みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。

胃や大腸の検査前や検査後、胃腸炎で医療機関にかかったときに「消化の良いものを食べてくださいね」と言われたことはありますか?
私自身も、診察で「消化に良いもの」と説明することがあります。患者さんとしては「具体的にはどんなもの?」と思うかもしれませんね。
今回は、「消化に良い食べ物」がどんなものなのかを解説していきます。

消化に良いものを考えるために、まずは消化に悪いものを考えてみましょう。


消化の悪いものとは?

消化に悪いとされる代表的なものはズバリ!「脂肪」と「繊維質」です。

 
脂肪

肉や魚、ナッツ、乳製品などに多く含まれています。
牛乳やアイスクリームはサラっとしているイメージがあるので消化に良さそうですが、これらは脂肪が多く、冷たいため、胃腸炎のときなどは消化器に負担がかかります。

大腸の検査前では、乳製品は腸内が白く残ってしまい、腸内の観察に支障が出る可能性があるため禁止です。

繊維質

穀物、野菜、根菜、きのこ類、果物などです。100%のジュースなどもこれに含まれます。
普段は体に良いとされている繊維質も、消化されにくいため胃腸の負担になります。
フルーツは調子の悪いときに食べるという方もいるかもしれませんが、胃腸炎のときなどは控えたほうが良いかもしれませんね。

大腸の検査前では、繊維質の食べ物は消化されないため胃や腸に食べ物のカスが大変残りやすくなります。
そうなると腸内の観察の妨げとなり、しっかりとした観察ができないことがあります。

 
では、この2つからわかる「消化に良い食べ物」はどんなものでしょうか。

 
消化に良い食べ物は? 

繊維質が少ない、炭水化物、タンパク質中心の食事です。
具体的には、おかゆ、重湯(おかゆの上澄みの部分)、柔らかめのうどんなどです。
脂肪の少ない白身魚などは一緒に入れて食べても大丈夫ですが、もちろん薬味などは入れないようにしましょう。


「うどんが良いならそばもOK?」と思うかもしれませんが、同じ麺類であってもそばは繊維質が多く含まれており、ラーメンやパスタは脂肪分が多いため控えるのがベストです。
卵や豆腐は繊維質や脂肪も少ないためおすすめです。
調理の際は味付けは塩分控えめ、香辛料などの刺激物を避けるようにしましょう。

 
まとめ

いかがでしたか?
消化に良い食べ物の条件は・・・

  と、言えるでしょう。
繊維質、脂肪が多い食べ物を避ける以外にも、冷えているものなども胃の負担になります。
大腸内視鏡検査の前や後、胃腸炎と診断されたときに「消化のいいものを食べて」と言われたときには、こうしたものを意識して食べるようにしてみてください。

もちろん、「具合の悪いときには必ずこれを食べましょう。」というお話ではありません。
嘔吐や下痢でそんな食べられるような状態ではないときは、点滴を行うこともあります。
「胃腸の調子が悪いから消化の良いものを・・・」と自分で判断して、無理に食べる前にまずは医療機関を受診してみましょう。