こんにちは、横浜市アレルギー科のららぽーと横浜クリニックです。

皆さんは舌下免疫療というアレルギーの治療法をご存知ですか?近年ではこの治療法を探して当院へ来院される患者さんも増えています。
しかし、残念なことに舌下免疫療法は花粉症が始まるシーズンに病院に行っても、舌下免疫療法では花粉症の治療を開始することが出来ない場合があります

今回は、当院でも治療の行えるスギ花粉症に対する、舌下免疫療法をスタートするタイミングの秘密を解説したいと思います。

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法の1つにアレルゲン免疫療法というものがあります。実は最近始まった治療法ではなく、100年以上も前から行われている治療なのです。

舌下免疫療法は、体をアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
以前はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では舌下(ベロの下)に薬を置いておく「舌下免疫療法」が登場しました。これにより、自宅で治療をすることが出来る、昔に比べるとずっと治療がしやすくなっている治療法です。
ただ、残念なことにどのアレルギーに対してでも行える治療ではなく、薬の開発がされているスギ、ダニにアレルギーがあると確定診断をされた場合に初めて治療を受けることが出来ます

さて、この舌下免疫療法ですが、スギ花粉症では治療を開始できるタイミングが決まっています。
それは一体なぜでしょうか?


舌下免疫療法をスタートできるのはスギ花粉の飛ばない時期

安全に治療を行うために、スギ花粉の飛散する時期の前後に舌下免疫療法を開始することは出来ません。スギ花粉症の「アレルゲン」は「スギ花粉」であり、2月くらいなど、スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっています
初回投与(初めて薬を使う)はそうした体の反応性が過敏な時期を避ける必要があります。そのため、スギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始する必要があります。つまり、1月~5月くらいまでは治療を開始できないということです
スギ花粉の飛散が始まる3ヵ月以上前から治療を開始すると効果的と言われています。始めてからすぐの効果が出るわけではなく、その次のシーズンに効果が期待できます。
当院では6月~11月末の間であれば治療を開始することができます。治療を検討している場合は時期に気を付けてご来院ください。
飛散時期は治療を開始することはできませんが、1度開始したら毎日続ける必要があるため飛散時期も続けます
スギ花粉の飛散時期には治療を開始できないだけで、治療を続けることは必要なので間違えないように気を付けてくださいね。

 

まとめ

舌下免疫療法の治療のタイミングについて、どうして時期が決められているのだろう?と思っていた人もいるかもしれません。
薬を始めたからと言ってすぐに治療効果が出るわけではないので、6月などから始めて次のシーズンへ向けて毎日薬を続けていくことが大切です。
もうすぐスギ花粉がピークへ向かって飛散を始め、花粉症の皆さんも症状が出始めることだと思います。
個人差はありますが、薬で症状を抑えるだけの治療とは異なり、花粉症の根本的な治療は治らずとも症状がとても軽くなったという方はたくさんいらっしゃいます。
今年の治療開始時期は6月からです。希望の方はいつでもご相談ください。