よくある質問~痔に再発はありますか?~

印刷用ページ[2020/01/15] 肛門科

こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
今回の質問は肛門科の診察や痔の手術後に患者さんからよく聞かれる質問をテーマにお話しをしていきたいと思います。

「先生、手術をしても痔の再発はあるんですか?」
・・・さて、皆さんはどう思いますか?早速回答していきましょう。

 

答えは「再発はありえる」です

「せっかく手術したのに!」と落胆する方も多いかもしれません。
しかし、元々「痔」とは、ほぼ全ての人類が持っているといえるほどポピュラーな病気で、その痔が手術が必要となるまでに悪化してしまう原因の多くは生活習慣です。

例えば、いぼ痔は手術をしてとってしまえば全く同じ場所にいぼ痔ができるということはないでしょう。しかし、同じような生活習慣を送り続けていれば、手術したところとは別の部分にいぼ痔ができてしまう可能性はもちろんあります

切れ痔なら、軟膏を塗って一度傷を治しても、もちろん再発はあり得ます。それは、風邪をひいて風邪薬を飲み、風邪が治ったとしても、またいつか風邪を引いてしまうのと同じことなのです。

ですから、痔の原因となりえる生活習慣があればそれを改善しない限り再発の可能性は十分にある、ということになります。
では、再発しないためにできることはどんなことがあるのでしょうか。


再発しないためには?

先ほども言ったように、痔は生活習慣の影響を受けやすいので、治療を行っても再発しやすい傾向にあります。
つまり、痔を再発させないためには生活習慣の改善が必要不可欠です。特に便秘や下痢の解消は重要です。いぼ痔や切れ痔の場合は特に、慢性化(良くも悪くもならずずっとその状態が続いてしまうこと)してよほど悪化させていなければ、保存的療法と生活習慣改善で治療が可能です。

次のような生活習慣を心がけてみてください。

血行改善

毎日、バスタブでお湯に浸かり、身体を芯まで温めましょう。
夏も冷房で身体が冷えていることが多いため、オールシーズン、バスタブに浸かることをおすすめします。冬は特に足腰を冷やさないように注意してください。また、適度な運動やストレッチをすることで血行を改善させましょう。

姿勢

立ちっぱなし・座りっぱなしは肛門に大きな負担をかけます。デスクワークや立ち仕事の方は、こまめに歩いて血行の悪化を防いでください。
長時間転や飛行機などでの移動の際にも、座りっぱなしで肛門の周りの血行が悪くなりやすいので注意をしてください。

無理にいきまない

10分以上トイレにこもっていきんでいませんか?排便時、習慣的に強くいきんでいると肛門周囲の血流を悪化させ、痔のリスクを上昇させてしまいます。
また、内痔核があると強くいきんだ際に出血を起こしやすくなります。便意を感じたタイミングでの排便が一番スムーズに便を出すことができますので、便意があったら我慢をせずにすぐトイレに行くことを習慣づけましょう。

便秘改善

食物繊維の重要性は知られていますが、水分をたっぷりとることも便秘解消には不可欠です。また、適度な運動も蠕動運動など腸の機能の正常化につながります。乳酸菌などを積極的に摂取して腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)整えるのもおすすめです。

下痢を予防

冷たいものではなく、温かいもの、あるいは常温のものをたくさん飲むようにしてください。足腰を冷やさないよう心がけ、暴飲暴食や刺激の強い飲食物を控えます。便秘と同じく、腸内細菌叢を整えることもおすすめです。

お酒・たばこ

喫煙は血流悪化を招きますので、タバコは控えましょう。アルコールは下痢の原因になりやすいため、控えめな摂取に抑えましょう。

香辛料

唐辛子などの香辛料をとり過ぎると肛門に大きな負担をかけることになります。適量を守り、過剰摂取を避けましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
痔の治療が終わっても、何年も続けてきた生活習慣を直すのはなかなか大変なことですね。ですから、日ごろから心掛けてできる範囲で生活習慣を直していきましょう。
痔の再発はあり得るものですが、自分の努力次第でそのリスクはぐんと減らすことができます。
このブログを参考にぜひ自分の生活習慣を見直してみてくださいね。


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