みなさん、こんにちは。横浜市アレルギー科のららぽーと横浜クリニックです。

今年もこの時期がやってきました。患者さんも徐々に増えています。
・・・そう、花粉症の季節です!人によって症状は変わりますが、我慢できない鼻水や目のかゆみなど、どれも辛いものです。
アレルギーの病気としては花粉症だけではなく、他にも数多くの病気があります。

今回は、アレルギーの引き起こす病気についてお話していきます。

 

アレルギーとは?

「アレルギー」という言葉は普段からよく使われているので、ほとんどの方が耳にしたことがあると思います。
例えば、飲食店のメニューでアレルギーの表記を目にしたり、友人との会話で「私は卵アレルギーなんだ」と聞いたり…覚えがありませんか?
それほど普段から使われている言葉ですが、一部「拒否反応」「体に合わない」というイメージでアレルギーという言葉が使われることがありますが、これは正しくありません。
私たちの体には、「免疫」という病気を引き起こす異物(細菌・ウィルス・寄生虫など)から、身を守るための仕組みがあります。
この免疫の働きが、ある特定の異物(スギ花粉、ダニ、食物など)に過剰に反応してくしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまうことを「アレルギー反応」といいます。

では、こうしたアレルギーの病気とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

 

アレルギーの病気

アレルギーの病気としては、喘息(ぜんそく)、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、花粉症などが挙げられます。

喘息

喘息は、気管支が敏感になり狭くなってしまい、呼吸が苦しくなる病気です。
「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)、激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状が、喘息(ぜんそく)の発作です。
喘息の人の気管の粘膜は発作が収まっている時でも炎症が起こっています。
日本では、子供の5~7%、大人の3~5%が喘息だといわれています。子供の喘息は、男子に比較的多く、ほとんどの場合はアレルギーが原因とされています。
発作がなくなる時期がありますが、20~30歳頃に再発することもあります。
大人の喘息の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで子どもの喘息に比べ、原因が明確に特定できない場合が多いとされています。

アレルギー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の人は皮膚のバリア機能が低下しており、さまざまな刺激に皮膚が反応して炎症が生じやすくなります。
皮疹の広がり方は小児と成人では異なるという特徴があります。皮膚から水分が失われやすくなるために、乾燥肌の患者さんが多いこともアトピー性皮膚炎の特徴です。
皮膚のバリア機能が低下しているため、アレルギーなどが悪化因子になることがあります。
ダニやほこり、花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンのほかに、化粧品や金属などによる接触アレルギーがあります。
こうした環境アレルゲンや、接触アレルギーの原因を回避していくことが大切です。

食物アレルギー

食物アレルギーは、ある特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応があらわれます。
食物アレルギーの原因となる物質であるアレルゲンは、主に食べ物に含まれるタンパク質で、

と、加齢に伴って食物アレルギーの原因が変わっていくという特徴があります。
乳幼児の5~10%、学童期以降では1~3%が食物アレルギーと考えられています。
子どもの頃の食物アレルギーは、多くが成長に伴い徐々に原因食物が食べられるようになります(「耐性獲得」といいます)。
一方で、大人の食物アレルギーは、耐性獲得しにくく、原因食品の継続的な除去が必要なことが多いと考えられています。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎は目に生じるさまざまなアレルギー疾患の総称です。目はアレルギー反応が生じやすいという特徴があります。
結膜は直接外界に接していて抗原が入りやすいこと、入ってきたアレルゲンが目を常に潤している涙液で溶かされやすいこと、結膜にはアレルギー反応を引き起こす免疫細胞が多く、さらに血管もたくさんあるため体内入り込みやすいのです。
主な症状はかゆみで、掻けば掻くほどかゆくなります。
視力に影響を及ぼす場合もありますし、掻くことで粘膜を傷つけてしまいますので早めに眼科を受診しましょう。


アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因1年を通して鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因で、花粉の飛散時期だけに鼻炎症状が認められる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」に分けられます。
くしゃみ、透明な水溶性の鼻水、鼻づまりが特徴です。通常、私たちは鼻で息を吸うので鼻水と鼻づまりで日常生活が損なわれます。
外気が乾燥していても呼吸のときに鼻を通ることで鼻の中で空気に湿度が加えられて体内に入りますが、口呼吸になると乾燥した空気がそのまま体内に入り感染症などのリスクが高まります。


花粉症

花粉症は、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の中でもスギやヒノキなどの春の花粉が原因によるものが多く、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが生じます。
全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています
関東や東海地方ではスギが中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。
一方、北海道にはスギやヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。地域により、飛散時期は多少ずれますが、概ね同じ時期にピークを迎えます。

 

まとめ

いかがですか?
アレルギーによって引き起こされる病気は様々ですね。アレルギー体質の方は、1種類ではなく、様々な食物にアレルギー反応が出ることがあります。
もちろん、今回お話した以外にも様々なアレルギーがあります。
アレルギーと付き合うために大切なのは、自分がどのようなアレルギーに反応を持っているかをしっかり調べることです

例えば、当院では症状にアレルギーが関与していると考えた場合は、医師の判断でアレルギーを調べる採血を行うことがあります。
アレルギー採血は、自分にどのようなアレルギーがあるのかを調べることが可能です。
ダニやハウスダストのアレルギーであればこまめに掃除をするようにしたり、犬や猫などのアレルギーであればそうしたペットは買わないようにしたり、アレルギーに合わせて室内環境の整備を行うことができます。
また、スギ花粉が陽性と確定診断された(採血検査で陽性だった)場合は、スギ花粉症を根本から治療する「舌下免疫療法」を始めることもできます。
薬局でも症状を抑えるための抗アレルギーの薬は購入が出来ますが、医師に相談し、検査をして今後の生活について考えていけることが、受診のメリットです。
辛い症状の場合は、医師に相談することも検討しましょう。