皆さん、こんにちは。横浜市アレルギー科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは、「アナフィラキシーショック」という言葉を聞いたことはありますか?

「蜂に刺されて…」など、近年ではよく耳にするかもしれません。
アナフィラキシーショックは命の危険を伴う急性のアレルギーです。
今回はアナフィラキシーショックについて解説します。

 

アナフィラキシーとはどんな病気?

アナフィラキシーは、発症後、きわめて短い時間で全身に現れる激しいアレルギー症状です。
主にアレルギーの原因物質に触れる、食べる、飲む、吸い込むことで引き起こされ、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器などの複数の臓器や全身に現れます。

アナフィラキシーの症状は様々ですが、代表的な症状としては…

■皮膚の症状

最も多く、蕁麻疹(じんましん)、赤み、かゆみなど

呼吸器の症状

くしゃみ、咳、ゼエゼエ、息苦しさなど

粘膜の症状

目のかゆみ、唇の腫れなど

消化器の症状

嘔吐、腹痛など

循環器の症状

血圧低下など

こういった症状が挙げられます。
このアナフィラキシーによって、血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かすような危険な状態になることもあります
この危険な状態のことを、アナフィラキシーショックと言います。

とても怖いアナフィラキシーですが、一体何が原因なのでしょうか。

 

アナフィラキシーの原因

アナフィラキシーの原因は食べ物が最も多く、続いて鉢などの昆虫、薬物となっています。

■食べ物

鶏卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなど、特定の食べ物を食べたときに起こります
子供から大人まで幅広い世代で見られますが、特に乳幼児に多くみられます。

■蜂毒

スズメバチ、アシナガバチなどの蜂の毒液によるアレルギー反応です。
日本では、毎年20人ほどの人が蜂に刺されてアナフィラキシーショックを起こし、なくなっています。

■薬物

薬物が原因となるアレルギー反応です。
原因となる薬物は、ペニシリン系などの抗菌薬(抗生物質)、アスピリンなどの解熱鎮痛剤、検査に使われる造影剤や局所麻酔などのが、原因となりやすい傾向にあります。

毎日蜂に会うという方は多くないですし、薬物も機会があれば使う程度だと思います。
ですので、この原因の中で一番身近なのは、人間が生きていくうえで必要不可欠な食べ物ではないでしょうか。
とはいえ、食べないわけにもいきませんよね。
では、どのようにアレルギーを調べることが出来るのでしょうか。

 

アレルギーを調べる方法

患者さんによって、アレルギーを引き起こす原因、アレルギーがあるのかどうかは検査で調べることができます。代表的なものを紹介しましょう。

■血液検査

血液の中にアレルギー反応を引き起こすIgE後退が、どの食べ物に対して、どの程度あるのかを調べることができます。
当院でも日本人に多いとされるアレルギー(カビ、ハウスダスト、食べ物、植物など)を39項目、一括で調べることができます。

■皮膚テスト(プリックテスト)

皮膚にアレルゲン液を症状たらし、プリック針と呼ばれる専用の針で小さな傷をつけます。
15分後、皮膚に出た赤みや晴れの度合いから、アレルゲンを判定します。

■食物除去検査

アレルギーが疑われる食物を1~2習慣完全に食べないようにして(完全除去)、湿疹や胃腸症状などの症状が治まるかどうかをみます。

上記以外には蜂毒アレルギーを調べる検査などがあります。

 

まとめ

いかがでしたか?
アレルギーは季節柄、身近なものだと花粉症もアレルギー疾患ですね。そろそろスギ花粉が落ち着いてくる頃です。
アナフィラキシーは、同じアレルギーの疾患の中でも、症状が出るまでの時間が極めて短く、激しい症状が現れることが特徴です。
特に血圧低下や意識障害などの、ショック症状を起こしてしまうアナフィラキシーショックは、命を脅かすような危険な状態です。
直ちに医療機関へかかりましょう。

では、アナフィラキシーショックを起こしてしまったときにはどのような対応をすればよいのでしょうか。
次回の記事では、アナフィラキシーショックの対症療法である「エピペン(アナフィラキシー補助治療剤)」について解説します。