ホルター心電図は長時間の心電図です。

印刷用ページ[2017/05/15] 内科

こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。

皆さんは「ホルター心電図」というものをご存知ですか?

普通の「心電図」なら、健康診断で受けた方もいらっしゃると思いますが、「ホルター心電図」は全く別のものです。

今回はこの「ホルター心電図」についてお話させていただこうと思います。

 

心電図とは?

まず、ホルター心電図について知る前に、普通の心電図についてお話しましょう。心電図と聞いて皆さんは何を想像するでしょうか?

皆さんもよく知っている通り、心臓は休みなく動き続けている臓器です。成人の心拍数は1分間に約70回、1日にすると約10万回も拍動を続けているのです。心臓はその収縮や拍動を行うために、電流を流しています。それを記録したものが心電図と呼ばれるものです。

 

心電図でどんなことがわかるの?

心電図では、心臓で起きている出来事が波形として目に見える状態で明確に現れます。

心臓の拍動が正常かどうか、心筋の状態がどうであるかを判断するのに有効な検査なのです。よく『不整脈』とひとくくりに言われますが、不整脈にも実は何十もの種類があるんです。

心電図を読み解くと、どんな不整脈が起きているのか、またどのような段階なのか、などがわかるのです。

 

心電図の種類

実は心電図検査と言ってもいくつかの種類があります。

モニター心電図、十二誘導心電図、負荷心電図、そして、ホルター心電図…等です。

一般的に心電図と言うと安静時心電図(十二誘導心電図)のことを指し、これは健康診断などで行われる、手足、胸部に電極を付けて行う検査です。実際に心電図を受けた方はご存じだと思いますが、検査自体はほんの数分で行うことが出来るんです。

では、一般的に行う安静時心電図と今回のお話の主役である「ホルター心電図」はどのように使い分けるのでしょうか。

 

ホルター心電図の出番はどんなとき?

例えば、皆さんが「動悸がする」「脈がとぶ」「胸が痛い」などの症状を自覚して病院を受診したら、まずは普通の安静時心電図検査を行うことになるでしょう。

しかし、病院についたころには症状がおさまっているなんてこともありますよね。病状によっては安静時心電図検査を行っても、その検査を行う数十秒の間に心電図の変化を捉えることができるとは限らないのです

そのようなときに診断のため行われるのが「ホルター心電図」です。

ホルター心電図は、長時間、小型軽量の装置を身につけて、日常生活中の心電図を記録して解析する検査です。不整脈や冠動脈が痙攣する冠攣縮性狭心症は、労作と無関係に夜や早朝に多く見られます。このため、短時間の安静時心電図等では診断がつかないこともあり、長時間にわたり記録し続ける「ホルター心電図」を行うのです

 

ホルター心電図の目的

ホルター心電図では日常生活で不整脈や心筋虚血が起きるかどうか、あるいは症状が心臓に起因するのかどうかがわかります。また、最高・最低心拍数や不整脈の種類、数、発生時間や心拍数との関係などから、不整脈の診断やペースメーカーの機能評価、薬物治療効果を判定することもできるんです。

 

ホルター心電図の検査の方法

胸に数か所シール状の電極を取り付け、記録器(腰に固定)を携帯します。装着したら帰宅し、普段通りの生活を送ります。ただし、機械がついていますので、入浴やシャワーは入れません。

参考のために、検査中の行動や自覚症状などもメモに記載します。もし、ホルター心電図に携帯中に動悸や自覚症状があった場合には、心電計についているイベントボタンを押します。解析の際に、その時刻や症状と心電図を対比させます。

こうして普通に生活を送り、丸1日経過したら来院し装置を取り外します。記録された心電図はコンピュータで解析し、診断をします。

 

最後に…

「想像していた心電図の他に、ホルター心電図なんてものがあるのか!」なんて思われた方もおられるでしょう。

あまり馴染みのある検査ではありませんが、1度来院しただけではわからないことも、こうして持ち帰り検査?のような少し変わった検査で診断していくこともあるということを知ってもらえたらと思います。家に帰っても検査が続いているなんて、なんだか宿題みたいですよね(笑)

動機や息切れなど、胸部症状があっても、すぐにおさまるとなかなか病院に行くまでに至らないかもしれませんが、不整脈の中には見過ごしてはいけない種類のものもあります。

気になる症状があるようであれば一度、当院にご相談くださいね。


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