大きく分けて3タイプ!あなたの頭痛はどれ?
こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんはズキズキ、ガーン、ギューッという擬音語を聞くと何を思い浮かべますか?
…そうです!“頭痛”です。
15歳以上の日本人のうち、3人に1人は「頭痛もち」で、3000万人以上が悩んでいるといわれています。 これほど身近にあると、「頭痛くらい」と軽く考えられがちですが、ひどくなると生活に支障をきたす場合や、命にかかわる病気が隠れていることもあります。
頭痛と一言で言っても、その原因は様々で、それによって予防法や対処法が大きく異なるため、一歩間違えればかえって痛みが悪化するなど、逆効果にもなりかねません。そこで、今回は頭痛の種類・原因別予防法・対処法についてお話したいと思います。
頭痛の種類
まず、頭痛は痛みの起こり方によって大きく「日常的に起こる頭痛」、「慢性的な頭痛」、「脳の病気に伴う頭痛(危険な頭痛)」3つのタイプに分けることができるというところからお話しします。
一つずつその頭痛の特徴をみていきましょう。
◎慢性的な頭痛
→いわゆる「頭痛持ち」の頭痛で、頭痛全体の約80%がこのタイプです。この中でまた大きく「片頭痛(へんずつう)」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」の3つに分けられます。原因となる他の病気がなく、繰り返し起こる頭痛です。
- 片頭痛・・・片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つように「ズキンズキン」と痛むのが特徴です。頭蓋骨内の血管が広がり、炎症を起こしたためと考えられています。光や音に敏感になったり吐き気を伴います。一部の方ですが、頭痛の前兆として視野の中に光があらわれることもあります。
- 緊張型頭痛・・・後頭部を中心に頭全体が締め付けられるような重苦しい痛みです。最も多くみられる頭痛で、年齢や性別を問わず、誰もが発症する可能性のある頭痛です。精神的なストレスや長時間のデスクワークなど同じ姿勢を続けたことによって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張してしまうことで起こります。
- 群発頭痛・・・左右どちらかの目の奧や周囲に症状が出ます。上あごのあたりや頭の片側へと広がっていき、目をえぐられるように激しく痛むのが特徴です。一度症状が出始めると、1~2ヶ月間、毎日同じ時間に頭痛があらわれるようになります。患者の多くが男性ですが、その数は少なく、まれなタイプと言えます。
◎日常的に起こる頭痛
→風邪や二日酔いなどが原因で起こり、その原因が解消されれば自然に治る頭痛です。
◎脳の病気に伴う頭痛(危険な頭痛)
→くも膜下出血や脳出血など他の病気が原因で起こる頭痛で、急激に激しい痛みがあらわれることがあります。このタイプは生命にかかわることもあるので注意が必要です。
頭痛を3タイプに分けた中の80%が慢性的な頭痛で、その中でも更に「片頭痛(へんずつう)」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」の3つに分かれるわけですから、思っていたよりも頭痛って深いんだなぁ…と思われた方もいるかもしれません。では、この慢性的な頭痛の原因と予防法はどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
原因別予防法
◎片頭痛
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頭痛日と環境をチェックする
→例えば人ごみや睡眠不足など、自分がどのような環境が重なったときに片頭痛が起きるかを記録しておき、そうした環境を避けることにより予防できます。
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週末の寝だめは避ける
→寝不足、寝すぎ、疲労、空腹など体のストレスは片頭痛の原因となるので避けましょう。特に週末の寝だめや2度寝は、空腹と寝すぎが重なって片頭痛を重くするので要注意です。
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頭痛の誘発食品を控える
→チョコレート、チーズ、ハム、ヨーグルト、赤ワインなど片頭痛を誘発するといわれる食品の摂り過ぎには注意しましょう。
◎緊張型頭痛
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長時間同じ姿勢をとらない
→長時間同じ姿勢でいることも頭痛の原因に繋がります。同じ姿勢で長時間の作業をしないようにしましょう。
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肩・首の血流を良くする
→デスクワークなどが続き、長時間同じ姿勢でいたため肩や首が凝ってしまうことも頭痛の原因となります。そのような時は以下のような簡単なストレッチをこまめに行い、首や肩の筋肉の緊張をほぐしましょう。
