毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)って何?

印刷用ページ[2019/06/01] 皮膚科・アレルギー科

こんにちは、横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
暑い日が増えてきましたね。体調は崩していませんか?
そんな暑~い夏、半そでの季節になると、二の腕のブツブツが気になって………という方、特に女性に多いのではないでしょうか。
そのブツブツの正体を皆さんはご存じですか?
実はそれ「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」かもしれません。今回は、その気になるブツブツについてお話ししていきましょう。

ブツブツの正体は毛孔性苔癬?

二の腕や背中に広範囲にブツブツと広がる、痛くもかゆくもない、ザラザラとしたサメ肌のような皮膚、それは「毛孔性苔癬」かもしれません。
毛孔角化症とも呼ばれます。見覚えがある、という方もいるのではないでしょうか。
毛孔性苔癬とは、角栓と呼ばれる古い角質や皮脂が毛穴に溜まって、表皮まで盛り上がっている皮膚疾患です。ねじれた毛が含まれていることもあります。
痛みなどの自覚症状はないことが多く、まれにかゆみを感じることがあります。ブツブツは普通の肌の色だったり、赤みがかっていたり、茶褐色だったりします。
色がついていると目立ってしまい気になるという方も多いかもしれませんね。「もしかして私もなってしまうかも!?」と心配になりましたか?では、この毛孔性苔癬はどのような人がなりやすいのでしょうか。
 

なりやすい人と発症しやすい部位

毛孔性苔癬の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、肌のターンオーバー(新陳代謝)の異常によるものと考えられ、遺伝性があるといわれています
10代から30代に多くみられ、美容に関心の高い女性たちを悩ませています。女性だけでなく男性も発症し、敏感肌の方や、肥満ぎみの方にも多い皮膚症状です。
発症しやすい部位は、両腕や背中のほか、太ももの内側やお尻、腰まわりなどで、顔にできることもあります。また、一度できたら消失までには時間がかかります。
 

治す方法はあるの?

治療には以下のような方法があり、それぞれ費用や治癒にかかる期間などに違いがあります。

薬での治療

  • 角質を柔らかくして除去するための、サリチル酸や尿素配合の軟膏やクリーム
  • 乾燥すると角化が進むので、ヘパリン類似物質などの保湿剤
  • 角化の正常化、肥厚改善のためのビタミンD含有剤
  • ビタミンA代謝異常が原因のひとつともいわれているので、ビタミンA含有剤
  • いぼや角化症に効果があるとされるハトムギ(ヨクイニン)や老廃物の排出を促すドクダミ、血流を良くして肌の状態を整える桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方薬

皮膚科で処方してもらうほか、ドラッグストアなどで市販されているものもあります。
治癒までには時間がかかることが多く、治療を継続しないと再発しやすいですが、金銭的負担は少ないです
 

ケミカルピーリング

  • 皮膚に酸性の化学薬品を塗って薄く皮膚をはがし、ふさがった毛穴を開けて、古くなった角質や皮脂(角栓)を除去する方法。

ピーリング中はピリピリした刺激感がありますし、2~3日は赤みが続くことがあります。角質層がはがれ、紫外線が浸透しやすくなるので、日焼け対策と保湿などのアフターケアも大切です。1回の施術で劇的によくなるわけではなく、定期的に通い続けるとよいでしょう
 

ダーマローラー・レーザー治療・医療用レーザー脱毛

  • ダーマローラー : とても細い針がたくさん付いたローラーで皮膚に敢えて傷をつけ、その傷を治そうとする治癒力を利用して肌の再生をしていく治療法。痛みや出血を伴い、しばらく、赤みが続きます。色素沈着が起こることもありますが、徐々に落ち着きます。
  • フラクショナルレーザー : 皮膚にレーザーを当てて目に見えない小さな傷をつけ、その傷を治そうとする皮膚の自然治癒力を利用して、肌の深部から再生を促すもの。
  • アレキサンドライトレーザー脱毛 : 毛孔性苔癬はねじれた毛が毛穴に埋もれていることも多く、医療用レーザー脱毛をすることによって症状改善がみられるとの報告がされているそうです。
それぞれ、施術後の赤みや腫れやかさぶたなどが元の状態に戻るまでのダウンタイムがあり、施術後は、日焼け止めや保湿などのお手入れが必須となります。また保険適用外の治療(自費診療)のため、費用は高額になりますが、治療効果は比較的早いでしょう
 

最後に

どうでしょう?「気になっていたけど症状がないから、まあ良いか!」と放っておいている人も多いのではないでしょうか。
時間はかかりますがいくつかの方法で改善にもっていけるかもしれませんよ。
毛孔性苔癬はニキビやあせも、マラセチア毛包炎などに似ています。ダニに刺されたり、日光過敏症でも似た症状が見られることがあります
こうした他の皮膚疾患の可能性もありますので、正しい治療をするには医師による診断が必要ですので、まずは一度皮膚科を受診することをおすすめします。

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