肺炎は予防と早期発見が鍵!!

印刷用ページ[2019/04/01] 内科

皆さんこんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。

今回のブログは皆さんご存じの「肺炎」についてです。肺炎というと「高齢者の病気」という印象をお持ちの方も多いようですが、実際には若い人や中高年でも発症しやすい病気です。
また、風邪と勘違いしやすい症状のせいで、肺炎と気づかずに放っておいて発見が遅れるケースが多いという特徴もあります
肺炎は予防と早期発見が治療への鍵です。
「マイコプラズマ肺炎」に関しては比較的最近当ブログでも記事にしたばかりですが、改めて、肺炎がどのような病気なのかをお話ししていきましょう。

 

肺炎は国内の死因第5位!どんな病気?

肺炎とは、気管支の末端(空気の通り道)や、肺胞(酸素と二酸化炭素のガス交換を行う場)に、細菌やウイルスなどの病原体が感染し肺が炎症を起こす病気です。細菌やウイルスは、鼻や口から侵入し、のどを経由して肺の中に入り込みます。
健康な人は、この細菌やウイルスをのどでブロックすることが出来ますが、風邪を引いている時や、疲労やストレスなどで免疫力・抵抗力が落ちている場合は感染力に負けてしまうため、のどや気管を通りぬけて肺まで侵入し、炎症を起こしてしまうのです。特に子どもは体力が大人ほどないので、ちょっとしたことで重症化してしまいます。
日本の死因の統計(平成29年発表)では第5位と数年前の3位と比べると順位は落ちますが、それでも全体の7.2を占める病気です。男女ともに65歳以上を過ぎると肺炎で亡くなる人が多くなっている傾向にあります。
さて、肺炎がどのような病気なのかを知ったところで実際どのような症状が出るのでしょう。

 

肺炎の症状と見極め方

肺炎の症状は風邪と勘違いしやすいとお伝えしました。実際にどのような違いがあるのか、風邪と風邪の代表であるインフルエンザと比較してみましょう。

いわゆる"風邪"は、くしゃみ、鼻水、咳、痰、咽頭痛、37℃台の微熱などからなり、80~90%はウイルスが原因です
高熱、悪寒(寒気)、全身倦怠感(全身のだるさ)、筋肉痛などの全身症状は一般的に少なく、同様にウイルスで起こるインフルエンザとの違いでもあります

一方、肺炎では38℃を超える発熱が数日間に渡って持続し、悪寒や全身倦怠感(全身のだるさ)に加え、呼吸困難感や息切れを伴う場合もあり、一般的な風邪とは重症度が違うのです

とはいっても自分ではその判断はなかなかつきにくいものです。こうした風邪と勘違いしやすい症状の肺炎をどうやって診断していると思いますか?肺炎は、いくつかの検査方法によって診断されます。

 

肺炎の検査にはどのようなものがあるの?

肺炎の診断方法は大まかに画像検査、血液検査、呼吸機能検査の3つです。

画像検査:
胸部レントゲン撮影やCTなどの画像撮影を行う。炎症を起こしている部分は白く写し出される。

血液検査:
血液中のCRPや白血球の数、赤沈査(試験管ないで赤血球の沈む速さ)を測定する。
細菌に感染し炎症があると、CRPや赤血球の数は増え赤沈値は高くなる。
血液中の酸素の濃度を測定する。(肺炎では血液中の酸素濃度が低下するため)

呼吸機能検査:
肺活量から肺の膨らみ具合や酸素を取り込む能力を調べる検査で、年齢や体形から求められた平均値と比較して判断し(%肺活量)、呼吸機能の状態(重症度)を測る目安になる。
(※画像検査や血液検査で、肺炎であることが確認できる場合は、呼吸機能検査を無理に行うことはありません。胸の痛みや呼吸苦がある場合は、この検査を受けることは出来ません。)

上記の検査等で肺炎であることが確認できたら、原因の病原微生物によって治療方法が変わるためさらに詳しい検査を行います。「病原微生物って何!?」って思いますよね。要するに肺炎の原因となる小さなウイルスや菌のことです。
こうした肺炎の原因となる病原微生物はどんなものがいるのでしょうか。肺炎のタイプによって3種類が考えられます。

 

病原微生物の種類による分類

肺炎の原因となる病原微生物には、細菌(細菌性肺炎)、ウイルス(ウイルス性肺炎)、その2つの中間的な性質をもつ微生物(非定型肺炎)の3つが考えられます。複数の菌が混合感染している場合もあるんですよ。


病原微生物の種類によって症状も多少違ってきます。細菌性肺炎と非定型肺炎では、咳の状態に違いがあります。またウイルス性肺炎の場合は、急に39℃以上の発熱があるという特徴があります。
肺炎であることが分かったらその原因の病原微生物を調べる・・・こうした検査によって治療方法が変わるため、原因の病原微生物を調べるのはとても重要です。では、どのように調べるのでしょうか。

 

原因となっている病原微生物を調べる検査

検査方には喀痰(かくたん)検査と迅速(じんそく)検査があります。
前者は時間をかけて病原微生物を特定する検査で、後者は時間をかけて病原微生物を特定する検査になります。

喀痰検査:時間をかけて病原微生物を特定する検査
痰を採取し、原因菌を推定する検査です。痰の中に含まれている細菌やウイルスを培養して、数を増やすことで特定しやすくするため結果が出るまで数時間~数日間かかります。

迅速検査:時間をかけて病原微生物を特定する検査
鼻やのどをこすった粘液で、インフルエンザや他の感染症であるかどうかが分かる検査で、数分で結果が出ます。あるいは、採取した尿から、肺炎球菌やレジオネラに感染していないかを推定する検査もあります。どちらの検査も短時間で結果が分かります。

原因の微生物が分かったら次はいよいよ治療です!と、言いたいところですが……まだまだ長くなるので今回の記事ではここまでにしましょう。
次回は肺炎になったらどんな治療をするのか、どんな人がかかりやすく、その予防法はあるのか?などを詳しく解説します。


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