採血でアレルギーを一斉にチェックできます

印刷用ページ[2016/09/01] 皮膚科・アレルギー科

こんにちは。横浜市にある、胃・大腸内視鏡検査・日帰り手術のららぽーと横浜クリニックです。

急に鼻水やくしゃみが出る、目が痒い、手や足・体幹などが痒く赤くなってしまったなど、季節の変わり目や環境の変化、食事やその日の体調によってもでたりでなかったり…このような症状がでたことがある方は多いのではないでしょうか。このような症状でアレルギー科を受診される方は年齢や季節を問わず多いです。その際、医師より〝アレルギー採血〟を勧められることがあると思います。

「アレルギー採血なんてやったことがない、ほんとうに必要なの?」「ただ薬が欲しくて来ただけなのに、採血しなきゃいけないの?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんなアレルギー採血についてお話しします。

 

アレルギーとは?

私たちの身体の中では免疫機能が働いています。免疫とは身体の中に侵入してきた病原体や異物(=抗原)に対して攻撃・排除を行う自己防衛機能です。このような機能を司っているのが血液の中の白血球です。白血球の中にはまた様々な種類の血球がそれぞれの役割を担っているのですが、それはまた別の機会にお話します。

抗原が侵入した際、免疫はその抗原に対して抗体と言われる武器のような物を作り記憶します。そのため、次に同じ抗原が侵入してもすぐに退治できるというわけです。

しかし、このような免疫反応が過剰に起こり身体にとって有害となってしまう事があります。その原因のことをアレルゲン、過剰な免疫反応のことをアレルギーと呼びます。

 

アレルギーの原因は?

アレルゲンは人によって様々でアレルギーについては未だに解明されていないこともあります。生まれながらに食物アレルギーであったりアトピー性皮膚があったり、大人になってから花粉症や喘息になったり…いつ発症するかもなにがアレルゲンで症状がでるのかも、人それぞれです。

ですが、アレルギーには免疫の中の非特異的IgE抗体が強く関係していることが分かっています。

IgE抗体とは喘息や花粉症・じんま疹・アトピーなどの即時型アレルギーを引き起こす免疫で、通常の正常値は170以下とされています。この量が多ければ多いほどアレルギー体質と言えます。

 

アレルギー採血で自分の身体を知ることができる

アレルギー採血によって自分自身の身体のことをより詳しく知ることが出来ます。当院で行っているアレルギー採血では一般的にアレルギーの原因であることが多いとされる39項目のアレルゲンと非特異的IgE抗体の量を調べることが出来ます。

検査の出来る項目の一例として、ダニなどのハウスダスト系、スギ・ヒノキなどの吸入系、卵や牛乳大豆などの食物系が挙げられ、全項目各々に対しクラス0~6までの7段階で評価が出来ます。そのアレルゲンの7段階評価の数字が大きければ大きいほど重症となります。

アレルギーの治療をしていくうえで、自分の身体が何に合わないのかを知ることはとても重要なことなんですよ。

※クリックで拡大します

 

生活の指標になる

なぜ、自分のアレルギー体質を知ることがなぜ重要なことなのか。その答えの一つは、​何に気を付けて生活をすればいいのかを知ることが出来て、生活の指標になるからです。

症状の原因にアレルギーを疑い採血をすることが多いですが、評価の数字が高いアレルゲンが出た場合には、それらから離れることが症状の改善に繋がります。特に、食物アレルギーであれば、その食べ物を摂取しないことがアレルギー症状を引き起こさないための対策になりますから、自分のアレルゲンを知ることはとても重要なことなんですね。

逆に、アレルギーを疑って採血をしたけども、ほとんどの項目が正常範囲内であり、反応が出ていてもクラス1程度である人ももちろんいます。そんなとき「この採血は無駄だったなぁ…」なんて思わないでください。その結果はアレルギーを否定する結果ですから、食べ物であれば安心して食べることが出来るわけですから、役に立つ良い結果だったといえます。

当院のスタッフ自身も、何にアレルギーがあるのか知りたくてアレルギー採血を受ける方も多く、自分の採血結果に驚いたり納得したりしています。自分が大丈夫だと思って口にしていた物がアレルギー反応を示していたり、飼っているペットに対してアレルギー反応があったり…採血結果を知ることで症状の原因に繋がることがあります。

 

まとめ

アレルギー採血の必要性、わかっていただけましたか?

アレルギーを放っておくと思わぬことでアナフィラキシーショックで命を落とすこともあります。アレルギー症状が出た際に薬などで対処することも大切ですが、それで「おしまい」にしてしまっていると、いつでも同じ事が起こる可能性があります。自分自身のアレルゲンを把握して、できるだけ回避し、アレルギーを予防していくことが大切です。

自分のアレルギー体質を知ることは自分の身体を知ること。つまり、自分がどのようにこの先を生活していくかを見直せるチャンスでもありますね。お薬を出して「はい、終わり。」という診療ではなく、検査を行って、症状に潜む本質的な病態や具体的な原因まで出来る限り探ったうえでお薬を出しながら治療をしていくことが私たちの診療スタイルです。

※当院ではスギ花粉症がアレルギー採血等で確定診断された場合、花粉症の根本治療だるスギ花粉症に対する舌下免疫療法を行うこともできます。

採血の結果は採血後1週間~10日後程度で結果がでます。(一般的な採血に比べて項目数が多いので時間がかかります)採血代は3割負担で約7000円前後とやや高額ですが、1度調べておけばしばらくは再検の必要はありません。(体質は変化していくこともありますので、当院は3年を目安に再検をしています

当院では診療時間内であればいつでもアレルギー採血をすることが可能ですので、気になった方はぜひアレルギー科をご受診ください。


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