こんにちは、横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は「CTコロノグラフィー」という検査方法についての話題です。皆さんは聞いたことがあるでしょうか。
残念ながら当院では行っていない検査のうちの1つですが、大腸内視鏡検査を行うことが困難な患者さんが受ける検査の1つとして提案をすることがあります。

今回はこのCTコロノグラフィーの検査がどのようなものなのか、どういった場合にこの検査を選択するのかなどを解説します。

 

CTコロノグラフィーとは?

CTコロノグラフィーとは、バーチャル大腸内視鏡検査という別名でも呼ばれる検査法の1つです。
手順は肛門から大腸・直腸内へ空気を注入したうえでCT撮影(コンピューター断層撮影:エックス線を使って身体の断面を撮影する方法)行います。
そうして撮れた画像を専用のソフトでコンピューター画像処理を行って、実際の内視鏡で覗いて見たような3D画像を作りますその出来た画像を解析し、大腸癌やポリープなどがないかを診断する検査です。
実際の検査では、下剤を服用して大腸の中を空にしなければならないので、下剤の服用が必要となります。
当日、CT検査台の上でお尻から空気を注入し撮影を行います。空気を入れるため、おなかが張った感じがしますが痛みはほとんどありません。
撮影は仰向けとうつ伏せと態勢を変えて2回行いますが、10分前後で撮影は終了します。

大腸内視鏡検査に比べて検査時間も短く、また検査当日に服用する下剤の量も少ないので体への負担や苦痛が少ないというメリットがあります。
しかし、一般的には「大腸の検査をしましょう」となるとCTコロノグラフィーよりも大腸内視鏡検査をお勧めすることがほとんどです。
CTコロノグラフィーにもメリットがあるのに大腸内視鏡検査が選択されるのは何故なのでしょうか。

 

CTコロノグラフィーを受ける人はどんな人?

CTコロノグラフィーは大腸内視鏡検査を何かの理由で選択できない場合に受ける検査の1つとして行うことが多いからです。

■高齢、心臓や肺のご病気をお持ちの為、通常の大腸内視鏡検査が困難と判断された方
■腸の癒着などによって、大腸内視鏡の挿入が困難な方、またはそのリスクのある方

CTコロノグラフィーでは、残渣(食べものなどのカスや出しきれなかった便など)とポリープとの鑑別が困難になることもあるため、最終的には大腸内視鏡検査が必要になるケースがあります。
病変(がんやポリープ)が疑われた場合は、直接大腸内視鏡検査で粘膜を見てみないと診断ができないからです。

ですから、大腸内視鏡検査を問題なく受けることができるような腸の患者さんに関しては、最初から大腸内視鏡検査を行うことを強くお勧めします。
内視鏡検査とCTとそれぞれメリットがありますから、医師と相談をして必要な検査を選択していく必要があります。

 

最後に

CTコロノグラフィーはバーチャル内視鏡検査と呼ばれる検査法です。内視鏡検査を行うことが難しい患者さんに行うことが多いです。
大腸検査に比べて検査時間も少なく、使う下剤の量も少ない為に体への負担が少ないというメリットがあります。
しかし、断面を撮影したことで作られる3D画像によって仮想の腸を見ていることになりますから、精度的には大腸内視鏡検査には劣ります

それぞれのメリットデメリットがありますので、医師にしっかりと相談をしたうえで検査を選択しましょう。
当院ではCTコロノグラフィーの検査を行うことは出来ませんが、当院に大腸検査を希望される患者さまのほとんどを大腸内視鏡検査にてご案内しております。
大腸検査を受けてみたいけど、どんな検査を受けるべきなのか悩んでいるのであれば一度症状と一緒に医師へ相談してみましょう。お気軽にご相談下さいね。