みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは、腹痛の経験はありますか?・・・「ない」と答える人の方が少ないほどありふれた症状の1つですね。
ここ3か月の間に月に3日異常にわたり、お腹の強い痛みや不快感が繰り返し起こり、排便によって症状が和らいだり、排便の回数や形が変わるなどといったことはありませんか?
どれか一つでも当てはまれば、過敏性腸症候群の可能性があります。
今回は、過敏性腸症候群について、次回は、過敏性腸症候群のタイプについて、2回にわけて解説していきます。


このような症状で悩んでいませんか?

症状としては誰もが経験したことがあるかもしれませんが、ポイントは「こうした状態が長期間続く」ということです。
上にあげた症状が1つ、または複数当てはまる場合には過敏性腸症候群が疑われます。
では、具体的に過敏性腸症候群とはどんな状態を表すのでしょうか。


過敏性腸症候群とはどんな状態?

過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome :頭文字をとりIBSとも呼ばれます)は、大腸に潰瘍や腫瘍、癌などの明らかな異常がないにもかかわらず、下痢あるいは便秘などの便通異常と腹痛、腹部膨満感などのお腹の症状がある状態です。
日本における有病率(病気を持っているの割合)は10~20%とされています。
現代の社会の複雑化、ストレス増加によって、その症状に悩む人が多く、注目されています。
統計上は、10人に1人程度が過敏性腸症候群に悩まされていると考えられており、その予備軍である「下腹部痛」の症状がある人は6人に1人ともいわれています。
男性より女性の方が多く、年代別では特に20~40代の方に多いと言われています。


過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群は、様々な原因によって発症することが考えられており、原因ははっきりしません。
ただ、過敏性腸症候群の発病、または悪化の原因としては、身体的・精神的ストレスが大きく関与していると考えられています。
生まれつきの性格、あるいは育った環境などにより、病気の元が形成され、腸が敏感になります。そこに身体的・精神的ストレスが加わり、腸の機能に異常が発生します。
では、過敏性腸症候群はどのように診断するのでしょうか。


過敏性腸症候群の診断方法

過敏性腸症候群は、大腸に症状の原因と考えられる明らかな病気がないにも関わらず、腹痛を伴う下痢や便秘などのお腹の症状がある状態だとお話をしました。
過敏性腸症候群によって引き起こされる症状は、「過敏性腸症候群」特有の症状ではないからです。ですから、確定診断には検査が必要です。
内視鏡検査を行い、癌などの重篤な病気でないことを確認する必要があります。
過敏性腸症候群は若い年齢層の人にみられますが、若いから病気がないとは限りません。
そのため、検査をせずに治療を始めるのは、何か病気があったときにその病気を見逃してしまうことに繋がります。
年齢に関係なく、きちんと検査をしたうえでなにも異常がなかった時に、初めて過敏性腸症候群と診断ができるのです。


さいごに

いかがでしたか?
今回は、過敏性腸症候群の原因と診断方法についてお話をしました。
腹部の不快感、お腹の張り感、突然の激しい腹痛、そして下痢や便秘などの症状が、月に数回ある場合は、過敏性腸症候群を疑います。
過敏性腸症候群は、明らかな病気がないのに、先ほど挙げたような症状が続く場合に診断されます。
ですので、内視鏡検査などの検査があっての診断となります。
比較的若い年齢層の患者さんが多いのが特徴ですが、若いから検査もなしに過敏性腸症候群だと決めつけるのは良い方法とは言えません。
過敏性腸症候群の確率が高いとしても、炎症性腸疾患、癌などの病気は検査をしてみないとはっきりと否定ができないのです。
こうした症状が続く方は、是非一度消化器科の医師に相談することを考えてみてくださいね。

次回は、過敏性腸症候群のタイプ、そしてその治療法についてお話していきます。