皆さんこんにちは。横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さん、最近疲れやすさや体調不良を感じることはありますか?睡眠不足や運動不足などは、近年の日本人の問題になっており、規則正しい生活を送るようにと言われています。
ですが、生活習慣を見直してみても改善されないことがあるとすれば、その原因は「ビタミン不足」にあるかもしれません。
今回は、人の体に必要不可欠なビタミンについて解説をします。

 

ビタミンとは?

三大栄養素である糖質・脂質・タンパク質と異なり、必要量が少ない為「微量栄養素」と呼ばている栄養素です。微量でも三大栄養素の代謝を助ける、人の体には必要不可欠な栄養素です。
食べたものがしっかりと体に吸収させるためには、補酵素と呼ばれる物質のサポートが必要になります。その補酵素こそがビタミンというわけです。

ほとんどのビタミンは体の中で作ることができないため、食物から摂取する必要があります。しかし、必要な栄養素でありながら、食の欧米化が進むなどで食事が偏り、ビタミン不足による体調不良や病気になる人が増えてきています。
ビタミン不足、といってもビタミンにはいくつもの種類があり、その種類によって含まれる食材や不足した時に現れる症状が変わってきます。
次に、ビタミンの種類について解説をしていきましょう。

 

ビタミンの種類ってどれぐらいあるの?

ビタミンは2種類の性質に分けられています

水溶性ビタミン

水に溶けやすく大量に摂取しても、体内に蓄積されず比較的早く体外に排出されます。長時間水に浸したり、加熱をしたりすると失われてしまうこともあります。

脂溶性ビタミン

脂に溶けやすい性質で、脂と一緒に調理すると効率よく体内に吸収されやすいと言われています。ですが、水溶性ビタミンとは違い体内に蓄積されていくため、過剰摂取すると体調に異常をきたすこともありますので注意が必要です。

この2つの性質をつビタミンは合わせて13種類あり、それぞれが重要な働きをもっています。つまり、不足しているビタミンによって現れる症状が変わってきます。
それぞれのビタミンがどのような働きを持っているのかを詳しく見ていきましょう。

 

水溶性ビタミン(9種類)

ビタミンB1

糖質の代謝がスムーズに行われるために不可欠なとして働くビタミンです。糖質からできるエネルギーを必要とする、脳や神経系の働きの維持や調節にも大きな役割を担っています。
不足時の症状:エネルギー代謝が不調になって、疲労物質がたまるため、めまい、食欲不振、疲労、全身の倦怠感などをきたします。主な病状としては脚気(かっけ:足がしびれたりむくんだりする症状)があげられます。
多く含まれる食べ物:豚肉、ウナギ、大豆、玄米など

ビタミンB2

三大栄養素の補酵素として働きますが、とくに脂質の代謝と深く関わっています。皮脂の分泌を調節、肝臓の働きを強めたり、毒物を解毒する働きがあります。
不足時の症状:口の周辺の炎症、口角炎や口唇炎、舌炎ができやすくなります。
多く含まれる食べ物:レバーや牛乳

ビタミンB6

タンパク質がアミノ酸に分解する過程に関わる補酵素として重要で、タンパク質の利用効率を高めます。妊娠中のつわりを軽くしたり、アレルギー性の病気を防ぐ働きもあると言われています。 
不足時の症状:皮膚疾患、神経障害、貧血など
多く含まれる食べ物:肉、レバー、マイワシ、ニラなど 

ビタミンB12

赤血球の生成促進、タンパク質や核酸、神経中のリン脂質の生合成にかかわって重要な働きをしています。赤血球の合成に関与しているので、悪性貧血の予防が期待できます。
不足時の症状:巨赤芽球性の悪性貧血、アルツハイマー症など
多く含まれる食べ物:レバー、牡蠣、イワシ、卵などに多く含まれている。

ナイアシン(ビタミンB3)

三大栄養素の代謝に関係していますが、なかでも糖質代謝で重要な働きをしています。 皮膚の発育や消化器系の働きを促進したり、解毒作用や老化防止作用もあるとされています。
不足時の症状:全身疲労、口内炎など皮膚粘膜の障害、食欲不振、消化不良、下痢などの胃腸障害、ひどい場合はペラグラ(太陽光線に敏感になり皮膚が赤く粗くなるとともに、倦怠感やうつ状態になる病気)など
多く含まれる食べ物:牛肉、豚肉、鶏肉、豆類、魚介類に多く含まれる。

葉酸(ビタミンB9)

