。そのため、ロキソニンでプロスタグランジンの生成が抑えられると、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍が起こりやすくなります
そこで、胃薬の出番になります。 


胃の粘膜を守る胃薬

胃薬といっても様々な種類があるので、病気や症状によって使い分けが必要です。
鎮痛剤と一緒に処方をするときは胃粘膜を守ることが目的なので、「胃粘膜保護薬」というタイプの胃薬が処方されます
胃粘膜を守ることにより胃粘膜が傷つかないようにし、胃粘液の量や胃粘膜、血流の量を増やすことで、胃粘膜を正常に近い状態に治します。
通常は、胃潰瘍の治療、急性胃炎や慢性胃炎の改善に用いられますが、鎮痛剤を使うことで起こりうる副作用に対して予防、治療が期待できるわけですね。

当院でよく出す処方の組み合わせとしてはロキソニン(ロキソプロフェン)と共にムコスタ(レバミピド)が処方されます。

鎮痛薬を服用した時は胃薬を一緒に服用し、胃の粘膜を守りましょう!

 
まとめ

どうでしたか?
「処置後の痛みを止めたいだけなのに、どうして胃薬がでるの?」と不思議に思っていた方、「あぁ、そうなのか!」とご理解いただけたでしょうか。
「傷が出来たら痛い」という感覚は人にとって当たり前のものなので、”何故痛みが起こるのか”ということをじっくり調べたり、考えたことはなかったという方もいるかもしれませんね。

まとめると、痛みはプロスタグランジンという物質が原因で、鎮痛剤にはこの物質が出来るのを抑える効果があります
ですが、プロスタグランジンには胃粘膜を保護する機能があるため、これが抑えられてしまうと胃粘膜が傷つきやすくなる…だからそれを補うために胃粘膜を保護するための薬が必要なわけです。

こうして紐解いていくと胃薬を一緒に処方されるのも納得できますよね。

「自分には胃の症状はないし…」と自己判断せずに、セットで処方されたお薬は医師の指示を守り、しっかり服用をしましょう。


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