みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは、『胃薬』を使ったことはありますか?
胃痛・胃のむかつき、胃もたれ等の症状は多くの人が経験をする症状です。
病院に行かずとも、市販薬で手に入るものもあるので、助かっているという人も多いかと思います。
胃薬、とはいっても胃薬にも様々な種類があります。今回は、胃薬の種類と使い分けについて解説していきます。


胃薬の種類

胃薬には様々な種類があり、それぞれ異なる胃の問題に対処できます。
一般的には以下のようなものが使われます。


制酸剤

胃酸の分泌を抑える薬です。
胃酸関連の問題(口が酸っぱくなる、胃酸がこみあげてくる等の症状)や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療に使用されます。
代表的な制酸剤には、プロトンポンプ阻害薬(商品名:タケプロン、ネキシウム、パリエットなど)やH2受容体拮抗薬(ガスター、アシノン、ザンタックなど)があります。


消化剤

胃液や腸液などに含まれる酵素と同じような成分が含まれており、消化を助ける働きがあります。
それぞれの消化酵素が分解できる食物は種類が限られているため、複数の消化剤が配合されていることがほとんどです。
食べすぎ、消化不良、食欲不振の時に使用します。
代表的な消化剤には、エクセラーゼ配合錠などがあります。


胃粘膜保護・修復剤

胃の粘膜を保護し、粘膜の修復するための薬剤です。
胃粘膜などの「胃の防御因子」、胃酸などの「胃の攻撃因子」のバランスが保たれていると胃の動きは正常です。しかし、何らかの原因により、攻撃因子の方にバランスが傾いてしまうと、胃の粘膜を傷つけてしまい、胃痛や胃潰瘍となります。
胃粘膜保護薬は、こうした崩れてしまったバランスをもとに戻すために、防御因子をサポートする働きがあります。
代表的な胃粘膜保護薬には、ムコスタ、セルベックス、ガストロームなどの種類があり、薬剤ごとそれぞれの作用により、防御因子を高める働きがあります。


鎮痛鎮痙剤

過剰な胃酸分泌や、胃の緊張による胃の痛みを抑えます
胃の活動を支配している副交感神経を遮断する効果があり、胃が差し込むように痛いときに使用されます。
代表的な鎮痛鎮痙剤には、ブスコパンやチアトンなどがあります。


制吐剤

吐き気や嘔吐を抑えるための薬剤で、胃腸炎や嘔吐があるときなどに使用されます。
代表的な制吐剤はには、プリンペランやナウゼリンなどがあります。


一口に「胃薬」と言っても、実際にはみなさんが想像するよりも多くの胃薬があったんじゃないかな、と思います。 では、このように様々な種類の胃薬をどのように使い分けるのでしょうか。


胃薬の使い分けはどうやるの?

様々な成分、種類のある胃薬をどのように使い分け出るのか?
ズバリ、「症状と診断に応じて」です。
・・・そのまますぎると思われるかもしれませんが、胃の症状・病気は1つではないので、それに合わせて適切な薬を選ぶことが、薬物療法の大前提です。

少し胃が痛い、食べすぎ・飲みすぎで胸やけがする・・・と言った場合には、今はコンビニや薬局で簡単に薬を購入できます。
病院のやっていない夜中等は、市販薬で助かったという方も多いのではないでしょうか。
自分で薬を選ぶときには、「症状」に合わせて薬を選ぶことがポインです。

しかし、症状に合わせて市販薬を使ってみたけど、なかなか良くならない…例えば3、4日~1週間以上症状が続くようであれば、一度早めに医療機関を受診しましょう。
薬局でも胃薬は買えるのに、わざわざ病院に行くことには一体どのようなメリットがあるのでしょうか。


病院で診察を受けるメリットは?

症状の度合いや症状の出ている期間が長い場合によっては、胃カメラなどで直接胃の粘膜を観察をする必要があります。
医師の診察により「診断」がつけば、それによって処方できる薬剤の選択肢が広がることがあります
これが、最大のメリットといえるでしょう。
薬局やコンビニで買える市販薬は、病院を受診せずに簡単に購入することができますが、数ある胃薬の中から限られた薬だけが販売されています。

ずっと続く胃痛の原因は胃潰瘍かもしれません。
胃カメラで胃潰瘍が見つかれば、胃潰瘍の治療薬を処方できます。
胃カメラをしてみても、大きな病気は見つからないかもしれません。
それでも症状が続く場合は、機能性ディスペプシアと診断されるケースもあります。

胃痛や胸やけくらいで胃カメラなんて・・・と思われるかもしれませんが、病気が見つかれば治療法が明確になる、薬局で購入できない薬で治療できる、のは病院だけです。


まとめ

いかがでしたか?
胃の症状が様々なように、それに合わせて胃薬にはこんなにも沢山の種類があります。
ポイントは「症状」にあった胃薬を選ぶこと。そして、症状が長引く場合は、我慢せずに医療機関を受診することです。

忙しい現代人にとって、コンビニや薬局で購入できる胃薬は本当にありがたいものですね。
病院に来る時間が惜しいと思われるかもしれませんが、症状が続くのであれば、我慢せずに医療機関を受診しましょう。