こんにちは、横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
あけましておめでとうございます。本年も当院をよろしくお願いいたします。

さて、昨年2020年は1日の内視鏡検査の件数が過去最高となる日もあるほど、患者さんが殺到する時期もありました。
検査後の診察時には患者さんから様々な質問をされるのですが、その中でも多い質問が「大腸ポリープはどうしたら予防できますか?(原因はなんですか?)」というものです。
今回は、大腸ポリープの予防はできるのか?という話題でお話していこうと思います。

 

大腸ポリープとは?

まず、大腸ポリープとは、わかりやすく言うと大腸にできる「できもの」です。
大腸ポリープは、大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられます
ここから更に、腫瘍性ポリープは「腺腫」「がん」、非腫瘍性ポリープは「過形成性ポリープ」「過誤腫性ポリープ」「炎症性ポリープ」に分類されます。
よく見られるのは「腺腫」と「過形成性ポリープ」で、腺腫については良性であっても大きくなると大腸がんになる可能性があります。
ちなみに、大腸がんが発生する過程に関しては、1つは腺腫が放置され悪性化するパターン、もう一つは腺腫の状態を経ることなく、最初からがんとして発生するパターンがあるといわれています。
では、この大腸ポリープは何が原因となってできてしまうのでしょうか。

 

大腸ポリープの原因

大腸ポリープができる原因は明確には分かっていません。ですが、主に遺伝子の異常であると考えられています。
大腸がんのリスクを高める要因として、年齢、家族歴(家族に大腸がんなどを患った人がいるなど)、肉食傾向、高カロリーな食事、肥満、お酒の飲みすぎ、喫煙などが指摘されています。
こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープが発症し、がんになるといわれています。
また、家族内で頻発するポリープとして、家族性腺腫性ポリポーシスという、大腸の中に数百…それ以上の数えきれない大腸ポリープができる病気があります。
この病気は上記のような要因とは異なり、遺伝により発症することが明らかになっています。10歳頃にはポリープができ始めるそうです。
年齢が上がるにつれてがん化する確率が高くなり、放置しておくと、将来的にほぼ100%大腸ガンになると言われています。

 

大腸ポリープの予防

明確な原因がないため、大腸ポリープそのものをできないようにする方法は、現在のところありません
ですが、大腸ガンのリスクを高める要因として指摘されるものを注意すれば、ポリープが大きくなることや、がん化することを予防できると言われています。
例えば、欧米化した食生活(肉食中心)は大腸がん増加の原因と言われています。肉食を減らし、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。
また、腸内環境を整えることも大切です。腸内細菌叢が乱れると体の免疫力が低下し、ポリープの発生、増大を助長すると言われているのです。ですから、普段から便秘や下痢を繰り返すような方は注意が必要とでしょう。
大腸ポリープは大腸がんの元です。ですから、大腸ポリープの発生を予防が出来れば大腸がんの予防にもなりますよね。ですが、大腸ポリープの発生を予防法はない…じゃあ打つ手はないのか、というとそんなことはありません。

 

大腸ポリープが発生したらどうする?

たしかに、大腸ポリープの発生は予防法がありません。
大腸ポリープは治療せずに放置しておくと、大腸がんとなってしまいます。その確率は80%と言われています。
では、大腸がんにならないためにはどうしたらいいのか…。
ズバリ!大腸がんとなる前に大腸ポリープを切除する!です。
大腸ポリープはゆっくりと育ち、やがて大腸がんとなります。大腸ポリープが出来てから数日~数週間で大腸がんとなるものではないのです。
したがって、大腸ポリープを大腸内視鏡検査で切除することが、最も有効な大腸がんの予防法なのです。

 

まとめ

いかがでしたか?
大腸ポリープは明確な原因がないため、発生そのものを予防することは非常に難しいです。
ですが、大腸ポリープがその後大腸がんになることを防ぐことはできます。

大腸がん、皆さんはどんな症状を想像しますか?血便、腹痛、便秘…どれも正解です。
ですが、いずれも大腸がんが重度に進行した場合にやっと出てくる症状なのです。初期の大腸がんでは、症状となり現れることは少ないのです。
血便や便秘の症状があり、大腸内視鏡検査を受けたら大腸ポリープが見つかった方もいます。これはそのポリープが原因となって血便や便秘が起きていたわけではありません。
たまたまポリープが見つかっただけなのです。また、残念ながら会社の健康診断で行われる便潜血検査では、大腸ポリープがはほとんど発見することができません。

健康診断を機に、年齢を機に、気になる症状を機に、定期的な大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。