1.両肩を上げてストンと落とす
両肩をキュッと上げて、ストンと落とします。力を入れすぎず、自然な状態で10~20回程度行います。
2.首を左右に倒す
左手を頭にのせて、右肩の力を抜いて左側へゆっくりと首を倒します。反対側も同様に。左右とも5~10回程度ずつ行います。
3.イスに座って前屈
イスに浅く腰をかけ、脚を前に伸ばします。両肩の力を抜いてリラックスしながら、首を前にゆっくりと倒します。5~10回程度行います。
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枕の高さを調整
→高すぎる枕、柔らかい枕は首の負担になり、知らず知らずのうちに筋肉を緊張させることになります。高すぎず、柔らかすぎない自分に合った枕を選ぶことで予防に繋がります。
◎群発頭痛
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薬物療法
→群発頭痛では通常、痛みの起こる時刻がほぼ一定していて、特に明け方が多いようです。このようなケースでは、発作期間中、就寝前にエルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤を飲むことで睡眠中の頭痛を予防できる場合があります。
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日常生活
→群発頭痛は、飲酒やタバコなどが誘因になると言われています。群発期間は禁酒を守り、喫煙も控えて下さい。また、気圧の急激な変化は血管を拡張させたり、神経を刺激して頭痛を引き起こすことがあります。日常生活の中で、頭痛を誘発する可能性のあるものをできるだけ取り除くことを心がけましょう。
対処法
◎片頭痛
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冷やすのは〇、温めるのは×
→冷たいタオルなどを痛む部位に当てると、血管が収縮して痛みの軽減に役立ちます。一方、入浴やマッサージなどは血管を拡張させるので痛みが増すことになり逆効果になりますので注意が必要です。
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静かな暗い場所で休む
→頭痛の最中に体を動かすと痛みが増し、光や騒音でも痛みはさらに増してしまいます。できるだけ、静かな暗い場所で横になりましょう。
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カフェインを適量摂取する
→コーヒー、紅茶、日本茶に含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、早期に飲むと痛みが軽減します。ただ、連日の過剰摂取は逆に頭痛を誘発するので注意しましょう。
◎緊張型頭痛
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温めて、こりをほぐす
→マッサージ、蒸しタオル、半身浴などで温め、首、肩の筋肉のこりを取り、血行をよくしましょう。上記で紹介したストレッチも効果的です。
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気分転換をする
→頭痛が始まったら、心身にストレスを加えていることを中止し、例えばその場所から離れるなどして、早めに気分転換をしましょう。
◎群発頭痛
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純酸素吸入法
→医療用の酸素ボンベからマスクで純度100%の酸素を吸って痛みを緩和できます。痛みが出たらできるだけ早く吸入することがポイントで、5分くらいの吸入で、症状が和らぐと言われています。
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薬物療法
→「スマトリプタン」という注射を打つと痛みを抑えることができます。2008年4月からは自分でも注射できるようになり、保険適用が認められている薬剤です。スマトリプタンには点鼻液もありますが、注射に比べると効果が出るまでに時間がかかります。また、2017年6月現在は保険適用外のため自費扱いになります。
群発頭痛は発作時の痛みが非常に強いため、頭痛専門医に相談することをおすすめします。
最後に
身近な「頭痛」にもいくつかの種類とその対処法などをご紹介しました。みなさんを悩ます頭痛はどのタイプでしょうか?頭痛のタイプ別に症状や原因を知ることで、適切な対処や予防が可能になります。
それぞれのメカニズムを知り、日頃から日常生活にも気をつけ、頭痛と上手く付き合っていくことが必要です。
突然見舞われる強い頭痛はもちろんのこと、安静にしていても治まらない、あるいは繰り返し起こる頭痛が徐々にひどくなるような場合は他の病気が隠れていることがあります。そのような時は我慢せずに、必ず医師の診察を受けましょう。