みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
すっかり涼しくなりましたね。秋と言えば・・・私は食欲の秋でしょうか。おいしい物が多い季節ですね。夏バテも乗り越えてついつい食べ過ぎてしまう・・・なんてこともあるかもしれませんね。
お腹がいっぱいになるまで食べると、胃が辛いな~と思うことも多いと思います。
今回は、初心にかえって胃の仕組みについてお話していきます。
 
 

胃の仕組み

私たちの体は、食べ物を取り入れることによって体を動かしたり、身体を作ったりするエネルギーを得ています。食物を消化して、分解し、体内に栄養素として吸収することで、生命活動を維持しています。
このような消化・吸収に働く器官のなかで、消化の重要な働きをしているのが胃なのです。胃は皆さんご存知の通り、口から入ってきた食べ物が蓄えられる袋のような臓器です。
長さは成人で約25㎝。胃の容積は空腹時には50mlですが、食後には、詰め込めば2ℓにもなります。口から肛門まで連なる消化管のなかで、もっとも大きな容積をもつ臓器が胃です。
 

胃の主な働きは?

1.摂取した食物を蓄える。
2.消化の第一段階が行われる。
3.第一段階の消化が終えた食物を、ゆっくりと十二指腸へ送り出す。(蠕動(ぜんどう)運動)
ちなみに、この胃の働きが上手く行われないと、消化不良やゲップ、胃酸が上がるなどの症状が出てくるというわけです。
 

胃酸分泌の仕組み

胃酸とは非常に強力な酸で、胃の中を一定以上の酸性に保ち、食物の消化の他に食物と一緒に体内に取り込まれた菌の殺菌を行う働きがあります。
しかし、胃そのものは胃酸にさらされながらも溶けることはありません。これは粘液で胃の内側に膜を作ることで胃酸が直接触れ合わないようにして胃を守る仕組みが存在する為です。
胃酸が必要以上に分泌される状態が「胃酸過多」です。胃酸の強力な酸の力が、胃を守る粘液の力より優勢になると「胃酸過多」になり、胃酸によって胃粘膜が傷つけられてしまい、胃炎や胃潰瘍に繋がります。
また、胃痛の他にも、胃もたれ、胸焼けなどの症状を起こします。食べ物との反応で、げっぷが出やすくなったり、胃酸が食道まで上がってきたりする胃酸逆流などが起こったり、それが原因で口臭が起こることもあります。
 

食べ過ぎると・・・?

胃は食べたものを一定期間貯え、消化しやすい形に変え小腸に送り出します。食べ過ぎると胃に留まる時間が長くなり胃もたれの症状が起こりやすくなります
食べ物には消化しやすいものと消化しにくいものがあり、
焼肉、てんぷらなどの脂っこい食事は、ご飯やパンなどの炭水化物に比べると消化に時間がかかりやすく、胃にかかる負担も大きくなる為、胃もたれが起こりやすくなります。
ちなみにお米やお餅、生卵は30分。上記に挙げた焼き肉やてんぷらはなんと…4時間かかるのです。
消化に良いもの・悪いものって、イメージはつきますが、こうして具体的な時間で言われるとその差に驚きますよね。
仮に自分が疲れているときにあと30分働けばよいのと、4時間も働かなければならない…と想像してみてください。
…正直、ウンザリしてしまいますよね。
胃の調子が悪いな、と思ったら胃に負担をかけないように消化に良いものを摂るようにしましょう。
 

まとめ

胃を大切に守るには一番は食事に気配りをすることです。 例えば…
・腹八分目を守ること(→ 食べ過ぎ、飲み過ぎは胃への拷問です)
・よく噛むこと(→ 咀嚼不十分の食物は胃に負担をかけます)
・塩分を控えめに(→ 塩分の多い食事は、胃炎、胃潰瘍、さらには胃癌をも増加させます)
あとは、適度な運動、十分な睡眠、お酒の飲み過ぎにも気をつけてあげましょう。
 
胃の調子がイマイチだな…というときにちょっと無理して食べた食事、食後に気持ちが悪くなってしまっては折角の美味しかった食事が台無しですよね。
胃の調子を考えて、食後まで美味しかったと満足感いっぱいでいられるように、「普段から無理をさせず大事にいたわってあげる」というのが胃を快調に保つコツなのです。
是非、意識してみてくださいね。