こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は、肛門に関する誰にでもあるような症状のお話をしていきましょう。
肛門科では、痛み、出血、異物感(いぼ痔)などといった症状で来院される方も多いですが、「肛門のかゆみ」にお悩みの患者さんもとても多いのです。
デリケートな場所なので、なかなか人に相談もできないですし、腕や足などといった普段露出されている部分ではないので掻くことも出来ず、ずっと悩んでいる方もいるのです。
今回は、肛門のかゆみの原因と予防法について解説していきます。

 

肛門のかゆみの原因は何?

  1. 硬い便や下痢の勢いで出来た小さな傷
  2. トイレットペーパーで肛門を拭きすぎている
  3. ウォシュレットを強く長く使いすぎている
  4. お風呂で強くこするように洗いすぎている
  5. 肛門に粘膜からでる分泌液、汗が皮膚に付着しかぶれて炎症を起こしてしまう
  6. 直腸型便秘症で、直腸にたまった便や宿便の刺激
  7. アレルギー体質が原因で、肛門~性器周辺にかゆみが出てしまう
  8. 体の異常はないが、ストレスなどの心因性のかゆみ

など、上記のような様々な原因によってかゆみが引き起こされるとされていますが、痒みの大元の原因は『便』であることがほとんどです
このような、肛門やその周りに主にかゆみを訴える病気を肛門掻痒症と呼びます。
肛門掻痒症のメインの症状はもちろん強いかゆみですが、かゆみ以外では肛門のべたつき、下着の汚れなどがあります。
肛門掻痒症は拭きすぎ、洗いすぎ、傷など、肛門外側から傷つけてしまうことにより引き起こされる病気です。

では、肛門のかゆみを防ぐためにはどんなことに気を付ければよいのでしょうか。

 

肛門のかゆみの予防法は?

拭きすぎない

肛門を清潔にしようとするあまり、トイレットペーパーで何度も拭いてしまうことは肛門によくありません
トイレットペーパーで強く何度も繰り返して拭くと、肛門に小さな傷が出来てしまい、そこからかゆみが引き起こされます。
硬いペーパーも傷を作る原因になります。どうしても何度も拭くのであれば、せめて優しく、やわらかいペーパーを使いましょう。

洗いすぎない

ウォシュレットを強く長く洗ってしまうと、肛門の皮膚を保護する粘膜が洗い流されてしまい、細かい傷が出来てしまいます
ウォシュレットはとても便利ですが、使い方は弱めの水圧で5秒程度当てるだけで肛門にとっては十分なのです。ウォシュレットは正しく使いましょう。
また、入浴時に石鹸で洗いすぎることも、アルコール綿で拭くといった行為も、同じ理由で肛門のかゆみの原因になりますので、気を付けましょう。

排便コントロールをする

硬い便が続けば肛門が切れてしまいますし、下痢が続けば排便時の勢いで肛門に傷が出来てしまいます
便が肛門にたまってしまわないように、毎日排便があるようにコントロールすることが必要です。
生活習慣、食生活の見直し、適度な運動を心がけて便秘・下痢の改善を試みましょう。
ですが、自分だけでは改善しきれないことも多いです。
そうした場合には医師に相談して、薬で治療するという方法もありますから、自分ひとりで悩みを抱えないようにしましょう

 

まとめ

いかがでしたか?
肛門のかゆみの原因には、必ずこれ!といった原因はないのですが、生活習慣などが関わっている場合がほとんどです。
肛門掻痒症以外であれば皮膚真菌症(カンジダや白癬など)、かぶれ、皮膚疾患、ぎょう虫症、痔疾患などが考えられます。そうなると別の病気ですので、治療法などは変わってきます。
肛門はやはり便が出てくるところなのでどうしても汚いというイメージが強いかもしれませんが、過度に綺麗にする必要はないのです。
綺麗にしようと思って強く拭いたり、洗いすぎたりは禁物です。逆にかゆみを悪化させてしまいます。
肛門はデリケートな部分ですから、優しく拭いて洗ってあげましょう。
それでもなかなか良くならない場合は、医師に相談して薬で治療をすることも可能です。一人で悩まずに、専門家のいる肛門科を受診しましょう