皆さん、こんにちは。横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は、悩んでいる人の多いニキビの話題です。ニキビは10~30代の青年期の男女に見られる、慢性の炎症性疾患です。顔面などの分かりやすい場所にできるため、特に思春期の患者さん達にとって非常に辛い悩みの一つです。
当院にもニキビの治療を希望し、受診される患者さんが沢山います。今回は、ニキビの原因と治療についてお話をしていきます。

 

ニキビの原因

ニキビは、皮膚の慢性炎症性疾患にあたる、立派な病気です。
思春期にできることの多いニキビは、小学生~中学生くらいにでき始め、高校生になる頃には最も悪化します。大人になるにつれて、軽快していきます。
部位は顔面、上背部、前胸部などの皮脂の多い…分かりやすく言えば、表面がテカテカとしやすい場所にみられます。

ニキビの原因は、性ホルモン、皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌(誰もが持っている常在菌と呼ばれる菌)の増殖が関係しています。

性ホルモンの分泌が思春期に活性化したり、ストレスが原因で過剰になったりすると、毛穴の奥にある皮脂腺(ひしせん)が発達し、皮脂が沢山分泌されます。
過剰に分泌された皮脂によって、毛穴が詰まったりすることで、毛穴の内側に皮脂が溜まってしまいます
この状態を面皰(めんぽう)と呼びます。この面皰の内側は、アクネ菌が育つのにとても適した環境になっています。
ですから、面皰の中ではどんどんアクネ菌が増えていき、増えすぎた菌に抵抗するために免疫が働き、炎症を起こしてしまいます
こうして、赤く腫れあがるニキビができてしまうのです。

簡単にニキビができる原因についてお話をしましたが、ニキビはその状態によって呼び方や治療方法も違います。
ニキビの種類は具体的にどのようなものがあるのかをチェックしてみましょう。


ニキビの種類

ニキビの種類をわけるのにポイントとなるのは「炎症があるかないか」です。

炎症のないニキビ(面皰:めんぽう)

白ニキビ
白ニキビは皮脂が毛穴に詰まった状態です。皮膚の内側では、毛包が広がるとともに、アクネ菌が増え始めます。表面からみるとプツプツとしています。

黒ニキビ
黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開き、メラニン色素や酸化された皮脂などによって黒く見える状態です。

炎症を起こしているニキビ

赤ニキビ
赤ニキビは皮膚の下では増えすぎたアクネ菌が活性化し炎症を起こしています。赤く腫れあがり痛みを伴うこともあります。
無理に潰したり、気になるからと触ってしまうと、炎症が広がったり、悪化してしまうとニキビ跡になってしまうため、そっとしておくことが大事です。

黄ニキビ
黄ニキビは赤ニキビと比べて炎症が進み、膿が溜まって大きく腫れた状態です。とても強い炎症のニキビなので、凹んだクレーター状のニキビ跡を残してしまうことがあります。

ニキビは、こうして症状もなく目立たない白ニキビを経て、赤ニキビや黄ニキビといった炎症を起こすニキビへと進行していきます。
ニキビは、できてしまうと目立ってしまいますし、ニキビ跡になってしまうと、改善が大変です。
ですから、ニキビには予防も大切なのです。

では、予防の前に、まずはこうしてできてしまったニキビは、どのように治療していくのでしょうか。


ニキビの治療

ニキビができた時期や経過、ストレスなどを含め、生活習慣について医師とお話をします。
ニキビには特別な検査はありませんが、簡単な採血検査で基礎的な病気がないかをチェックする場合があります。
基本的にニキビは保険が適用されるので、保険適用内で治療を開始します。

ニキビの治療には、塗り薬、飲み薬が何種類もありますが、もちろん薬によって効果が違います。
白ニキビの治療ならこれ、赤ニキビならこれ…というように、ニキビの状態によって治療に使用する薬を選ぶ必要があります。
では、こうした薬を使って次の日~数日後にはよくなるのか?というと、実際のところはそうではありません

ニキビは慢性の疾患、治療をしっかりと継続しないと繰り返してしまう病気です。また、一度治療をしただけではなかなか治りません。
ニキビは経過から分かるように、じわじわと悪化をしていく、なかなかにしつこい病気です。
場合によっては長期の通院となるかもしれませんが、ニキビの治療は気長にコツコツと継続的に根気よく治療をすることも重要です。


まとめ

いかがでしたか?
ニキビは、最初は症状もなく、見た目でも分かりづらいものの、じわじわと皮膚の下で活動を続けています。
パッと見で分かるようになる頃には、赤ニキビとなってしまうので注意が必要ですね。
症状が出る頃には、どうしても気になって触ってしまいがちですが、触りすぎるのはNG!自分で潰してしまうなんてもってのほかです。

段々と悪くなっていくニキビはそう簡単にやっつけることはできません。洗顔で顔を清潔に保つなどの生活習慣も大切ですが、根気よくニキビと戦い、治療を続けることも大切です。
ニキビ跡、特にクレーター状の酷いものになると、治療が困難になってしまいます。そうなる前に、早めの対処をしていきましょう。
大体の人は白ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビが混在している場合がほとんどです。
こうしたニキビにはどのような治療薬が選ばれるのか、次回は薬の選び方の一例と、予防方法についてお話していきます。