こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
早速ですが、今回は前回の続きで尿路結石のお話です。
前回は尿路結石の種類など、尿路結石がどんな病気なのかを解説しました。今回の記事では、尿路結石の診断方法や予防法について解説をしていきます。

 

尿路結石の診断方法

尿路結石は主に問診、尿検査、画像診断によって診断が行われます。

問診 … 診断の参考にするために今までの病気や患者さんの症状を詳しく聞くことです。
尿検査 … 一般的にまず行われる検査です。尿中の成分を調べ、血尿の有無、細菌の存在、結晶の有無などから診断を行います。
画像診断 … レントゲン検査(腎尿管膀胱単純撮影(KUB))・CT・超音波検査・静脈性腎盂尿管撮影(IVP・DIP)などがあります。約90%の結石はレントゲン検査(KUB)で確認ができます。

尿路結石は、こうした痛みを伴わない簡単な検査で診断を行うことが出来ます
検査等で尿路結石と診断されたら、その後はどのように治療していくのでしょうか。

 

尿路結石症と診断されたら…?

治療方法は結石の大きさによって大きく2つに分かれます。

1.自然排石を促す

結石が尿路を通過できるくらいのそこまで大きくないサイズの場合は、尿と共に自然に出ていく可能性が高いため水分摂取(尿の量を増やす為)と治療内服薬で治療を行います
治療薬は結石を溶かし、結石が大きくなるのを防ぐ効果のもの(ウロカルン)、排尿を促すもの(ラシックスやイソバイドなど)を使用します。
また、結石による痛みがある場合は、鎮痙剤(ブスコパンなど)や鎮痛剤(ロキソニンなど)も一緒に服用します。

 

Ⅱ.手術によって結石を取り除く

結石が尿路より大きかったり、長期間自然に結石が出ていかない場合には結石を砕いて取り除く手術が必要となります。
体外から衝撃波を結石に当てて砕き排石させるESWL(体外衝撃波結石破砕術)や内視鏡を尿路に挿入し、レーザーによって体内で結石を砕いて直接取り除くTUL(経尿道的尿管結石破砕術)などが主な治療法ですが、特に大きな腎結石に対しては、直接腎臓に腎瘻と呼ばれる管を通してレーザーによって結石を砕いて取り除くPNL(経皮的腎砕石術)が行われることもあります。

・・・手術方法は多々ありますが、できれば受けたくないですよね。尿路に内視鏡を挿入するなんて考えるだけでゾッとします。
こうならない為にも尿路結石をつくらないためはどうしたらいいの?という疑問が出てきますね。
最も大切なのは生活習慣の改善です。

 

尿路結石をつくらないためにはどうすればいいの?

尿路結石にならないために最も大事なことは生活習慣の改善です。

①水分摂取量を増やす

体内の水分量が不足した状態が続くと、尿が濃縮され結石が作られやすくなります。普段からあまり水分を摂らない人や汗をかきやすい人、また夏場は特に脱水状態になりがちですので、特に注意が必要です。目安としては、1日1.5~2リットル程度(性別や年齢、体格によって多少の上下あり)が推奨されています。
ただし、紅茶やコーヒーなどには結石の主成分の一つであるシュウ酸が含まれているため、できるだけ避けましょう。また、アルコール類はかえって脱水を促すので過剰摂取は禁物です。

 

②バランスの良い食生活

結石は尿中にシュウ酸やカルシウムなどの老廃物が増えすぎることが原因です。つまり、これらの尿中への排出量を減らすことで、結石の予防につながります。
例えば、ほうれん草・キャベツなどの葉菜類やさつま芋・大根などの根菜類、筍、チョコレートなどたくさんの食品にシュウ酸が多く含まれています。普段からこのような食品を摂取している人は少し控えてみると良いでしょう。
また、乳製品や緑黄色野菜などカルシウムを多く含む食品を適度に摂取すること尿中に老廃物が排出されるのを防ぐうえではとても重要です。多くの結石の主成分であるカルシウムの摂取量を減らすのではなく増やすというのはなんだか変な感じがしますよね。
しかし、シュウ酸はカルシウムと結合しやすく、さらに結合すると水に溶けにくくなるという性質があります。そのため消化管内をそのまま通ることによって便として一緒に排出されてくれるのです。

 

③適度な運動

尿路結石の中には尿酸を主成分としているものもあります。つまり尿酸濃度が高い状態が続くとそれだけ結石の作られるリスクも高まるのです。尿酸値が高い状態のことを“高尿酸血症”といいます。これは高血圧症や糖尿病と同じく生活習慣病であり、その改善の為に最も重要なことの一つが有酸素運動(ウォーキングや水泳など)です
特にウォーキング(昇降運動)やジョギングなどの体が上下に動くような軽めの運動をすると結石が砕けて自然排石もされやすくなります。適度な運動は結石が小さく症状が出てくる前に排石される効果が期待されるのでおすすめですよ。普段あまり運動をしない人は、できるだけ階段を利用するなどちょっとしたことから始めてみましょう。

 

最後に…

いかがでしたか?。
尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿に関係のある器官に結石がある状態です。
無自覚、無症状の場合もあれば、排尿障害や血尿、腰背部や腹部に激しい痛みを引き起こす場合もあります。基本的に生死に関わるような病気ではありませんが、尿の流れが悪くなり、細菌感染を起こすと腎盂腎炎になったり敗血症という命に関わる病気を引き起こす場合もあります。
ららぽーと横浜クリニックでも、尿検査やレントゲン撮影、超音波検査による尿路結石症の診断および投薬治療を行っています。
早期発見、早期治療が大切ですので気になる方は一度お気軽にご相談ください。