赤血球の合成に関与し、貧血を予防します。細胞分裂を抑制する働きにより子宮頸部の異型上皮(前ガン状態)の進展を防ぐともされます。
ビタミンB12との組み合わせにより、肺ガンの前ガン状態である気管支上皮の異型性を正常化させると、臨床試験のでは報告されています。 
不足時の症状:巨赤芽球性の悪性貧血など
多く含まれる食べ物:緑葉野菜、牛・豚のレバー、牛乳や卵黄、大豆など

パントテン酸(ビタミンB5)

三大栄養素のすべての代謝で重要な働きをしており、脂質の代謝に不可欠とされます。タンパク質や炭水化物の代謝を促進します。
不足時の症状:末梢神経障害など 
多く含まれる食べ物:牛、豚のレバー、大豆、ピーナッツ、グリーンピースなどに多く含まれます。

ビオチン(ビタミンB7)

アミノ酸や脂肪酸の正常代謝に不可欠な働きをしており、筋肉痛をやわらげる効果があります。ヒトの場合は腸内細菌によってつくることができ、不足することは少ないといわれています。
不足時の症状:脱毛など
多く含まれる食べ物:レバーや酵母など

ビタミンC

抗酸化作用があり、その働きは非常に多岐にわたります。ビタミンEとの組み合わせで、抗酸化作用を発現し酸化されたビタミンEをもとに戻す働きがあります。ビタミンCは短時間で排泄されるので、食事のたびに緑黄色野菜や柑橘類などで補うよう心がける事が必要です。
風邪、壊血病、歯のぐらつきや出血を予防する効果があります。 
不足時の症状:貧血、倦怠感、疲労感、気力低下、食欲不振など
多く含まれる食べ物:ブロッコリー、カリフラワー、パセリ、小松菜、柑橘類

9種類もあるので、覚えるのは大変かもしれませんが、どれもバランスよく食事をとって入れば摂取できるような食材に含まれているビタミンです。
積極的に食事に加えてみましょう。

 

脂溶性ビタミン(4種類)

ビタミンA

成長、生殖機能維持、上皮細胞の正常化に関係します。目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。
不足時の症状:骨や歯の発育不全、視力低下、皮膚粘膜上皮の角質化、細菌への抵抗力低下など
多く含まれる食べ物:牛・豚の肝臓、ウナギなど

ビタミンD

腸管からのカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の再構築を調整する働きがあり、骨や歯の成長に不可欠です。欠乏すると、乳幼児ではくる病、成人では骨軟化症の原因となります。
不足時の症状:骨軟化症、骨粗しょう症など
多く含まれる食べ物:レバー、マグロ、イワシ、カツオ、天日干し椎茸、卵黄

ビタミンE

細胞を柔軟化し、筋肉の緊張を和らげたり、末端の血液循環をよくします。ビタミンEのもつ強力なからだのサビ取り効果(抗酸化作用)が注目されるようになり、今では若返りビタミンなどと呼ばれるようになっています。
不足時の症状:未熟児の溶血性貧血や深部感覚障害、小脳失調などの神経症など
多く含まれる食べ物:ゴマ油、コーン油、大豆、タラコ、カツオ、マグロなど

ビタミンK

血液の凝固を助け、血液凝固障害による出血を予防します。通常は腸内細菌によりつくられますが、新生児は腸内細菌が少ないので欠乏症になりやすいとされています。妊娠中にレバーなどを食べ、ビタミンKが胎児の肝臓に蓄えられれば欠乏症は防げるとされています。 
不足時の症状:出血傾向、血液凝固時間延長など
多く含まれる食べ物:納豆、肉、レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜など

水溶性ビタミンに比べると種類は少ないですが、骨や筋肉、血液など、人の体を構成する大切な組織に関係する大切なビタミンです。
脂溶性ビタミンは油に溶けやすい性質があるので、油でいためて調理をするなど適切な調理法で食事に取り入れていきましょう。


まとめ

どうでしたか?ビタミンは全身の様々な働きに関係していることが分かりますね。
どれもが重要な働きを持っているため、バランスの良い食事でしっかりとビタミンを摂ることがことが大切です

ビタミンには性質があります。性質を理解して食材を調理することで効果的にビタミンを摂取することができます。普段の食事に加えてみたり、難しいようならサプリメントでの接種、など方法はいくつもあります。

自分で食事を気を付けてみてもなかなか症状が改善されない場合は、ビタミン不足だけが原因ではないかもしれません。一度医師へ相談をすることも考えましょう。当院でも診察が可能です。お気軽にご相談ください。