みなさん、こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回のブログのテーマは患者さんから多い症状を取りあげていきたいと思います。
その症状とは・・・・「喉の違和感」です。それって耳鼻咽喉科じゃないの?と、思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
胃腸科と喉がどう関係しているのかなど、喉の違和感はどのような病気の可能性があるのかを、胃腸科の観点からお話していきたいと思います。

 

「喉の違和感」なのに胃腸科が関係あるの?

「喉のあたりの違和感・・・であれば耳鼻咽喉科!」と思われるかもしれません。もちろん、正解です
喉のあたりの違和感には、慢性の咽頭炎や扁桃炎、喉頭がんや咽頭がんといった怖い病気の可能性もあります。
しかし、実際に耳鼻科で検査を行ってみても「先生には何もないと言われた…でも症状が続く…」と、訴える患者さんは多くいるのです。
人が「喉」と言って指す場所には、気管や食道といった管や甲状腺など、病気が現れる場所はいくつかあります

例えば、食事をしている途中や食べた直後、なんとなく食べ物がうまく運ばれていないような、胸がつかえているような、そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
・・・このような症状がある場合は、消化管の病気が関係している可能性が考えられます。ですから、喉の違和感で胃腸科を受診することも、また正解ということになります。
さて、具体的にはどのような病気が考えられるのでしょうか。

 

喉の違和感により考えられる病気

代表的な病気として、以下のような病気が考えられます。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食べ物が、食道に逆流をして炎症をおこしてしまう病気です。
胃には自分で分泌した胃酸から胃を守る働きがありますが、食道には胃酸から食道を守る働きはありません。
そのため、なんらかの理由で食道側に胃酸が逆流してきて、食道が荒らされてしまうため、喉の違和感や胸焼けといった症状が現れることがあります。
近年増え続けている病気で、年齢問わず広い世代でみられます。

好酸球性食道炎

好酸球性食道炎は、アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種、「好酸球」が、食道の粘膜に集中し、慢性的に炎症を起こすことで起こる病気です。
アレルギーが原因となる食道炎のため、アレルギー性食道炎とも呼ばれます。逆流性食道炎と比べると、比較的珍しい病気です。
原因となるアレルギーに関しては。調べてみても原因がはっきりしない場合もあります。
慢性的な炎症が起こることで食道の機能(食べ物を胃に送る働き)が障害され、喉の違和感や痛みが現れることがあります。

腫瘍性病変(咽喉頭がん、食道がん)

咽喉頭がん、食道がんは、その名の通り、咽頭、喉頭、食道にそれぞれ悪性の腫瘍(がん)が出来てしまう病気です。
症状としては、のどの痛みは違和感からはじまり、出血や息苦しさ、食べ物の飲み込みづらさといった症状へと進行します。

「喉の違和感」というよくある症状は、逆流性食道炎といった比較的よく聞く名前の病気から、ガンといったとても怖い病気まで、いくつかの病気の可能性が考えられることが分かりますね。

 

まとめ

いかがでしたか?
症状を感じる部分が「喉」なので、喉という字の入っている耳鼻咽喉科だけを考えがちですが、喉のあたりには胃に通じる食道が通っているため、胃腸の病気と関係している可能性があります。
自分でこの場所はこうだから、と判断するのではなく、専門の医師に診てもらい、必要があれば内視鏡検査などで詳しく調べてもらうことが必要でしょう。
喉の違和感は咽喉頭がん、食道がんの初期症状の可能性もあります。
人によっては「良くある症状だから~」と軽く済ませてしまいがちですが、症状を繰り返していたり長く続くようであれば、必ず医師に相談するようにしましょう。