茶色い痕がある?カフェオレ斑ってどんな病気?

印刷用ページ[2018/05/01] 皮膚科・アレルギー科
茶色い痕がある?カフェオレ斑ってどんな病気…
こんにちは、皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は人の体に出来る痣のお話です。
赤ちゃんにあるあざとして代表的なのは、蒙古(蒙古)斑ですよね。小さい頃お尻に青い痣があった方多いのではないでしょうか?
蒙古斑は有名ですので心配する方は少ないと思いますが、青色ではなく茶色い痣があり「これは病気!?」とビックリした経験がある方はいらっしゃいませんか?
今回は、そんな赤ちゃんにできる茶色い痣“カフェオレ斑”についてご紹介したいと思います。

 

カフェオレ斑どんな病気?

カフェオレ斑は名前の通り、飲み物のカフェオレのような茶色い痣のことを言います。生まれたときからすでにある場合と、生後にできて少しずつ大きくなる場合があります。健康な子供の10%~20%にカフェオレ斑があると言われています。
大きさは0.2~20cmと様々で場所を問わず全身にできます。成長の過程で消える場合もありますが、ずっと残ってしまうこともあります。気になる方は、レーザー治療などで薄くしたり消すことも出来るみたいですよ。
原因は、メラニン色素の異常である場合が多いので特に治療は必要ありません。ただし、病気が隠れている場合もありますので注意が必要な場合があります。どんな病気があるのかみてみましょう。

 

カフェオレ斑が関係している病気

◆レックリングハウゼン病(神経線維腫症)

・カフェオレ斑が6か所以上ある(痣の数が5個以下でもレックリングハウゼン病のこともありますが、幼小児期では正確に診断がつきません。)
・カフェオレ斑の痣の数が増えている
上記のような症状がある場合は、レックリングハウゼン病の可能性があります。カフェオレ斑はその中のI型に見られる症状のひとつです。

児童期~思春期前後に、体の様々な部分に数mm~数10cmにわたる軟らかな皮下腫瘤(神経線維腫)が現れてきます。皮下腫瘤が無数に増える場合とゆっくり増える場合があり、悪性化すると致命的です。
最初に挙げた2つの症状以外にも下記のような症状が出ていると、レックリングハウゼン病が疑われます。
・ わきの下や鼠径部(足の付け根から太ももにかけて)にそばかす状のあざがある
・ 眼球に小さな発疹が2つ以上ある
・ 皮膚にやや紫がかった箇所がある
・ 骨病変による手足のしびれや痛みが起きる、または骨折しやすい
・ 視野や視力の低下 etc…

治療法

残念ながら、現時点で根本的な治療法はありません。
そのため症状に応じた治療が行われています。皮膚の病変であれば皮膚科や形成外科、発達や成長に関することは小児科など担当の先生と相談して治療法を決めていきます。
重症であれば国から難病指定を受けているため、医療費の補助を受けることができます。

 

◆マッキューン・オルブライト症候群

・カフェオレ斑の数は多くないが、体の片側に集中してカフェオレ斑が出ている
カフェオレ斑が出ているという症状の他にも下記のような症状がでることがあります
・低身長や通常よりも早く陰毛が生えたり、月経が始まる(思春期早発症)
・線維性骨異形成(特に頭蓋骨の変形、骨折しやすい)
・難聴がある
上記の症状が現れている場合、マッキューン・オルブライト症候群が疑われます。

治療法

発症率は、10万~100万人に1人と決して高くはありませんが、原因はわかっておらず、こちらも現在根本的な治療法がないのが現状です。
対症療法として骨の変形や骨折の状況に合わせて手術を行ったり、ホルモンの分泌を抑えたりといったことが行われます。

 

まとめ

赤ちゃんにカフェオレ斑があると、よく見る青いものではないのでびっくりするかもしれません。成長の過程で消失するものもありますが病気が隠れていることもありますので、カフェオレ斑以外にも症状があるときは一度は皮膚科を受診するのが良いでしょう。心配であれば定期的に病院に行くことで、病気の早期発見につながります。


新着情報

記事 新着(24時間)

-

コメント 新着(2日)

-

新着メディア (7日)

新着メディアはありません。